各社公表の有価証券報告書をもとに、製薬会社85社の2022年度の平均年収をランキングにまとめました。1000万円の大台を超えたのは13社で、1位はバイオベンチャーのそーせいグループ。大手新薬メーカーでは2年連続で中外製薬がトップでした。
昨年トップのソレイジアは3位
集計対象としたのは、7月7日時点で直近の事業年度の有価証券報告書を公表した国内の製薬会社85社。新薬メーカーのほか、後発医薬品メーカーやOTC(一般用医薬品)メーカー、バイオベンチャーが含まれます。ランキングに用いたのは、2022年4月期~23年3月期の有価証券報告書に記載されている従業員の平均年収。大半は23年3月期または22年12月期の数字です。
1位となったそーせいグループ(G)の平均年収は前年比116.2万円(9.5%)増の1344.7万円。昨年の3位から順位を上げました。2位は1340.9万円のモダリス。2016年度から6年連続トップだったソレイジア・ファーマは、前年から180万円減の1310.0万円で3位となりました。4位は1214.3万円の中外製薬、5位は1208.2万円のシンバイオ製薬でした。
そーせいGはGPCR(Gタンパク質共役受容体)をターゲットとする創薬に特化した創薬ベンチャー。ライセンスアウトによるビジネスを展開しており、2015年以降の累計ライセンス収入は世界の製薬/バイオ企業で3位、国内ではトップです。22年12月期の業績は売上収益155億6900万円(前期比12.1%減)、営業利益34億3600万円(9.0%減)でした。トップ3で22年12月期に営業黒字となったのはそーせいGのみで、モダリスは20億6300万円、ソレイジアは24億7000万円の営業赤字でした。
1000万円オーバーは13社
一般的に大台とされる1000万円を超えたのは上位5社を含め13社。昨年のランキングで1000万円を超えた11社にジーエヌアイGとエーザイが加わりました。
持株会社の大塚ホールディングス(HD)を除く大手新薬メーカー5社では、中外製薬が前年比58.5万円増で1200万円を突破し、他社を引き離しています。同社は6年連続で過去最高業績を更新しており、平均年収は過去5年間で約260万円アップしました。中外に続いたのは抗がん剤「エンハーツ」が伸びる第一三共で、25.0万円増の1119.9万円。武田薬品工業(1097.2万円)とアステラス製薬(1061.8万円)はそれぞれ昨年からわずかに減少しました。前年に1000万円を割ったエーザイは130.1万円増の1050.2万円となり、再び大台に戻しています。
モダリス、約200万円増
前年からの増加額が最も大きかったのは196.4万円(17.2%)増のモダリス。増加額2位は149.9万円(15.4%)増のジーエヌアイGで、3位のエーザイは130.1万円(14.1%)増となりました。このほか、そーせいGと千寿製薬、坪田ラボが100万円以上アップしています。
一方、前年からの年収ダウンが大きかったのは180.0万円(12.1%)減のソレイジア。主力製品「クレベリン」の需要減で2期連続の営業赤字となった大幸薬品も2年連続で100万円以上ダウンしています。サワイグループHDは86.7万円(9.4%)減少し、ニプロも84.8万円(12.9%)ダウンしました。
全85社のランキング
AnswersNews編集部が製薬企業をレポート
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