国内製薬各社の2024年3月期第4四半期、24年12月期第1四半期の決算発表から、主な新薬開発パイプラインの動きをピックアップ。随時更新(公開:4月25日、最終更新:5月16日)
INDEX
- エーザイ(24年3月期4Q、5月15日発表)
- 田辺三菱製薬(24年3月期4Q、5月15日発表)
- 住友ファーマ(24年3月期4Q、5月14日発表)
- 科研製薬(24年3月期4Q、5月14日発表)
- 塩野義製薬(24年3月期4Q、5月13日発表)
- 明治HD(24年3月期4Q、5月10日発表)
- 日本新薬(24年3月期4Q、5月10日発表)
- 武田薬品工業(24年3月期4Q、5月9日発表)
- 小野薬品工業(24年3月期4Q、5月9日発表)
- 参天製薬(24年3月期4Q、5月9日発表)
- 協和キリン(24年12月期1Q、5月7日発表)
- 大塚HD(24年12月期1Q、4月30日発表)
- 鳥居薬品(24年12月期1Q、4月26日発表)
- アステラス製薬(24年3月期4Q、4月25日発表)
- 第一三共(24年3月期4Q、4月25日発表)
- 中外製薬(24年12月期1Q、4月24日発表)
エーザイ(24年3月期4Q、5月15日発表)
承認
【中国】レケンビ(一般名・レカネマブ)|早期アルツハイマー病
米バイオジェンと共同開発する抗アミロイドβプロトフィブリル抗体。アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度の認知症を対象に1月に中国で承認を取得。7月の発売を予定している。
【日本】フィコンパ(ペランパネル)|てんかん(剤形追加)
自社創製のAMPA受容体拮抗薬。経口剤が一時的に服用できない場合に使用する静注製剤が1月に日本で承認。
【中国】フィコンパ(ペランパネル)|てんかんの強直間代発作(適応拡大)
「12歳以上のてんかん患者の強直間代発作に対する併用療法」への適応拡大が4月に中国で承認。
申請
【米国】レケンビ(レカネマブ)|早期アルツハイマー病(用法用量・剤形追加)
3月に静注による維持療法(月1回投与)を申請。5月には、皮下注オートインジェクター製剤による維持療法(週1回投与)について段階的申請を開始した。
【中国】デエビゴ(レンボレキサント)|不眠症
自社創製のオレキシン受容体拮抗薬。中国で1月に申請が受理された。
【日本】E0302(メコバラミン)|筋萎縮性側索硬化症
高用量製剤(末梢性神経障害治療薬「メチコバール」の承認用量の100倍)をALS治療薬として1月に日本で申請。国内で行われた医師主導治験の結果に基づく。
【中国】FYU-981(ドチヌラド)|痛風
富士薬品から中国とASEANでの開発・販売権を取得した選択的URAT1阻害薬。中国で1月に申請が受理された。
開発中止
【日米欧】フィコンパ(ペランパネル)|レノックス・ガストー症候群(P3)
開発を終了し、パイプラインから削除。
【日米】デエビゴ(レンボレキサント)|アルツハイマー病/認知症に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害(P2)
開発を終了し、パイプラインから削除。
【米国】E2027|レビー小体型認知症・パーキンソン病認知症(P2)
PDE9阻害薬。開発を終了し、パイプラインから削除。
【米欧】レンビマ(レンバチニブ)|メラノーマ・固形がん(いずれもP2)
メラノーマのセカンドラインを対象としたペムブロリズマブとの併用療法と、固形がん(胃がん、大腸がん、膠芽腫、胆道がん、膵臓がん)を対象とした同薬との併用療法について、開発を終了。パイプラインから削除。
【日米欧】レンビマ(レンバチニブ)腎細胞がん(P3)
腎細胞がんのファーストラインを対象としたエベロリムスとの併用療法の開発を終了し、パイプラインから削除。
田辺三菱製薬(24年3月期4Q、5月15日発表)
承認
【日本】カナグル(一般名・カナグリフロジン水和物)|2型糖尿病・慢性腎臓病(剤形追加)
自社創製のSGLT2阻害薬。OD錠が3月に日本で承認。
申請
【日本】カナリア(テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物/カナグリフロジン水和物)|2型糖尿病(剤形追加)
DPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬の配合剤。OD錠を2月に日本で申請。
住友ファーマ(24年3月期4Q、5月14日発表)
申請
【米国】ジェムテサ(一般名・ビベグロン)|前立腺肥大症を伴う過活動膀胱(適応拡大)
基幹3製品の1つであるβ3アドレナリン受容体作動薬。2月に米国で適応拡大を申請。米国では21年に「成人の切迫性尿失禁、尿意切迫感および頻尿の症状を伴う過活動膀胱」の適応で発売。
P1・P1/2開始
【米国】CT1-DAP001/DSP-1083|パーキンソン病
他家iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞。日本と米国で医師主導のP1/2試験を進めているが、2月に新たに米国で企業治験を開始。日本では先駆け審査指定制度の指定を受けている。
【米国】SMP-3124|固形がん
CHK1阻害薬をリポソームに封入した注射剤。米国でP1/2試験を開始。
【欧州】fH1/DSP-0546LP|インフルエンザ
種類の異なる幅広いインフルエンザウイルスへの効果が期待されるユニバーサルワクチン。医薬基盤・健康・栄養研究所と共同研究。欧州でP1試験を開始。
開発中止・試験中止
【日米】EPI-589|パーキンソン病・筋萎縮性側索硬化症(P2)
ミトコンドリアの機能低下によって発生する酸化ストレスを除去する薬剤。米国でパーキンソン病と筋萎縮性側索硬化症(ALS)を対象にP2試験を、日本でALSの医師主導P2試験を行っていたが、開発を中止。
【米国】SEP-378614|未定(P1)
中枢神経系に作用する化合物。非臨床試験では抗うつ様活性が示唆され、米国でP1試験を行っていたが、開発を中止。
【米国】TP-1287|固形がん(P1)
2017年に買収した米トレロ・ファーマシューティカルズをオリジンとするCDK9阻害薬。試験を中止し、パイプラインから削除。
【米国】TP-1454|固形がん(P1)
トレロ起源の化合物。PKM2(ピルビン酸キナーゼ M2)活性化を介してがん細胞の増殖を抑制するとともに、がん微小環境中の免疫状態を改善する薬剤として開発してきたが、試験中止のためパイプラインから削除。
科研製薬(24年3月期4Q、5月14日発表)
開発中止
エクロック(一般名・ソフピロニウム臭化物)|原発性掌蹠多汗症(P1)
原発性腋窩多汗症治療薬として2020年に発売した抗コリン薬。適応拡大に向けた開発を中止。
塩野義製薬(24年3月期4Q、5月13日発表)
承認
【日本】ゾコーバ(一般名・エンシトレルビル フマル酸)|新型コロナウイルス感染症
3CLプロテアーゼ阻害薬。2022年11月に緊急承認。緊急承認期間中に蓄積したデータなどをもとに3月に通常承認を取得した。
申請
【日本】SDT-001|小児期の注意欠陥多動症
米アキリから導入した治療用アプリ。2月に申請。
明治HD(24年3月期4Q、5月10日発表)
承認
【日本】レズロック(一般名・ベスモスジルメシル酸塩)|慢性移植片対宿主病
ROK2阻害薬。造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病の適応で3月に承認。日本とアジアでは、MeijiSeikaファルマと仏サノフィ傘下のカドモン(米)が共同出資するロメック・ファーマが開発・販売権を持つ。
日本新薬(24年3月期4Q、5月10日発表)
承認
【日本】ビキセオス(一般名・注射用ダウノルビシン塩酸塩/シタラビン)|高リスク急性骨髄性白血病
急性骨髄性白血病の標準治療であるシタラビンとダウノルビシンを配合したリポソーム製剤。3月に承認を取得。アイルランドのジャズ・ファーマシューティカルズからの導入品。
申請
【日本】ウプトラビ(セレキシパグ)|小児肺動脈性肺高血圧症(適応拡大)
自社創製のプロスタサイクリン受容体作動薬。小児用製剤とともに4月に申請。
武田薬品工業(24年3月期4Q、5月9日発表)
承認
【米国】EOHILIA(一般名・ブデソニド)|好酸球性食道炎
ブデソニドの経口懸濁液。2月に米国で承認。振ると流動性が高まり、飲み込むと粘度の高い状態に戻るのが特徴。好酸球性食道炎に対する経口治療薬は米国初。
【中国】レベスティブ(テデュグルチド)|短腸症候群
GLP-2アナログ製剤。2月に承認
【日中】オビザー(スソクトコグ アルファ)|後天性血友病A
遺伝子組換えブタ血液凝固第VIII因子製剤。2月に中国で、3月に日本で承認。
【米国】アイクルシグ(ポナチニブ)|フィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病(適応拡大)
BCR-ABL阻害薬。3月にフロントラインへの適応拡大が承認。
【日本】アジンマ(アパダムターゼ アルファ/シナキサダムターゼ アルファ)|先天性血栓性血小板減少性紫斑病
遺伝子組換えADAMTS13製剤。3月に日本で承認。
【日本】セプーロチン(乾燥濃縮人プロテインC)|重症先天性プロテインC欠乏症
3月に承認。
【米国】エンタイビオ皮下注(ベドリズマブ)|クローン病(適応拡大)
抗 α4β7インテグリン抗体の皮下注製剤。クローン病に対する維持療法への適応拡大が4月に承認。
申請
【日本】TAK-771(免疫グロブリン/ボルヒアルロニダーゼ アルファ)|無または低ガンマグロブリン血症
皮下注用人免疫グロブリン10%製剤とヒアルロニダーゼ製剤の組み合わせ製剤。2月に日本で申請。大量投与を可能にすることで、従来品に比べて投与頻度を減らした。海外では「HYQVIA」の製品名で販売。
【欧州】TAK-880|原発性免疫不全症候群・多巣性運動ニューロパチー
IgA低含有の免疫グロブリン10%製剤。3月に欧州で申請。
P1開始
TAK-360|ナルコレプシータイプ 2・特発性過眠症
オレキシン2受容体アゴニスト。
開発中止
TAK-861|ナルコレプシータイプ2
オレキシン2受容体アゴニスト。ナルコレプシータイプ1(P2b)の開発は継続。
TAK-007|B細胞性悪性腫瘍(P2)
CD19 CAR-NK細胞療法。臨床試験データに基づいて開発を中止。自己免疫疾患での開発を検討する。
TAK-981|がん(P2)
SUMO阻害薬。現時点で得られているデータや開発のタイムラインを踏まえたポートフォリオの優先順付けにより開発を中止。
TAK-079(mezagitamab)|全身性エリテマトーデス・重症筋無力症(P1/2)
開発優先度の低下に伴い2適応での開発を中止。免疫性血小板減少症(P2)とIgA腎症(P1)を対象とした開発は継続。
【米国】アジンマ(アパダムターゼ アルファ/シナキサダムターゼ アルファ)|鎌状赤血球症(P1)
開発優先度の低下により鎌状赤血球症を対象とした開発を中止。
TAK-647|代謝障害関連脂肪肝炎(P1)
抗MAdCAM-1抗体。ポートフォリオの優先順位付けにより開発を継続しないことを決定。
小野薬品工業(24年3月期4Q、5月9日発表)
承認
【日本】オプジーボ(一般名・ニボルマブ)|上皮系皮膚悪性腫瘍(適応拡大)
抗PD-1抗体。根治切除不能な進行・再発の上皮系皮膚悪性腫瘍への適応拡大が2月に承認。
P1・P1/2開始
【米国】ONO-2910|糖尿病性多発神経障害
自社創製のシュワン細胞分化促進薬。P2が進む日本に続いて米国でもP1試験を開始。
【日本】ONO-7427|固形がん
ブリストルと共同開発する抗CCR8抗体。日本でP1/2試験を開始。
開発中止
【日本】ONO-7119|固形がん(P1)
米ライボンから導入したPARP7阻害薬。オプジーボとの併用で固形がんを対象に開発していたが、戦略上の理由で中止。
【日本】ONO-7122|固形がん(P1)
TGF-β阻害薬。オプジーボとの併用療法について、米ブリストル・マイヤーズスクイブ主導の国際共同P1試験に参加していたが、戦略上の理由で開発を中止。
【日本】ONO-7226|固形がん(P1)
抗ILT4抗体。ブリストル主導のオプジーボとの併用療法のP1試験に参加していたが、戦略上の理由で開発を中止。
参天製薬(24年3月期4Q、5月9日発表)
承認
【日本】アレジオン眼瞼クリーム(一般名・エピナスチン塩酸塩)
アレルギー性結膜炎治療薬。3月に日本で承認。1日1回、眼の周囲に塗布することで効果を発揮する。
申請
【日本】STN1012700 / DE-127(アトロピン硫酸塩)|近視
シンガポールの研究所と共同開発しているムスカリン受容体拮抗薬。近視の進行抑制を対象に2月に日本で申請。
協和キリン(24年12月期1Q、5月7日発表)
承認
【米国】Lenmeldy(一般名・atidarsagene autotemcel)|異染性白質ジストロフィー
英オーチャード・セラピューティクス買収で獲得した造血幹細胞遺伝子治療薬。小児の早期発症型異染性白質ジストロフィーを対象に3月に米国で承認。
P3開始
【欧米】OTL-203|ムコ多糖症I型
英オーチャードの開発品。北米と欧州でP3試験を開始。
P1開始
【日米】KK2269|固形がん
自社創製の抗EpCAM/CD40バイスペシフィック抗体。グローバル開発品として日本と北米で試験を開始。
開発中止
【欧州】KW-3357(アンチトロンビン ガンマ)|先天性アンチトロンビン欠乏に基づく血栓形成傾向、アンチトロンビン低下を伴う播種性血管内凝固症候群(P1)
日本製品名「アコアラン」。欧州でP1試験を行っていたが、開発を中止。
大塚HD(24年12月期1Q、4月30日発表)
承認
【欧州】エビリファイメンテナ(一般名・アリピプラゾール)|統合失調症(2カ月製剤)
大塚製薬が創製したD2パーシャルアゴニスト。2カ月に1回投与する新製剤が、統合失調症の維持療法を対象に3月に欧州で承認。
申請
【米国】レキサルティ(ブレクスピプラゾール)|心的外傷後ストレス障害(適応拡大)
大塚製薬創製のD2・5-HT1Aパーシャルアゴニスト/5-HT2Aアンタゴニスト。4月に米国で成人の心的外傷後ストレス障害(PTSD)への適応拡大を申請。抗うつ薬のセルトラリンと併用する。
P3開始
【日本】AB122(zimberelimab)+AB154(domvanalimab)|非小細胞肺がん
AB122は抗PD-1抗体、AB154は抗TIGIT抗体。大鵬薬品工業が米アーカス・セラピューティクスから導入した。海外ではアーカスと米ギリアド・サイエンシズが共同開発しており、ギリアド主導のグローバルP3試験に日本も参加。
鳥居薬品(24年12月期1Q、4月26日発表)
P1開始
【日本】TO-210|尋常性ざ瘡
23年1月にアイルランドのNogra Pharmaから導入した外用の選択的PPARγモジュレーター。尋常性ざ瘡を対象とする国内P1試験を開始した。
アステラス製薬(24年3月期4Q、4月25日発表)
承認
【欧州】イクスタンジ(一般名・エンザルタミド)|生化学的再発のリスクが高い非転移性ホルモン感受性前立腺がん(適応拡大)
経口アンドロゲン受容体阻害薬。4月に欧州で「サルベージ放射線療法が適応とならない生化学的再発のリスクが高い非転移性ホルモン感受性前立腺がん」への適応拡大が承認。
【日本】ビロイ(ゾルベツキシマブ)|胃がん
抗CLDN18.2抗体。3月に日本で「CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がん」の適応で承認。抗CLDN18.2抗体の承認は世界初。
申請
【中国】パドセブ(エンホルツマブ ベドチン)|尿路上皮がん
抗ネクチン-4抗体薬物複合体(ADC)。3月に中国で「局所進行性または転移性尿路上皮がんの1次治療」での承認申請が受理。
P3開始
【日本】VEOZAH(fezolinetant)|閉経に伴う血管運動神経症状
NK3受容体拮抗薬。欧米で承認を取得している閉経に伴う血管運動神経症状の適応で、日本でもP3試験を開始。
【グローバル】VEOZAH(fezolinetant)|乳がん患者における血管運動神経症状(適応拡大)
補助内分泌療法中の乳がん患者における血管運動神経症状への適応拡大に向けたP3試験を開始。
P1開始
ASP2802|B細胞リンパ腫
自家CD20標的convertibleCAR-T細胞療法。
ASP2016 |フリードライヒ運動失調症に伴う心筋症
アデノ随伴ウイルス(AAV)を使った遺伝子治療薬。
ASP4396|がん
KRAS G12Dに対する標的タンパク質分解誘導薬。
開発中止
ASP2074|がん(P1)
抗TSPAN8/抗CD3 二重特異性抗体。がんを対象にP1試験段階にあった開発を中止。
ASP0367|原発性ミトコンドリアミオパチー(P2)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(P1)
PPARδ調節薬。臨床試験データを踏まえて開発を中止。
第一三共(24年3月期4Q、4月25日発表)
承認
【米国】エンハーツ(一般名・トラスツズマブ デルクステカン)|HER2陽性固形がん(適応拡大)
自社創製の抗HER2抗体薬物複合体(ADC)。4月に米国で「前治療歴があり代替の治療手段のない切除不能または転移性のHER2陽性固形がん」への適応拡大が承認。がん種横断的な適応を持つ抗HER2療法は世界初。
申請
【米欧】DS-1062(ダトポタマブ デルクステカン)|非小細胞肺がん
自社創製の抗TROP2 ADC。局所進行・転移性の非扁平上皮非小細胞肺がんの2次/3次治療の適応で2月に米国、3月に欧州で承認申請が受理された。
【日米欧中】DS-1062(ダトポタマブ デルクステカン)|HR陽性/HER2陰性乳がん
ホルモン受容体(HR)陽性かつHER2陰性の手術不能・転移性乳がんの2次/3次治療を対象に、3月に日本と欧州と中国、4月に米国で申請が受理された。
【日本】エザルミア(バレメトスタット)|末梢性T細胞リンパ腫(適応拡大)
EZH1/2阻害薬。1月に日本で適応拡大を申請。同適応は、先駆け審査指定制度の対象品目に指定されている。
【日本】麻しん・おたふくかぜ・風しん混合ワクチン
3種混合の生ワクチン。既存の2種混合ワクチンに、世界で汎用されているおたふくかぜワクチン株を混合した。3月に日本で申請。
P2/3開始
【日米欧亜】DS-6000|卵巣がん、原発性腹膜がん、卵管がん
自社創製の抗CDH6 ADC。化学療法による前治療歴のあるプラチナ抵抗性進行性卵巣がんなどを対象にグローバルP2/3試験を開始。
P1開始
【日米】DS-3201(バレメトスタット)|胃がん、非扁平上皮非小細胞肺がん
胃がんに対するエンハーツとの併用、非小細胞肺がんに対するDS-1062(ダトポタマブ デルクステカン)との併用でP1/2試験を開始。
開発中止
DS-1594|急性骨髄性白血病, 急性リンパ性白血病(P1/2)
Menin-MLL結合阻害薬。「競合状況の変化が試験進捗に影響し、大幅なタイムライン遅延により競争力が失われるため」開発を中止した。
中外製薬(24年12月期1Q、4月24日発表)
承認
【米国】アレセンサ(一般名・アレクチニブ)|非小細胞肺がんアジュバント(適応拡大)
自社創製のALK阻害薬。4月に、ALK陽性早期非小細胞肺がんに対する術後補助療法への適応拡大が米国で承認。同適応での承認は米国初。
【日中】ピアスカイ(クロバリマブ)|発作性夜間ヘモグロビン尿症
自社創製のpH依存的結合性抗補体(C5)抗体。独自のリサイクリング抗体技術を適用した製品で、1つの抗体が繰り返し抗原に結合する。2月に中国で世界初の承認を取得し、3月に日本でも承認。米国や欧州などでも申請中。
【日本】バビースモ(ファリシマブ)|網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫(適応拡大)
スイス・ロシュから導入した抗VEGF/抗Ang-2二重特異性抗体。3月に適応拡大の承認を取得。
申請
【日本】セルセプト(ミコフェノール酸モフェチル)|全身性強皮症に伴う間質性肺疾患(適応拡大)
免疫抑制剤。2月に適応拡大を公知申請した。
【日本】エブリスディ(リスジプラム)|未発症の脊髄性筋萎縮症(適応拡大)
SMN2スプライシング修飾薬。2月に未発症への適応拡大と、2カ月未満に対する用法用量の追加を申請。
【日本】RG7828(モスネツズマブ)|濾胞性リンパ腫
抗CD20/CD3バイスペシフィック抗体。過去に2レジメン以上の全身療法を受けたことがある再発または難治性の濾胞性リンパ腫の適応で3月に申請。
【日本】テセントリク(アテゾリズマブ)|胞巣状軟部肉腫(適応拡大)
免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-L1抗体。3月に適応拡大を申請した。胞巣状軟部肉腫は超希少がんで、国内の年間発症数は15~40人と推定されている。
P3開始
【日本】RG6026(glofitamab)|初発大細胞型B細胞リンパ腫
抗CD20/CD3バイスペシフィック抗体。4月に抗CD79b抗体「ポライビー」との併用でP3試験を開始。
【日本】RG6356/SRP-9001(delandistrogene/moxeparvovec)|デュシェンヌ型筋ジストロフィー
遺伝子治療薬。米サレプタ・セラピューティクスが日本を含むグローバルで開発を主導しており、国内で3月にP3試験がスタート。
P1開始
【日本】RG6299|IgA腎症
ロシュから導入した核酸医薬。補体B因子の産生を阻害する。2月に国内P1試験を開始。
開発中止
【グローバル】エンスプリング(サトラリズマブ)|全身型重症筋無力症(P3)
自社創製の抗IL-6受容体リサイクリング抗体。P3試験の結果を踏まえて開発を中止。同試験では主要評価項目で統計学的有意差が示されたものの、想定を下回った。