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参天製薬

参天製薬は眼科領域に特化したスペシャリティ企業。医療用眼科薬で売り上げの9割以上を稼いでいます。国内医療用眼科薬市場でシェア45.5%(2016年度)でトップ。14年には米メルクの眼科薬事業を買収し、売り上げが大きく拡大しています。

【参天製薬】医療用眼科薬の国内王者 米国の克服が課題

医療用眼科薬市場で国内トップシェアを誇る参天製薬。2015年度にはリウマチ事業を売却し、事業領域を眼科薬一本に絞りました。20年にグローバルトップ3入りを目指して海外企業を相次いで買収。アジア・EMEA(欧州・中東・アフリカ)の事業基盤強化を進めており、18年には世界最大市場の米国に本格参入する見通しです。

7年連続増収を記録 売り上げは好調

参天製薬の2016年度の売上高は1991億円(前年度比1.9%増)。増収となるのは7年連続で、17年度は2180億円(9.5%増)とさらに伸びる見通しです。2年に1度の薬価改定で売り上げを落とす企業も多い中、参天製薬の好調ぶりは目を引きます。

参天製薬の主な業績指標の推移表。【売上高】2015年度:1953億円【医療用眼科薬売上高】2015年度:1725億円、2017年度予想:2006億円(前年度比10.3%増)【営業利益】2015年度:802億円、2016年度:325億円(前年度比59.5%減。2015年度に事業売却益があった反動で大幅減益)、2017年度予想:374億円(前年度比15.2%増)

「眼科領域に特化したスペシャリティ・カンパニー」を掲げる同社は、医療用眼科薬だけで1819億円、売上高全体の9割以上を稼いでいます(16年度)。国内医療用眼科薬市場でのシェアは45.5%に及びます。

国内の事業基盤は盤石です。16年度は緑内障治療薬、加齢黄斑変性治療薬、角膜疾患治療薬、抗アレルギー薬、抗菌点眼薬といった「全てのメジャーなセグメントでナンバーワンのマーケットシェアを獲得」(黒川明社長)しています。

中でも、加齢黄斑変性などに使う眼科用VEGF阻害薬「アイリーア」は16年度に450億円を売り上げ、市場シェアは7割以上。国内市場では、まさに敵なしです。

相次ぐ海外企業の買収で収益力強化

かねてから眼科領域に強みがある企業ではあったもの、特に売り上げ拡大が加速したのはここ数年。15年にはもう一つの柱だったリウマチ事業をあゆみ製薬に売却して眼科事業に一本化し、海外企業の買収を重ねることで事業を拡大させてきました。

参天製薬の売上高の年度別推移グラフ。【売上高】2010年度:1108億円、2011年度:1144億円、2012年度:1191億円、2013年度:1487億円、2014年度:1618億円、2015年度:1953億円、2016年度:1991億円【医療用眼科薬売上高】2010年度:908億円、2011年度:936億円、2012年度:990億円、2013年度:1274億円、2014年度:1361億円、2015年度:1725億円、2016年度:1819億円。

12年に買収した仏ノバガリ・ファーマからは、臨床試験段階にあったシクロスポリンを獲得。欧州初の医療用ドライアイ治療薬「アイケルビス」として15年に発売しました。14年には米メルクの眼科事業(北米を除く)を買収。欧州市場の足場を強化しました。

さらに、16年には米インフォーカスを買収して緑内障の医療用デバイスにも参入しました。緑内障手術につかう「マイクロシャント」(欧州は承認、米国は臨床第3相試験)を獲得し、緑内障の製品ラインナップを強化しています。

海外売上高比率10ポイント増 メルク製品が貢献

参天製薬が次の成長の舞台として狙うのは海外市場です。14~17年度の中期経営計画では、海外展開の第一ステップとしてアジアと欧州の強化を進めています。

16年度の地域別売上高は、アジアが237億円、欧州を含むEMEAが285億円。現在の中計が始まる前の13年度と比べると、アジアは80.2%、132.0%増加 。メルク買収が貢献しました。

参天製薬の海外売上高の推移の表。【国内】2013年度:1221億円、2014年度:1248億円、2015年度:1418億円、2016年度:1454億円、2017年度予想:1558億円【アジア】2013年度:132億円、2014年度:167億円、2015年度:226億円、2017年度予想:291億円【EMEA】2013年度:123億円、2014年度:142億円、2015年度:256億円、2017年度予想:318億円【北米】2013年度:11億円、2014年度:62億円、2015年度:53億円、2016年度:14億円、2017年度予想:10億円【海外売上高比率】2014年度:22.9%、2015年度:27.4%

この結果、13年度は17.9%に過ぎなかった海外売上高比率は27.0%にまでアップ。主力の合成抗菌点眼薬「クラビット」がアジアで、アイケルビスが欧州で、それぞれ売り上げを伸ばし、アジアとEMEAは17年度も増収となる見通しです。海外売上高比率は28.5%となる予想で、中計で掲げる目標(17年度に30%)には一歩届かないものの、海外事業の存在感は着実に増しています。

グローバル3位入りには米国の収益化が必須

参天製薬が現在の中計の先に見据えるのは、「海外売上高比率40~50%」「医療用眼科薬市場でグローバル3位以内入り」(いずれも20年度まで)。達成にはやはり、世界最大市場の米国への参入が欠かせません。

参天製薬によると、20年には世界眼科薬市場の35%を米国が占める見通しです。米国の市場規模は20年に1兆500億円に達する とみられますが、参天製薬の16年度の米国売上高はわずか14億円。赤字が続いています。

黒川社長は17年5月の決算説明会で、18年にも米国に本格参入すると表明しました。足がかりとなるのは、米国で申請中の非感染性後眼部ぶどう膜炎治療薬「シロリムス注射薬」とインフォーカスの買収で獲得した緑内障治療用デバイス「マイクロシャント」。どちらも「極めて競争が少ないニッチなマーケット」(黒川社長)の製品といい、同社はこれまでにない治療方法を提供できると期待しています。

シロリムス注射薬は18年の始め、マイクロシャントは20~21年に発売する予定。この2製品で、まずは20年度までに米国事業を黒字化したい考えです。黒川社長は「(米国は)21年度以降、参天グループ全体においても収益貢献する」との見通しを示しています。

参天製薬には過去、米国に子会社を設立して製品の販売に乗り出したものの、業績不振で2003年に販売を米ジョンソン・エンド・ジョンソンに移管し、自社販売から撤退した苦い経験があります。15年ぶりの再参入となる今回こそ、米国市場に足場を築くことができるのか。中計で掲げる「世界で存在感のあるスペシャル・カンパニー」へ、参天製薬は正念場を迎えます。

参天製薬の主要製品

参天製薬の主要製品別売上高(2016年度)。【グローバル】クラビット点眼液(合成抗菌点眼薬):129億円(前年比9.6%減)、タリビッド点眼液(合成抗菌点眼薬):15億円(前年比12.5%減)、タプコム配合点眼液(緑内障・高眼圧症治療薬):28億円(前年比82.4%増)、タプロス点眼液(緑内障・高眼圧症治療薬):164億円(前年比4.9%増)、コソプト配合点眼液(緑内障・高眼圧症治療薬):222億円(前年比7.7%増)、チモプトール点眼液(緑内障・高眼圧症治療薬):15億円(前年比21.8%減)、チモプトールXE点眼液(緑内障・高眼圧症治療薬):24億円(前年比3.3%減)、トルソプト点眼液(炭酸脱水酵素阻害薬):43億円(前年比4.3%減)、フルメトロン点眼液(抗炎症点眼薬):33億円(前年比11.3%減)、カリーユニ点眼液(老人性白内障治療点眼液):41億円(前年比1.5%減)、ヒアレイン点眼液(各結膜上皮障害治療薬):176億円(前年比11.4%減)、ジクアス点眼液(ドライアイ治療薬):119億円(前年比24.0%増)、アイケルビス(ドライアイ治療薬):13億円(前年比73.5%増)、カチオノーム(ドライアイ治療薬):18億円(前年比26.3%増)、一般医薬品:126億円(前年比14.1%増)【国内】クラビット点眼液(合成抗菌点眼薬):47億円(前年比21.3%減)、タリビッド点眼液(合成抗菌点眼薬):6億円(前年比16.9%減)、タプコム配合点眼液(緑内障・高眼圧症治療薬):23億円(前年比63.4%増)、タプロス点眼液(緑内障・高眼圧症治療薬):96億円(前年比4.6%増)、コソプト配合点眼液(緑内障・高眼圧症治療薬):114億円(前年比1.4%増)、チモプトール点眼液(緑内障・高眼圧症治療薬):10億円(前年比18.1%減)、チモプトールXE点眼液(緑内障・高眼圧症治療薬):16億円(前年比14.4%減)、トルソプト点眼液(炭酸脱水酵素阻害薬):17億円(前年比18.6%減)、デタントール点眼液(緑内障・高眼圧症治療薬):11億円(前年比5.6%減)、レスキュラ点眼液(緑内障治療薬):16億円(前年比11.5%減)、アレジオン点眼液(抗アレルギー点眼薬):122億円(前年比29.0%増)、フルメトロン点眼液(抗炎症点眼薬):22億円(前年比16.2%減)、カリーユニ点眼液(老人性白内障治療点眼液):28億円(前年比2.3%減)、オペガンハイ眼粘弾薬(眼科手術補助剤):23億円(前年比11.0%減)、アイリーア硝子体内注射液(眼科用VEGF阻害薬):452億円(前年比12.9%増)、ヒアレイン点眼液(各結膜上皮障害治療薬):119億円(前年比18.2%減)、ジクアス点眼液(ドライアイ治療薬):110億円(前年比24.1%増)、一般用医薬品:124億円(前年比13.8%増)

参天製薬のパイプライン

参天製薬の領域・フェーズ別パイプラインリスト。【眼科】<フェーズ2>オミデネパグイソプロピル(アメリカ/緑内障・高眼圧症)、carotuximab(アメリカ/滲出型加齢黄斑変性)、ラタノプロスト(ヨーロッパ/緑内障・高眼圧症)、sepetaprost(日米/緑内障・高眼圧症)、シクロスポリン(アメリカ/ドライアイに伴う重度の角膜炎<フェーズ3>シロリムス(日欧/ぶどう膜炎)、オミデネパグイソプロピル(日ア/緑内障・高眼圧症)、DE-128(アメリカ/緑内障)、エピナスチン(日本/アレルギー性結膜炎)<申請中>シロリムス(米ア/ぶどう膜炎)、シクロスポリン(その他/ドライアイに伴う重度の角膜炎)、シクロスポリン(ヨーロッパ/春季カタル)

参天製薬の年収

参天製薬の平均年収推移グラフ。2012年度:759.8万円、2013年度:783.6万円、2014年度:794.5万円、2015年度:809.1万円、2016年度:812.5万円

参天製薬の平均年収・平均年齢・平均勤続年数・従業員数の年度別推移表。【平均年収(単体)】2012年度:759.8万円、2013年度:783.6万円、2014年度:794.5万円、2015年度:809.1万円、2016年度:812.5万円【平均年齢(単体)】2012年度:41.0歳、2013年度:41.5歳、2014年度:42.0歳、2015年度:42.3歳、2016年度:42.0歳【平均勤続年数(単体)】2012年度:15.1年、2013年度:15.8年、2014年度:16.2年、2015年度:16.2年、2016年度:15.5年【従業員数(単体)】2012年度:1903人、2013年度:1878人、2014年度:1899人、2015年度:1891人、2016年度:1844人【従業員数(連結)】2012年度:3050人、2013年度:3072人、2014年度:3230人、2015年度:3463人、2016年度:3667人

参天製薬の基本情報

2017年12月

社名 参天製薬株式会社(SANTEN PHARMACEUTICAL CO., LTD.)
本社所在地 大阪府大阪市北区大深町4番20号グランフロント大阪 タワーA
設立 1925年
資本金 77億9200万円
上場 東証1部
代表者名 黒川明(代表取締役社長兼CEO)
主な事業所所在地 【支店】仙台市、東京都中央区、名古屋市、大阪市、広島市、福岡市
【工場】石川県羽咋群宝達志水町、滋賀県犬上群多賀町
【研究所】奈良県生駒市

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