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2023年 国内新薬承認取得数ランキング…トップはファイザー、第一三共、ノバルティスの3社

更新日

亀田真由

2023年に国内で承認された新薬(新医薬品)をAnswersNewsが企業別に集計したところ、承認数が最も多かったのは7つの承認を取得したファイザー、第一三共、ノバルティスファーマの3社でした。新規有効成分に限ると、2成分の承認を取得したファイザーや第一三共などがトップとなりました。

 

 

トップ3社は7つの承認を取得、4位は武田薬品

医薬品医療機器総合機構(PMDA)が年度ごとにまとめている「新医薬品の承認品目一覧」をもとに、「新規有効成分等(新規有効成分、新医療用配合剤、既承認成分でも異なる製品として承認されたもの)」と「その他(適応拡大や新投与経路など)」に分けて集計。再生医療等製品や診断薬は除外しており、後発医薬品やバイオシミラーも含まない

 

【2023年 国内新薬承認取得数ランキング】再生医療等製品、診断薬は除く。新配合剤は新規有効成分としてカウント。*は新規有効成分以外。〈順位/社名/承認数合計/新規有効成分等承認数/その他承認数/主な承認製品〉|1/ファイザー/7/2/5/リットフーロカプセル|1/第一三共/7/2/5/フルミスト点鼻液|1/ノバルティスファーマ/7/1/6/レクビオ皮下注|4/武田薬品工業/5/1/4/キュービトル皮下注|5/ユーシービージャパン/4/2/2/リスティーゴ皮下注|5/協和キリン/4/1/3/フォゼベル錠|7/ノボノルディスクファーマ/3/2/1/ウゴービ皮下注|7/サノフィ/3/1/2/オルツビーオ静注用|7/MSD/3/0/3/キイトルーダ点滴静注*|7/アッヴィ/3/0/3/リンヴォック錠*|11/Swedish Orphan Biovitrum Japan/2/2/0/エムパベリ皮下注|11/グラクソ・スミスクライン/2/1/1/アレックスビー筋注用|11/マルホ/2/1/1/リネイルゲル|11/大鵬薬品工業/2/1/1/リトゴビ錠|11/中外製薬/2/1/1/フェスゴ配合皮下注|11/アストラゼネカ/2/0/2/イミフィンジ点滴静注*|11/アレクシオンファーマ/2/0/2/ユルトミリス点滴静注*|11/バイエル薬品/2/0/2/ニュベクオ錠*|11/モデルナ・ジャパン/2/0/2/スパイクバックス筋注*|11/小野薬品工業/2/0/2/オプジーボ点滴静注*|11/全薬工業/2/0/2/リツキサン点滴静注*|22/BioMarin Pharmaceutical Japan/1/1/0/パリンジック皮下注|22/KMバイオロジクス/1/1/0/クイントバック水性懸濁注射用|22/Meiji Seikaファルマ/1/1/0/コスタイベ筋注用|22/エーザイ/1/1/0/レケンビ点滴静注|22/ギリアド・サイエンシズ/1/1/0/シュンレンカ皮下注|22/ジェンマブ/1/1/0/エプキンリ皮下注|22/セオリアファーマ/1/1/0/コムレクス耳科用液|22/ファーマエッセンシア/1/1/0/ベスレミ皮下注|22/フェリング・ファーマ/1/1/0/コレチメント錠|22/ラインファーマ/1/1/0/メフィーゴパック|22/レクメド/1/1/0/オファコルカプセル|22/塩野義製薬/1/1/0/フェトロージャ点滴静注用|22/丸石製薬/1/1/0/コルスバ静注透析用|22/久光製薬/1/1/0/アポハイドローション|22/阪大微生物病研究会/1/1/0/ゴービック水性懸濁注|22/日本イーライリリー/1/1/0/オンボー点滴静注/皮下注|22/日本セルヴィエ/1/1/0/オンキャスパー点滴静注用|22/CSLベーリング/1/0/1/ハイゼントラ皮下注*|22/JCRファーマ/1/0/1/グロウジェクト皮下注*|22/アステラス製薬/1/0/1/プログラフカプセル/顆粒*|22/インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン/1/0/1/ペマジール錠*|22/ヤクルト本社/1/0/1/エルプラット点滴静注液*|22/ヤンセンファーマ/1/0/1/イムブルビカカプセル*|22/興和/1/0/1/パルモディアXR錠*|22/大塚製薬/1/0/1/レキサルティ錠/OD錠* 22/帝人ファーマ/1/0/1/フェブリク錠*|22/田辺三菱製薬/1/0/1/バリキサドライシロップ*|22/日本新薬/1/0/1/キロサイド注*/|※"PMDAの「新医薬品の承認品目一覧」をもとに集計。後発医薬品とバイオシミラーは除く。その他は、新効能、新剤形、新用量、新投与経路など。/

【2023年 国内新薬承認取得数ランキング】再生医療等製品、診断薬は除く。新配合剤は新規有効成分としてカウント。*は新規有効成分以外。〈順位/社名/承認数合計/新規有効成分等承認数/その他承認数/主な承認製品〉|1/ファイザー/7/2/5/リットフーロカプセル|1/第一三共/7/2/5/フルミスト点鼻液|1/ノバルティスファーマ/7/1/6/レクビオ皮下注|4/武田薬品工業/5/1/4/キュービトル皮下注|5/ユーシービージャパン/4/2/2/リスティーゴ皮下注|5/協和キリン/4/1/3/フォゼベル錠|7/ノボノルディスクファーマ/3/2/1/ウゴービ皮下注|7/サノフィ/3/1/2/オルツビーオ静注用|7/MSD/3/0/3/キイトルーダ点滴静注*|7/アッヴィ/3/0/3/リンヴォック錠*|11/Swedish Orphan Biovitrum Japan/2/2/0/エムパベリ皮下注|11/グラクソ・スミスクライン/2/1/1/アレックスビー筋注用|11/マルホ/2/1/1/リネイルゲル|11/大鵬薬品工業/2/1/1/リトゴビ錠|11/中外製薬/2/1/1/フェスゴ配合皮下注|11/アストラゼネカ/2/0/2/イミフィンジ点滴静注*|11/アレクシオンファーマ/2/0/2/ユルトミリス点滴静注*|11/バイエル薬品/2/0/2/ニュベクオ錠*|11/モデルナ・ジャパン/2/0/2/スパイクバックス筋注*|11/小野薬品工業/2/0/2/オプジーボ点滴静注*|11/全薬工業/2/0/2/リツキサン点滴静注*|22/BioMarin Pharmaceutical Japan/1/1/0/パリンジック皮下注|22/KMバイオロジクス/1/1/0/クイントバック水性懸濁注射用|22/Meiji Seikaファルマ/1/1/0/コスタイベ筋注用|22/エーザイ/1/1/0/レケンビ点滴静注|22/ギリアド・サイエンシズ/1/1/0/シュンレンカ皮下注|22/ジェンマブ/1/1/0/エプキンリ皮下注|22/セオリアファーマ/1/1/0/コムレクス耳科用液|22/ファーマエッセンシア/1/1/0/ベスレミ皮下注|22/フェリング・ファーマ/1/1/0/コレチメント錠|22/ラインファーマ/1/1/0/メフィーゴパック|22/レクメド/1/1/0/オファコルカプセル|22/塩野義製薬/1/1/0/フェトロージャ点滴静注用|22/丸石製薬/1/1/0/コルスバ静注透析用|22/久光製薬/1/1/0/アポハイドローション|22/阪大微生物病研究会/1/1/0/ゴービック水性懸濁注|22/日本イーライリリー/1/1/0/オンボー点滴静注/皮下注|22/日本セルヴィエ/1/1/0/オンキャスパー点滴静注用|22/CSLベーリング/1/0/1/ハイゼントラ皮下注*|22/JCRファーマ/1/0/1/グロウジェクト皮下注*|22/アステラス製薬/1/0/1/プログラフカプセル/顆粒*|22/インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン/1/0/1/ペマジール錠*|22/ヤクルト本社/1/0/1/エルプラット点滴静注液*|22/ヤンセンファーマ/1/0/1/イムブルビカカプセル*|22/興和/1/0/1/パルモディアXR錠*|22/大塚製薬/1/0/1/レキサルティ錠/OD錠* 22/帝人ファーマ/1/0/1/フェブリク錠*|22/田辺三菱製薬/1/0/1/バリキサドライシロップ*|22/日本新薬/1/0/1/キロサイド注*/|※"PMDAの「新医薬品の承認品目一覧」をもとに集計。後発医薬品とバイオシミラーは除く。その他は、新効能、新剤形、新用量、新投与経路など。/

 

2023年に新医薬品の承認を取得したのは49社(前年は59社)で、承認数が最も多かったのはファイザーと第一三共、ノバルティスファーマの3社でした。それぞれ7つの承認を取得しており、ファイザーと第一三共は新規有効成分で2つ、ノバルティスは1つの承認を取得しています。

 

ファイザーは、新規有効成分として円形脱毛症治療薬「リットフーロカプセル」と再生不良性貧血治療薬「アトガム点滴静注液」の承認を取得。その他では、新型コロナウイルスワクチン「コミナティ」のオミクロン株対応ワクチンや、成長ホルモン製剤「ジェノトロピン」のプラダー・ウィリ症候群への適応拡大などが承認されました。

 

第一三共は、▽インフルエンザワクチン「フルミスト点鼻液」▽新型コロナウイルスワクチン「ダイチロナ筋注」――の2つのワクチンが承認。その他では、がん領域の抗HER2抗体薬物複合体(ADC)「エンハーツ点滴静注用」(HER2低発現乳がん、HER2陽性非小細胞肺がん)やFLT3阻害薬「ヴァンフリタ錠」(急性骨髄性白血病1次治療)などで適応拡大の承認を取得しました。

 

ノバルティスファーマは、新規有効成分として高コレステロール血症に対するsiRNA製剤「レクビオ皮下注」の承認を取得。残る6つは適応拡大で、抗がん剤「タフィンラー」「メキニスト」の併用療法が「BRAF遺伝子変異を有する進行・再発の固形がん」「BRAF遺伝子変異を有する再発・難治性の有毛細胞白血病」に適応拡大したほか、再生不良性貧血治療薬「レボレード錠」で小児適応を追加しました。

 

4位は承認数5(新規有効成分等1・その他4)の武田薬品工業。無または低ガンマグロブリン血症治療薬「キュービトル皮下注」のほか、主力の潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンタイビオ」の皮下注製剤などが承認されました。5位は4つの承認を取得したユーシービージャパンと協和キリン。7位までにランクインした上位10社のうち、7社が外資系企業となりました。

 

過去5年のランキングを振り返ってみると、5年で計10以上の承認を取得したのは18社。トップは22年のランキングで首位だった中外製薬(5年間の承認数は計32)で、2位はMSD(30)、3位は小野薬品工業(29)でした。トップ3に武田薬品、ファイザー、ノバルティス、アストラゼネカ、アッヴィを加えた上位8社は、毎年、複数の承認を取得しています。

 

【過去5年の累計承認取得数(19~23年)】〈順位/社名/2019/2020/2021/2022〉 1/中外製薬/6/8/6/10/21/MSD/7/5/7/8/3|4/小野薬品工業/6/11/7/3/2|5/武田薬品工業/5/7/7/4/5|5/ファイザー/3/3/7/7/7|1/ノバルティスファーマ/4/9/3/3/7|7/アストラゼネカ/4/6/4/9/2|7/アッヴィ/4/3/5/5/3|7/ヤンセンファーマ/5/5/4/3/1|11/日本イーライリリー/4/5/4/4/1|11/第一三共/4/2/2/3/7|7/サノフィ/2/4/2/6/3|11/協和キリン/3/1/2/3/4|11/グラクソ・スミスクライン/4/4/2/0/2|11/バイエル薬品/0/2/4/3/2|11/塩野義製薬/3/1/2/3/1|22/エーザイ/0/4/4/1/1|/ユーシービージャパン/2/1/0/3/4|※PMDAの「新医薬品の承認品目一覧」をもとに集計。後発医薬品とバイオシミラーは除く

 

新規有効成分は30社35品目 前年から21品目減少

23年の承認取得数を新規有効成分に限ってみると、2つの承認を取得してトップとなったのは▽Swedish Orphan Biovitrum Japan(Sobi Japan)▽ノボノルディスクファーマ▽ファイザー▽ユーシービージャパン▽第一三共――の5社です。

 

全体ランキングトップのファイザーと第一三共以外では、希少疾患に注力するSobi Japanが、発作性夜間ヘモグロビン尿症治療薬「エムパベリ皮下注」と待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の治療薬「ドプテレット錠」の承認を取得。ノボノルディスクファーマは先天性血友病治療薬「アレモ皮下注」と肥満症治療薬「ウゴービ皮下注」、ユーシービージャパンは全身型重症筋無力症治療薬「ジルビスク皮下注」「リスティーゴ皮下注」の承認を取得しました。

 

【2023年 国内新規有効成分等の承認数(企業別)】再生医療等製品は除く、新配合剤は新規有効成分等としてカウント。*=希少疾病用医薬品、―は薬価基準未収載品目。〈承認数/社名/領域/製品名/ピーク時売上高予測(億円)〉2成分/Swedish Orphan Biovitrum Japan/血液/エムパベリ皮下注/110/血液/ドプテレット錠/0.7|ノボノルディスクファーマ/血液/アレモ皮下注*/20/代謝/ウゴービ皮下注/328|ファイザー/血液/アトガム点滴静注液*/8.1/皮膚/リットフーロカプセル/156|ユーシービージャパン/筋/ジルビスク皮下注/89/筋/リスティーゴ皮下注*/204|第一三共/ワクチン/フルミスト点鼻液―ワクチン/ダイチロナ筋注/―|1成分/BioMarin Pharmaceutical Japan/代謝/パリンジック皮下注*/36|KMバイオロジクス/ワクチン/クイントバック水性懸濁注射用/―|Meiji Seikaファルマ/ワクチン/コスタイベ筋注用/―|エーザイ/中枢神経/レケンビ点滴静注/986|ギリアド・サイエンシズ/感染症/シュンレンカ皮下注*/4.5|グラクソ・スミスクライン/ワクチン/アレックスビー筋注用/―|サノフィ/血液/オルツビーオ静注用/191|ジェンマブ/がん/エプキンリ皮下注/307|セオリアファーマ/耳科/コムレクス耳科用液/8.8|ノバルティスファーマ/循環器/レクビオ皮下注/195|ファーマエッセンシア/血液/ベレスミ皮下注/163|フェリング・ファーマ/消化器/コレチメント錠/15|マルホ/皮膚/リネイルゲル/―|ラインファーマ/婦人科/メフィーゴパック/―|レクメド/代謝/オファコルカプセル*/2.3|塩野義製薬/感染症/フェトロージャ点滴静注用*/15|丸石製薬/腎/コルスバ静注透析用/44|久光製薬/皮膚/アポハイドローション/9.4|協和キリン/腎/フォゼベル錠/193|阪大微生物病研究会/ワクチン/ゴービック水性懸濁注/―|大鵬薬品工業/がん/リトゴビ錠/3.7|中外製薬/がん/フェスゴ配合皮下注/344|日本イーライリリー/消化器/オンボー皮下注/291|日本セルヴィエ/がん/オンキャスパー点滴静注用/5.2|武田薬品工業/その他/キュービトル皮下注/29|※PMDAの「新医薬品の承認品目一覧」をもとに集計。売上高予測は中医協資料より。

 

23年に承認された新規有効成分は、30社35品目で前年の40社56品目から減少。疾患領域別にみると、最も多かったのは6品目が承認された血液領域とワクチンの2領域で、4品目のがん領域がこれに続きました。

 

薬価基準未収載品や薬価収載前のものなどを除いた27品目のうち、中央社会保険医療協議会(中医協)の資料でピーク時売上高予測(薬価ベース)が100億円を超えたのは12品目。最高はエーザイのアルツハイマー病治療薬「レケンビ」(986億円)で、中外製薬の抗がん剤「フェスゴ配合皮下注」(344億円)やノボのウゴービ(328億円)、ジェンマブの血液がん治療薬「エプキンリ皮下注」(307億円)が300億円を超えました。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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