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トピックス

新薬パイプラインのステージアップ・開発中止まとめ(23年3月期2Q / 22年12月期3Q)

更新日

製薬各社の2023年3月期第2四半期、22年12月期第3四半期の決算発表から、主な新薬開発パイプラインのステージアップと開発中止をピックアップ。随時更新(最終更新11月11日)。

 

 

日本新薬(11月10日発表、23年3月期2Q)

承認

【日本】フィンテプラ(一般名・フェンフルラミン塩酸塩)|ドラベ症候群

ゾジェニックス(ベルギー・ユーシービーが買収)から導入したセロトニン受容体アゴニスト。「ほかの抗てんかん薬で十分な効果が認められないドラベ症候群患者のてんかん発作」の適応で9月に承認。製造販売元はユーシービージャパンで、日本新薬は情報提供活動と販売を担当する。セロトニン放出作用とシグマ-1受容体への作用によって発作抑制効果を発揮する。レノックス・ガストー症候群でもP3試験を実施中。

 

大正製薬HD(11月10日発表、23年3月期2Q)

承認

【日本】ナノゾラ皮下注(一般名・オゾラリズマブ)|関節リウマチ

国内初の抗TNFαナノボディ製剤として9月に承認を取得した。4週1回の皮下投与製剤。ベルギーのAblynxから導入した。2つの抗TNFαナノボディと抗血清アルブミンナノボディが融合した三量体構造を持つ。

 

申請

【日本】ナノゾラ(オゾラリズマブ)|関節リウマチ(オートインジェクター製剤)

ナノゾラ皮下注のオートインジェクター製剤。皮膚に押し当てるだけで投与が可能になる。注射の開始と終了を音で知らせる機能や注射後の針刺し事故を防止する機能などを備えている。

 

キョーリン製薬HD(11月9日発表、23年3月期2Q)

P3開始

【日本】KRP-R120|間質性肺疾患(肺サルコイドーシス)

米エイタイヤーから日本での開発・販売権を取得した融合タンパク製剤。ニューロピリン-2受容体(NRP2)に結合することで過剰な免疫細胞の活性化を抑制する作用を持つ。9月に日本でP3試験を開始。

 

P1開始

【日本】ベオーバ(一般名・ビベグロン)|過活動膀胱(小児適応)

国内で2018年から販売している過活動膀胱治療薬。小児への適応拡大に向けたP1試験を8月に開始した。

 

田辺三菱製薬(11月8日発表、23年3月期2Q)

承認

【マレーシア】MP-214(一般名・カリプラジン塩酸塩)|双極性障害

ハンガリーのゲデオンリヒターから導入したドパミンD3/D2受容体パーシャルアゴニスト。田辺三菱はアジアでの権利を持つ。2月に承認を取得したシンガポールに続き、8月にマレーシアでも承認。

 

【台湾】ユプリズナ(イネビリズマブ)|視神経脊髄炎スペクトラム障害

アイルランドのホライゾン・セラピューティクスから導入した抗CD19抗体。9月に台湾で承認を取得。同適応ではすでに、日本と韓国で承認を取得しているほか、重症筋無力症を対象にホライゾンと共同でグローバル試験を進めている。

 

申請

【アジア】カナグル(カナグリフロジン)|2型糖尿病

自社創製のSGLT-2阻害薬。

 

開発中止

【日本】MT-5547(ファシヌマブ)|変形性関節症(P2/3)

米リジェネロンから導入した抗ヒトNGF抗体。国内でP2/3試験を行っていたが、開発を中止。リジェネロンも今月、開発の中止を発表した。

 

参天製薬(11月8日発表、23年3月期2Q)

承認

【米国】OMLONTI(一般名・オミデネパグイソプロピル)|緑内障

UBEと共同開発した選択的EP2受容体アゴニスト。9月に米国で承認。日本では「エイベリス」の製品名で2018年に承認。

 

申請

【欧州】STN1013001(ラタノプロスト)|緑内障

ラタノプロストのカチオニック(プラスに帯電したイオン)乳化点眼剤。9月に欧州で申請。プラスに帯電した点眼液がマイナスに帯電した眼表面に引きつけられ、眼表面での分布性と滞留性を向上させる技術を用いている。

 

P3開始

【日本】STN1012600(sepetaprost)|緑内障

小野薬品工業から導入したFP/EP3受容体デュアル作動薬。8月に日本でP3試験を開始。欧米ではP2試験の段階にある。

 

【日本】STN1013800(オキシメタゾリン塩酸塩)|眼瞼下垂

直接作用型αアドレナリン受容体作動薬。米RVL Pharmaceuticalsからの導入品。10月に日本でP3試験を開始。米国ではすでに販売されている。

 

エーザイ(11月7日発表、23年3月期2Q)

申請

【日本】フィコンパ(一般名・ペランパネル)|注射剤(剤形追加)

自社創製の抗てんかん薬。8月に新剤形となる注射剤を申請。

 

開発中止

【米国】E2730|てんかん(P2)

自社創製のシナプス機能モジュレーター。米国でP2試験を行っていたが、開発を終了。

 

【米国、欧州】H3B-6527|肝細胞がん(P1)

肝細胞がんを対象にP1試験を行っていたが、開発を終了した。

 

協和キリン(11月4日発表、22年12月期3Q)

承認

【日本】ジーラスタ(一般名・ペグフィルグラスチム)|がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制(自動投与デバイス)

薬剤が一定時間後に自動で投与される自動投与デバイスが7月に承認。テルモと共同開発した。従来はがん化学療法剤の投与を終えた翌日以降に医療機関で投与する必要があったが、自動投与デバイスを使えばジーラスタ投与のための通院が不要になる。

 

【欧州】クリースビータ(ブロスマブ)|腫瘍性骨軟化症(適応拡大)

自社創製の抗FGF23抗体。8月に欧州で「1~17歳の小児および青年ならびに成人における治癒切除不能なリン酸塩尿性間葉系腫瘍に伴う腫瘍性骨軟化症におけるFGF23関連低リン血症」への適応拡大が承認。

 

【韓国】ポテリジオ(モガムリズマブ)|菌状息肉腫・セザリー症候群

自社創製の抗CCR4抗体。韓国で承認を取得。22年12月期第3四半期はアラブ首長国連邦(UAE)で新たに発売し、販売国は世界22カ国となった。

 

【マレーシア】ルミセフ(ブロダルマブ)|強直性脊椎炎(適応拡大)

米アムジェンが創製した抗IL-17受容体A抗体。新たにマレーシアで強直性脊椎炎を対象に承認。同適応では台湾でも今年承認を取得した。

 

申請

【日本】KHK7991(テナパノル塩酸塩)|高リン血症

米Ardelyxから導入したリン吸収阻害薬。腸管で局所的にナトリウムイオン/プロトン交換輸送体3(NHE3)を阻害し、リン吸収の主要経路である傍細胞経路(細胞間隙経路)からのリン吸収を抑制する。10月に「透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善」の適応で申請した。

 

【日本】ルミセフ(ブロダルマブ)|掌蹠膿疱症(適応拡大)

米アムジェンが創製した抗IL-17受容体A抗体。掌蹠膿疱症は、手の平や足の裏に無菌性の水疱や膿疱が繰り返し生じる難治性の皮膚疾患。

 

【中国、台湾】オルケディア(エボカルセト)|二次性副甲状腺機能亢進症

田辺三菱製薬から導入したカルシウム受容体作動薬。二次性副甲状腺機能亢進症の適応では2018年に日本で承認されている。新たに中国と台湾で申請した。

 

P1開始

【日本】KHK4277|自己免疫疾患

SBIバイオテックから導入した抗体医薬。自己免疫疾患を対象に日本でP1試験を開始。

 

大塚HD(10月31日発表、22年12月期3Q)

承認

【米国】LYTGOBI(一般名・フチバチニブ)|肝内胆管がん

大鵬薬品工業が創製したFGFR阻害薬。10月に米国で「前治療歴を有するFGFR2融合遺伝子またはその他の再構成を伴う切除不能な局所進行または転移性肝内胆管がん」に対する迅速承認を取得。日本と欧州でも申請中。

 

【欧州】LUPKYNIS(ボクロスポリン)|活動性ループス腎炎

カルシニューリンを阻害して免疫抑制作用を示す新規経口薬。欧州で成人の活動性ループス腎炎治療薬として承認された。2020年に大塚製薬がオーリニア社(カナダ)から、日本と欧州の権利を取得。米国では同社が承認を取得している。

 

申請

【欧州】ASTX727(decitabine/cedazuridine)|急性骨髄性白血病

米アステックスが創製したDNAメチル化阻害薬decitabineと新規代謝酵素阻害薬cedazuridineの配合剤。「標準的な寛解導入療法が適応でない急性骨髄性白血病」の適応で8月に欧州で申請した。北米では「INQOVI」の製品名で販売している。

 

【米国】アリピプラゾール(2カ月持続性注射剤)|統合失調症・双極I型障害

大塚が創製したドパミンD2受容体パーシャルアゴニスト、アリピプラゾールの2カ月1回投与製剤。欧州でも統合失調症の適応で申請中。1カ月1回投与製剤は「エビリファイ メンテナ」の製品名で販売されている。

 

P3開始

【日本】OPC-34712/OPC-34712 FUM(ブレクスピプラゾール)|統合失調症(週1回投与の経口薬)

ドパミンD2受容体・セロトニン5-HT1A受容体パーシャルアゴニスト/セロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト「レキサルティ」の週1回投与製剤。統合失調症を対象に国内P3試験を開始。

 

【米国】SEP-363856(ulotaront)|大うつ病

住友ファーマと共同開発しているTAAR1(微量アミン関連受容体1)・セロトニン5-HT1Aアゴニスト。大うつ病補助療法を対象にP2/3試験を開始した。

 

P1開始

【日本】AB122(zimberelimab)+TAS-115(pamufetinib)|固形がん

TAS-115は大鵬薬品が創製したマルチキナーゼ阻害薬。AB122は米アーカス・バイオサイエンシズが開発している抗PD-1抗体で、大鵬薬品は日本とアジアの開発・販売権を持っている。進行中のAB122のP1試験で、TAS-115との併用コホートを開始。

 

開発中止

【米国】EB-1020(センタナファジン)|禁煙(P2)

ノルエピネフリン・ドパミン・セロトニン再取り込み阻害薬。2017年の米ニューロバンス買収で取得。開発戦略上の理由で禁煙を対象とする開発を中止。大うつ病の適応では9月に米国でP2試験を開始している。

 

【日本】OPC-64005|大うつ病(P2)

セロトニン・ノルエピネフリン・ドパミン再取り込み阻害薬。オリジンは大塚製薬。戦略上の理由で開発を中止。

 

【米国】AVP-786(重水素化デキストロメトルファン・キニジン)|外傷性脳損傷(P2)

アバニア買収で獲得したNMDA受容体アンタゴニスト/セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害/シグマ1受容体アゴニスト。開発戦略上の理由で中止。

 

アステラス製薬(10月31日発表、23年3月期2Q)

申請

【米国】パドセブ(一般名・エンホルツマブ ベドチン)|シスプラチン不適応の切除不能な局所進行性・転移性尿路上皮がん1次治療(適応拡大)

ネクチン-4を標的とする抗体薬物複合体(ADC)。10月に米国で申請。米国では現在、治療歴のある患者が対象となっている。

 

【米欧】ESN367(フェゾリネタント)|閉経に伴う血管運動神経症状

オゲダ(ベルギー)買収で獲得したNK3受容体拮抗薬。8月に米国で、9月に欧州で申請が受理された。日本ではP2試験を、中国ではP3試験を実施中。

 

【中国】ASP015K(ペフィシチニブ)|関節リウマチ

自社創製のJAK阻害薬。国内製品名「スマイラフ」。8月に中国で申請。

 

P1開始

ASP2074|がん

自社創製の二重特異性抗体。がんを対象に臨床開発を開始。

 

開発中止

【グローバル】エベレンゾ(ロキサデュスタット)|化学療法に伴う貧血(P2)

HIF-PH阻害薬。ビジネスシナリオを再評価した結果、化学療法に伴う貧血での開発をアステラスの権利範囲(日本、欧州、独立国家共同体、中東、南アフリカなど)で中止。腎性貧血治療薬として日本や欧州で承認されている。

 

第一三共(10月31日発表、23年3月期2Q)

承認

【米国】エンハーツ(一般名・トラスツズマブ デルクステカン)|HER2低発現乳がん(適応拡大)

第一三共が創製し、英アストラゼネカと共同開発している抗HER2抗体薬物複合体(ADC)。8月に米国で「転移再発で化学療法を受けたHER2低発現の手術不能または転移性乳がん」に適応拡大。HER2低発現乳がんに対する抗HER2療法は初めて。日本と欧州で6月に、中国でも8月に申請した。

 

【米国】エンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)|HER2変異非小細胞肺がん2次治療以降(適応拡大)

8月に「全身治療歴のある活性化HER2遺伝子変異を有する切除不能・転移性非小細胞肺がん」で迅速承認を取得。承認の根拠となったP2試験の中間解析では、事前に規定した患者群の客観的奏効率が57.7%だった。乳がんと胃がんに続き、肺がんにも対象を広げた。

 

【日本】エザルミア(バレメトスタットトシル酸塩)|再発・難治性のT細胞白血病リンパ腫

自社創製のEZH1/EZH2阻害薬。グローバルで開発を進めており、9月に日本で世界初の承認を取得。

 

申請

【日米欧】AC220(キザルチニブ塩酸塩)|急性骨髄性白血病1次治療

米アンビット買収で獲得したFLT3阻害薬。「FLT3-ITD変異を有する急性骨髄性白血病の1次治療」の適応で、日本と欧州で8月に、米国で10月に申請が受理された。日本では「ヴァンフリタ」の製品名で再発・難治性の患者を対象に2019年から販売している。

 

P3開始

【日米欧亜】U3-1402/HER3-DXd(パトリツマブ デルクステカン)|EGFR遺伝子変異を有する転移性非小細胞肺がん2次治療

自社創製の抗HER3 ADC。第三世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬による治療後に病勢進行した患者を対象としたグローバルP3試験を8月に開始。プラチナ製剤に対する有効性と安全性を評価する。主要評価項目は無増悪生存期間。

 

【日本】DS-5670|新型コロナウイルス感染症の予防(初回免疫)

新型コロナウイルスに対するmRNAワクチン。ワクチン未接種かつ感染歴のない成人を対象とした初回免疫の国内P3試験を9月に開始した。mRNAワクチン「コミナティ」に対する非劣性を検証する。17歳以下を対象とするP3試験を準備中。ほかのワクチンを受けた人への追加免疫でも臨床試験を進めている。

 

住友ファーマ(10月31日発表、23年3月期2Q)

承認

【米国】マイフェンブリー(一般名・レルゴリクス/エストラジオール/酢酸ノルエチンドロン)|子宮内膜症(適応拡大)

米子会社マイオバント・サイエンシズの開発品。8月に米国で「閉経前の女性の子宮内膜症に伴う中等度から重度の痛み」への適応拡大が承認。子宮筋腫の適応では2021年に承認を取得している。

 

【日本】メトグルコ(メトホルミン塩酸塩)|不妊治療(適応拡大)

「多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発」と「多嚢胞性卵巣症候群の生殖補助医療における調節卵巣刺激」への適応拡大が9月に承認。厚生労働省から開発要請を受け、公知申請を行った。

 

P3開始

【米国】SEP-363856(ulotaront)|大うつ病補助療法

大塚製薬と共同開発しているセロトニン5-HT1Aアゴニスト活性を持つTAAR1アゴニスト。統合失調症などを対象に開発が進んでいるが、新たに大うつ病補助療法を対象としたP2/3試験を米国で開始。

 

P1開始

【日本】DSP-0378|ドラベ症候群、レノックス・ガストー症候群

自社創製のγ-アミノ酪酸(GABA)A受容体ポジティブアロステリックモジュレーター。既知の GABAA受容体賦活化作用を持つ化合物とは異なる様式で作用する。ドラベ症候群やレノックス・ガストー症候群を含む幅広いてんかんに対する治療薬として期待されるという。

 

開発中止

【米国】DSP-6745|パーキンソン病に伴う精神病症状(P1)

セロトニン5-HT2Aとセロトニン5-HT2C受容体に対するデュアルアンタゴニスト。米国でP1試験を行っていたが、開発を中止。

 

試験中止

【米国】DSP-7888(アデグラモチド酢酸塩/ネラ チモチドトリフルオロ酢酸塩)|固形がん(P1/2)

WT1タンパクをターゲットとした免疫療法用がんペプチドワクチン。米国で行っていた固形がん対象のP1/2試験を中止し、開発方針を検討中。21年には膠芽腫を対象に行っていたP3試験の中間解析の結果、最終解析で主要評価項目を満たす可能性が低いとして試験を中止している。

 

【米国】TP-0903(dubermatinib)|急性骨髄性白血病(P1/2)

米ユタ大が創製した、AXL受容体チロシンキナーゼを含む複数のキナーゼを阻害する化合物。米国の研究機関で医師主導のP1/2試験が行われていたが、中止となった。開発方針を検討している。

 

小野薬品工業(10月31日発表、23年3月期2Q)

承認

【日本】オノアクト(一般名・ランジオロール塩酸塩)|頻脈性不整脈(小児適応)

自社創製の短時間作用型β1遮断薬。「小児の心機能低下例における頻脈性不整脈(上室頻拍、心房細動、心房粗動)」への適応拡大が8月に承認された。

 

【韓国】オプジーボ(ニボルマブ)|非小細胞肺がんの術前補助療法(適応拡大)

免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-1抗体。10月に韓国で「プラチナ製剤を含む化学療法2剤との併用療法による切除可能な非小細胞肺がんの成人患者の術前補助療法」に適応拡大。

 

P1開始

【米国】ONO-7018|非ホジキンリンパ腫・慢性リンパ性白血病

コーディア・セラピューティクスから導入したMALT1阻害薬。8月にP1試験を開始。

 

開発中止

【日本】オプジーボ(ニボルマブ)|膵がん(P2)

国内で化学療法併用のP2試験を行っていたが、7月に開発を中止した。

 

【日韓台】オプジーボ(ニボルマブ)+ヤーボイ(イピリムマブ)|ウイルス陽性・陰性固形がん(P1/2)

2剤の併用療法でP1/2試験を行っていたが、7月に戦略上の理由で開発を中止。

 

【米国】ONO-7475|急性白血病(P1/2)

自社開発のAxl/Mer阻害薬。オプジーボ併用のP1/2試験を実施していたが、戦略上の理由で9月に開発を取りやめた。

 

【日本】ONO-2909|ナルコレプシー(P1)

プロスタグランジン受容体拮抗薬。国内でナルコレプシーを対象にP1試験を進めていたが、期待された有効性が得られなかったため、10月に開発を中止。 

 

塩野義製薬(10月31日発表、23年3月期2Q)

開発中止

【日本】S-010887|神経障害性疼痛(P1)

作用機序非開示の自社創製化合物(経口)。神経障害性疼痛を対象に日本でP1試験を行っていたが、開発を中止。

 

【日米】S-120083|炎症性疼痛(日本P1/米国P2)

作用機序非開示の経口薬。オリジンは塩野義と米パーデュー・ファーマ。炎症性疼痛を対象に日米で行っていた開発を中止。

 

【米国】S-117957|不眠症(P1)

作用機序非開示の経口薬。オリジンは塩野義と米パーデュー・ファーマ。米国で不眠症を対象にP1試験を行っていたが、開発を中止。

 

【日本】S-237648|肥満症(P2)

自社創製のニューロペプチドY Y5受容体アンタゴニスト(経口)。肥満症治療薬として日本でP2試験を行っていたが、開発を中止。

 

武田薬品工業(10月27日発表、23年3月期2Q)

承認

【インドネシア】TAK-003|デング熱ワクチン

8月にインドネシアで「QDENGA」として世界初の承認を取得。デングウイルスの感染歴に関わらず接種でき、感染歴を調べる接種前の検査も不要。欧州と「EU-M4all制度」に参加するデング熱流行国でも数ケ月以内に承認される見通し。

 

【日本】フィラジル(イカチバント酢酸塩)|遺伝性血管性浮腫(小児適応)

選択的ブラジキニンB2受容体ブロッカー。8月に2歳以上の小児に対象を拡大した。成人の急性発作治療薬としては18年から販売している。

 

申請

【中国】VOCINTI(一般名・vonoprazan)|酸関連疾患(適応拡大)

カリウムイオン競合型アシッドブロッカー。国内製品名は「タケキャブ」。8月に酸関連疾患(ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助)への適応拡大を申請した。

 

【米国】タクザイロ(ラナデルマブ)|遺伝性血管性浮腫(小児適応)

血漿カリクレイン阻害薬。10月に2歳以上12歳未満の小児適応で申請した。米国では12歳以上の患者を対象に18年に承認されている。日本では12歳以上の適応で今年発売。

 

【日本】TAK-664|原発性免疫不全症候群・続発性免疫不全症候群

20%皮下注用ヒト免疫グロブリン製剤。無・低ガンマグロブリン血症治療薬として10月に申請。米国や欧州など30カ国以上で承認されており、「CUVITRU」の製品名で販売されている。

 

P3開始

【日本・中国】TAK-755|先天性⾎栓性⾎⼩板減少性紫斑病

シャイアー買収で獲得したADAMTS13酵素補充療法。先天性血栓性血小板減少性紫斑病を対象に日本と中国でP3試験を開始した。欧州と米国では先行してP3試験が進行中。国内開発ではKMバイオロジクスと提携している。

 

【米国】TAK-330|⾎液凝固障害、⼿術時の直接経⼝抗凝固薬使⽤に伴う出⾎傾向の抑制

4因⼦含有プロトロンビン複合体濃縮製剤。米国でP3試験開始。欧州では「PROTHROMPLEX TOTAL」の製品名で販売中。

 

【日本】ヌバキソビッド|新型コロナウイルス感染症の予防(適応拡大)

米ノババックスが開発した新型コロナウイルスに対する組換えタンパクワクチン。初回免疫でほかのワクチンを接種した人への追加免疫について、P3試験を開始した。

 

【―】TAK-003|デング熱ウイルスによる感染症の予防(適応拡大)

デング熱ワクチン。4歳以上を対象とする追加接種についてP3試験を開始。

 

P1開始

【―】TAK-920/DNL919|アルツハイマー病

提携先の米デナリ・セラピューティクスの技術を活用した、脳内移行性を有するTREM2アゴニスト抗体。同社との共同開発品としては、全頭側頭型認知症を対象疾患とする融合タンパク製剤「TAK-594/DNL593」に続く臨床入り。

 

開発中止

【日本】TAK-834|副甲状腺機能低下症(P1)

海外で「NATPAR/NATPARA」として販売している副甲状腺ホルモン製剤。全世界で24年末に製造を中止することを決めたため、日本での開発を終了する。

 

JCRファーマ(10月26日発表、23年3月期2Q)

承認見送り

【ブラジル】イズカーゴ(一般名・パビナフスプ アルファ)|ムコ多糖症II型(ハンター症候群)

独自の血液脳関門通過技術を適用したムコ多糖症II型(ハンター症候群)治療酵素製剤。ブラジルでは2020年12月に申請を行ったが、同国の規制当局は「バイオマーカーの減少と臨床的改善の相関について科学的・臨床的な妥当性が十分証明されていない」として承認を見送った。ブラジルを含むグローバルでP3試験を行っており、あらためて25~27年度の承認を目指す。日本では昨年発売した。

 

申請

【日本】グロウジェクト(ソマトロピン)|SHOX異常症における低身長(適応拡大)

成長ホルモン製剤。7月にSHOX異常症への適応拡大を申請した。

 

中外製薬(10月24日発表、22年12月期3Q)

承認

【日本】ポライビー(一般名・ポラツズマブ ベドチン)|未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(適応拡大)

CD79bを標的とする抗体薬物複合体(ADC)。8月に未治療の患者への適応拡大が承認された。従来は再発・難治性の患者が対象だった。未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する治療薬は約20年ぶり。

 

申請

【日本】RG6264(トラスツズマブ/ベルツズマブ)|乳がん、大腸がん

抗HER2抗体「ハーセプチン」とHER2二量体化阻害抗体「パージェタ」の固定用量配合皮下注。「HER2陽性乳がん」と「がん化学療法後に増悪したHER2陽性大腸がん」の適応で9月に申請した。米国と欧州で承認済み。

 

【欧州】アクテムラ(トリシズマブ)|全身性強皮症に伴う間質性肺疾患(適応拡大)

自社創製の抗IL-6抗体。欧州で8月に全身性強皮症に伴う間質性肺疾患への適応拡大を申請。米国では21年に承認されている。

 

【中国】SKY59/RG6107(クロバリマブ)|発作性夜間ヘモグロビン尿症

自社創製の抗補体C5リサイクリング抗体。発作性夜間ヘモグロビン尿症を対象に中国で世界初申請。優先審査に指定されている。グローバルで臨床第3相(P3)試験実施中。

 

P3開始

【日本】RG7828(mosunetuzumab)|アグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫

ロシュから導入した抗CD20/CD3バイスペシフィック抗体。再発・難治性のアグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫を対象に、ポライビーとの併用を検証する国際共同P3試験を10月に開始した。

 

【グローバル】エンスプリング(サトラリズマブ)|抗ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質抗体関連疾患、自己免疫介在性脳炎(適応拡大)

自社創製のpH依存的結合性抗IL-6抗体。8月に抗ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質抗体関連疾患(MOGAD)、9月に自己免疫介在性脳炎(AIE)を対象とした国際共同P3試験をそれぞれ開始した。MOGADは、病原性自己抗体の抗MOG抗体が中枢神経系のミリエン鞘の最外層のMOGに結合することで脱髄が生じる疾患。AIEは自己免疫応答によりさまざまな精神・神経症状を呈する。いずれも承認された治療法はないという。

 

P1開始

【日本】RG6330+RG6433|固形がん

ジェネンテックのKRAS G12C阻害薬「RG6330」と、スタートアップの米リレー・セラピューティクスが創製したSHP2阻害薬「RG64333」の併用療法について、KRAS G12C変異陽性がんを対象とするP1試験を9月に開始した。

 

【グローバル】DONQ52|セリアック病

HLA-DQ2.5とさまざまなグルテンペプチドの複合体に結合する自社創製のバイスペシフィック抗体。グルテン摂取によって起こる自己免疫性疾患のセリアック病を対象にP1試験を開始した。現在の治療はグルテンフリーダイエットに限られ、承認された治療薬はない。

 

開発中止

【日本】テセントリク(アテゾリズマブ)|腎細胞がん(アジュバント療法、P3)

抗PD-L1抗体。国際共同P3試験でプラセボに対する有意差が認められなかったことを踏まえ、開発を中止した。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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