UMNファーマ
UMNファーマは、2004年設立のバイオベンチャーです。17年初めに10年近く進めてきたワクチンの製品化を断念したものの、同年10月に塩野義製薬と資本業務提携を結び、再スタートを切りました。自社の組換えタンパク抗原製造技術を中心に、創薬の基盤技術整備に取り組んでいます。
「UMN」を満たすため バイオ医薬品の創薬研究
UMNファーマはワクチン創製をメインとするバイオファーマです。社名にある「UMN=Unmet Medical Needs」(有効な治療法や薬剤がない医療領域へのニーズ)を満たすことを目標に掲げています。
次世代バイオ医薬品の自社開発と、CMC開発・工業化検討に特化した受託製造業務の2つの事業を展開。CMC開発とは、原薬プロセス研究、製剤開発研究、品質評価研究に関する開発全般をいいます。
2017年10月に塩野義製薬と資本業務提携を結び、ワクチン創薬の基盤技術整備を事業の柱に据えました。今後は受託業務も塩野義との提携に関連するものを中心に行う方針です。
16年度にアステラス製薬との共同事業が解約
06年から16年まで、UMNファーマはインフルエンザワクチンの製品化を目指し開発してきました。しかし、臨床的意義の少なさから製造販売承認の審査継続が不可能と判断され、17年1月にはアステラス製薬から共同事業契約を解約されました。結果、連結(当時)で約110億円の大幅な債務超過状態に陥り、東京証券取引所の上場廃止猶予期間入り銘柄に指定されました。
財務状況を改善するため、同社はグループ体制の見直しを行いました。17年1月には連結子会社だったUNIGENをアピに譲渡し、共同出資していたIHIとの協業を解消。債務超過を解消し、上場廃止を免れました。さらに、自社技術を使ったワクチンの製品化を柱とした事業モデルの転換も実施。開発プロセスの得意領域を担いながら、創薬の周辺技術獲得も目指すリスク分散型モデルに変更しました。この方針のもと、塩野義を新たな事業パートナーとして再スタートを切ることになりました。
塩野義製薬との資本業務提携
感染症領域に強みを持つ塩野義との提携で、UMNファーマはヒト感染症予防などのワクチン創製の基盤技術整備に注力することになりました。そのベースは、同社がこれまで10年来バイオ医薬品を開発するなかで得た知見やノウハウを活用した、組み換えタンパク質抗原の製造技術です。
また、同社はさまざまな感染症に対する「次世代ロジカルワクチン」開発も推進。基盤技術にアジュバントや製剤・ドラッグデリバリーなどの周辺技術を組み合わせ、感染症ごとに最適な有効性と高生産性の実現を目指しています。
塩野義との業務提携は、基盤整備を行う「第1フェーズ」とそれをもとにワクチンの開発を行う「第2フェーズ」に分かれています。現在は第1フェーズの段階にあり、基盤整備に加えて、第2フェーズで開発するインフルエンザウイルス、ロタウイルス、ノロウイルスのワクチンの基礎研究も進めています。19年度中には第2フェーズに移り、ワクチンの開発に着手する予定です。18年度5月末には第1フェーズでの第1回マイルストーン条件を順調に達成しました。
18年度は、このマイルストーン達成収益を中心に売上高1億200万円、純利益はマイナス8億1000万円となる見込み。今後も当面の間は赤字となる見通しです。
UMNファーマの平均年収
UMNファーマの17年度の平均年収は588.8万円(平均年齢41.3歳)でした。16年度は600万円を上回ったものの、17年度は20万円以上減少しています。
UMNファーマの中途採用情報
UMNファーマでは、研究開発や工場勤務の品質管理、培養・精製スタッフなどの職種で中途採用を行っています。工場勤務の職種では、生命科学関係の学位か同等の知識、および業界経験やGMP(GLP)施設での経験などが必要です。昆虫細胞の培養やタンパク質精製などの経験が歓迎されます。
2018年5月現在、秋田工場勤務のスタッフ(培養・精製・品質管理・工務)、横浜本社の研究管理・人事労務、横浜研究所の研究開発の職種で募集があります。
UMNファーマへの転職をお考えの方はお気軽にご相談ください。
UMNファーマの基本情報
2018年9月
社名 | 株式会社UMNファーマ(UMN Pharma Inc.) |
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本社所在地 | 秋田県秋田市御所野湯本 4-2-3 |
設立 | 2004年4月20日 |
資本金 | 3億 |
上場 | マザーズ |
代表者名 | 代表取締役会長兼社長 平野 達義 |
従業員数 | 21名(2017年12月現在) |