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【2019年に発売が見込まれる新薬1】国内初 CAR-T細胞療法が承認へ…抗がん剤エヌトレクチニブは臓器横断、骨粗鬆症には抗体医薬

2019年に発売が予想される主な新薬を、領域別に2回に分けて紹介します。1回目は「がん」「中枢神経系」「骨・関節」「皮膚」「呼吸器」です。

 

【2019年に発売が見込まれる新薬2】はこちら

 

【がん】薬価も注目のキムリア 小野は4製品の発売予定

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がん領域では今年も、注目の新薬が相次いで登場する見込みです。

 

再生医療等製品としてノバルティスファーマが昨年4月に申請したチサゲンレクロイセル(海外製品名・キムリア)は、国内初のCAR-T細胞(キメラ抗原受容体発現T細胞)療法。患者から採取したT細胞にB細胞上のCD19を認識するよう遺伝子改変を加えた上で、患者の体内に戻す治療法です。

 

有効性もさることながら、注目されるのは薬価です。先に承認された米国では1回の投与に5000万円を超える価格がつき、話題を呼びました。日本で申請中の適応は▽急性リンパ芽球性白血病▽びまん性大細胞型B細胞リンパ腫――の2適応。厚生労働省は国内の投与対象患者数を250人程度、市場規模を100~200億円程度と予測しています。

 

がん遺伝子パネル検査も保険適用へ

中外製薬のROS1/TRK阻害薬エヌトレクチニブは、先駆け審査指定制度の対象品目で、今年前半の承認が予想されます。適応は「NTRK融合遺伝子変異陽性の固形がん」。国内ではMSDの免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」(MSI-High固形がん、昨年12月承認)に続く、臓器横断的なバイオマーカーをターゲットとしたがん治療薬となります。

 

NTRK融合遺伝子変異は非常にまれではあるものの、乳がんや大腸がん、消化管間質腫瘍(GIST)などさまざまながんで発現。今年は、複数のがん関連遺伝子を一括で調べるがん遺伝子パネル検査の保険適用も見込まれており、がんゲノム医療の普及が本格化することになりそうです。

 

アッヴィ ベネトクラクスでがん領域参入

免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」、多発性骨髄腫治療薬「カイプロリス」とがん領域で着々と製品ラインナップを広げる小野薬品工業は、BRAF阻害薬エンコラフェニブ(製品名・ビラフトビ)と、MEK阻害薬ビニメチニブ(製品名・メクトビ)など4製品を発売予定。このうち3製品は1月に承認され、2月に薬価収載される見通しです。ビラフトビとメクトビはBRAF遺伝子変異のある悪性黒色腫に併用して使うもので、ノバルティスファーマの「タフィンラー」「メキニスト」と競合します。

 

アッヴィはBCL-2阻害薬ベネトクラクスでがん領域に参入。第一三共のキザルチニブは、「ゾスパタ」(アステラス製薬)に続くFLT3阻害薬です。ヤンセンファーマのアパルタミドはアンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬で、アステラスの「イクスタンジ」と同じ作用機序を持ちます。

 

ファイザーのダコミチニブ(製品名・ビジンプロ)と日本イーライリリーのネシツムマブは、いずれもEGFRをターゲットとしています。

 

【中枢神経系】国内初の減酒薬ナルメフェン ロナセンにはテープ剤

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中枢神経系領域では、大塚製薬のアルコール依存症治療薬ナルメフェン(製品名・セリンクロ)が1月に承認を取得し、2月にも発売される見通しとなっています。アルコール依存症治療薬としては国内初となる「減酒」をコンセプトとした薬剤。中枢神経系に広く分布するオピオイド受容体に作用することで、飲酒欲求を抑え、飲酒量を減らすと考えられています。これまで「断酒」が中心だったアルコール依存症治療に新たな選択肢が加わることで、市場も広がりそうです。

 

武田薬品工業のボルチオキセチンは、セロトニン(5-HT)の再取り込み阻害作用や5-HT1A受容体刺激作用などを持つ大うつ病性治療薬。承認後は同薬を創製したデンマーク・ルンドベックの日本法人と共同で市場展開を図る方針です。

 

塩野義製薬のADHD治療薬リスデキサンフェタミン(製品名・ビバンセ)は、覚醒剤原料にあたることから、流通管理について厚生労働省がパブリックコメントを実施。その結果も踏まえ、1月以降の薬事食品衛生審議会医薬品第一部会で承認の可否が審議されることになっています。

 

大日本住友製薬は、主力品の1つである抗精神病薬ブロナンセリン(製品名・ロナセン)のテープ剤を日東電工と共同開発。久光製薬は、パーキンソン病治療薬ロピニロールの貼付剤を申請中です。

 

【骨・関節】【皮膚】ロモソズマブようやく承認へ、乾癬には12週1回の抗体医薬

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骨・関節領域では、アステラス・アムジェン・バイオファーマの抗スクレロスチン抗体ロモソズマブ(製品名・イベニティ)が、申請から2年以上たってようやく発売となります。海外の臨床試験で心血管系リスクの懸念が示されたことから審査に時間がかかっていましたが、1月に承認されました。

 

ロモソズマブは、骨細胞から分泌される糖タンパク質であるスクレロスチンの作用を阻害することで、骨形成を促進し、骨吸収を抑制。既存のPTH(副甲状腺ホルモン)製剤を上回る効果が期待されています。

 

アステラス製薬が申請中のペフィシチニブは、関節リウマチ治療薬としては「ゼルヤンツ」「オルミエント」に続く国内3剤目のJAK阻害薬。先行する2剤と同様に、既存薬で効果不十分な関節リウマチが対象です。協和発酵キリンのブロスマブは抗FGF23抗体で、FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の適応で申請中。協和キリンがグローバルでブロックバスター化を期待している薬剤で、国内では今年9月ごろの承認を見込んでいます。

 

アッヴィのリサンキズマブは、インターロイキン23(IL-23)をターゲットとする抗体医薬で、▽尋常性乾癬▽関節症性乾癬▽膿疱性乾癬▽乾癬性紅皮症――の4適応で申請中。12週間に1回の投与で済むのが最大の特徴です。乾癬に対する抗体医薬はすでにいくつも販売されていますが、承認されれば乾癬に対する生物学的製剤としては最も投与頻度の少ない薬剤となります。

 

【呼吸器】COPDに3剤配合剤が登場へ

2019年に発売が見込まれる[呼吸器領域]の新薬の表。<フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ウメクリジニウム/ビランカテロール>社名:GSK、適応:COPD。<グリコピロニウム/ホルモテロール>社名:AZ、適応:COPD。<ブデソニド/グリコピロニウム/ホルモテロール>社名:AZ、適応:COPD。

 

呼吸器領域では、COPD(慢性閉塞性肺疾患)向けに3つの新薬が申請中。グラクソ・スミスクラインのフルチカゾンフランカルボン酸エステル/ウメクリジニウム/ビランカテロールと、アストラゼネカのブデソニド/グリコピロニウム/ホルモテロールは、いずれも▽吸入ステロイド(ICS)▽長時間作用性抗コリン薬(LAMA)▽長時間作用性β2刺激薬(LABA)――の3剤配合剤です。

 

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