武田、ブロックチェーンで流通過程を可視化
武田薬品工業は5月31日、三菱倉庫が開発したデータプラットフォームを導入し、一部製品を対象に工場出荷から医薬品卸倉庫納品までの温度・位置情報を可視化する取り組みを開始したと発表した。三菱倉庫のデータプラットフォームはIBMのブロックチェーン技術を活用。データの完全性と安全性を保持しながら、流通過程の情報を可視化し、輸送に関わる事業者間でリアルタイムに共有できる。今年1月から武田の物流センターと医薬品卸倉庫の間で運用を開始しており、今月から光工場(山口県)からの出荷に範囲を広げた。流通品質管理の向上だけでなく、将来的にはオープンなプラットフォームとして、偽造医薬品対策や在庫レベルの適正化、安定供給の維持などに役立てたい考え。
武田、新型コロナワクチンの製造販売承認をモデルナに承継
武田薬品工業は5月31日、新型コロナウイルスワクチン「スパイクバックス筋注」について、8月1日付で製造販売承認をモデルナ・ジャパンに承継すると発表した。流通は当面、武田が引き続き担う。承継後は、モデルナ・ジャパンが同ワクチンの輸入、薬事、開発、品質保証、情報提供活動などに責任を持つことになる。
参天 シロリムス点眼液、フックス角膜内皮ジストロフィでP2開始
参天製薬は5月31日、アクチュアライズ(京都府京田辺市)と共同開発しているシロリムス点眼液(開発コード・STN1010904)について、フックス角膜内皮ジストロフィを対象とした臨床第2相(P2)試験の患者登録を開始したと発表した。試験は、約80人の患者を対象に、米国、フランス、インドで実施する。同疾患の治療は角膜移植に限られており、患者負担の少ない点眼薬が求められているという。
大塚化学 徳島に原薬製造プラント、中分子CDMO事業拡大
大塚ホールディングス(HD)子会社の大塚化学は5月31日、核酸やペプチドといった中分子医薬品のCDMO事業を拡大するため、徳島県鳴門市にマルチパーパスの原薬製造プラントを新設すると発表した。新プラントは、核酸固相合成機やフロー合成対応設備などを備え、高薬理活性GMPに対応。2023年の本格稼働を目指す。
ノバルティス 多発性硬化症治療薬「ケシンプタ」自己投与可能に
ノバルティスファーマは5月31日、多発性硬化症治療薬「ケシンプタ皮下注」(一般名・オファツムマブ)について、6月1日から在宅自己投与が保険適用になると発表した。診療報酬の在宅自己注射指導管理料の対象となる。患者やその家族が投与に関する説明とトレーニングを受けると、在宅で自己注射ができるようになる。同薬は昨年3月に承認を取得した。
薬粧連合、毎年改定の見直しなど要望
医薬品関連の労働組合でつくる医薬化粧品産業労働組合連合会(薬粧連合)は5月31日、政府が6月に策定する骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)に向けた要望をまとめ、厚生労働省に提出した。要望書では、近年の薬価抑制策に懸念を示し、▽中間年改定の見直しと廃止の検討▽調整幅の維持・拡大▽サプライチェーン強化の推進と薬価制度による下支え強化――などを求めた。薬粧連合には今年4月1日現在でアステラス製薬や第一三共などの22の労組が加盟している。
協和キリン、高崎工場に企業主導型保育施設設置へ
協和キリンは5月31日、バイオ医薬品を生産する高崎工場(群馬県高崎市)に企業主導型保育施設を開設すると発表した。来年1月の開園を予定する。従業員のほか、近隣在住者も利用可能。富士事業場(静岡県長泉町)でも今月、従業員向けの保育施設を開設した。