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ニュース解説

新型コロナウイルスワクチン 日本国内の開発・接種状況は(9月21日更新)

更新日

前田雄樹

新型コロナウイルスワクチンの接種や開発の状況など、国内の動向をまとめました。

 

 

オミクロン対応ワクチンの接種開始

政府のまとめによると、9月20日公表時点の国内の新型コロナウイルスワクチンの総接種回数は3億2171万6025回。総接種回数のうち、1回以上接種したのは1億419万2020人(接種率81.5%)、2回接種が完了したのは1億277万8684人(80.4%)、3回接種完了は8208万7621人(65.2%)となっています。60歳以上の人と基礎疾患を持つ18歳以上の人、医療従事者や高齢者施設従事者を対象に行われている4回目接種を受けた人は3265万7700人。60歳以上の人では73.5%が4回目を完了しています。

 

今年2月から接種が始まった5~11歳の小児の接種回数は、9月20日公表時点で315万56765回となっており、1回以上接種したのは162万8328人(22.3%)、2回接種を完了したのは152万2552人(20.8%)。8月30日には小児でも追加接種が承認され、今月から接種が始まりました。9月20日公表時点で3回目を受けた小児は5885人で、接種率は0.1%となっています。

 

今月12日には、オミクロン株に対応したワクチンが承認されました。起源株とオミクロン株「BA.1」に対応した2価ワクチンで、流行中の「BA.5」にも効果があるとされています。ファイザー製とモデルナ製の2種類が使用可能で、政府は前回(2回目または3回目)の接種から5カ月以上たった12歳以上のすべての人を対象にオミクロン株対応ワクチンの接種を進める方針(12歳から接種できるのはファイザー製のみ。モデルナ製は18歳以上が対象)。高齢者や医療従事者らを対象に20日から接種が始まっており、今後、一般の人にも広がっていく見通しです。

 

「BA.5」対応ワクチン、年内にも使用可能に

現在、国内で承認されている新型コロナワクチンは5種類。昨年2月に米ファイザーと独ビオンテックが開発したmRNAワクチン「コミナティ」が承認を取得し、同年5月には米モデルナの同「スパイクバック」と英アストラゼネカのウイルスベクターワクチン「バキスゼブリア」が承認。今年4月には、米ノババックスが開発し、武田薬品工業が国内で製造・供給する組換えタンパクワクチン「ヌバキソビッド」が、6月には米ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門ヤンセンファーマが開発したウイルスベクターワクチン「ジェコビデン」が、それぞれ承認を取得しています。

 

【国内で承認されている新型コロナウイルスワクチン】/(※ヤンセンのワクチンは公的接種の対象外)<社名/種類/初回接種(1・2回目)/追加接種/BA.1対応/BA.4/BA.5対応>ファイザー ビオンテック/mRNA/5歳以上/5歳以上/12歳以上/申請中|モデルナ/mRNA/12歳以上/18歳以上/18歳以上/申請予定|アストラゼネカ/ウイルスベクター/18歳以上(原則40歳以上)/―/―/―|ノババックス/組み換えタンパク/12歳以上/18歳以上/―/―|武田薬品工業/ヤンセン/ウイルスベクター/18歳以上/18歳以上/―/―|※厚生労働省の資料や各社の発表をもとに作成

 

このうち、現在、公的接種の対象となっているのは、ヤンセンのジェコビデンを除く4種類。ジェコビデンは初回免疫が1回の接種で済むのがメリットですが、国内で必要なワクチンはすでに確保されていることから公的接種の対象にはなっていません。

 

公的接種で使われる4種類のワクチンのうち、3回目に使用できるのはファイザー製、モデルナ製、武田(ノババックス)製の3種類で、4回目に使えるのはファイザー製とモデルナ製の2種類。5~11歳の小児に使用できるのはファイザー製のみで、同社は7月に生後6カ月~4歳への接種についても申請を行っています。

 

ファイザーとモデルナは、流行中のオミクロン株「BA.4」「BA.5」に対応したワクチンを開発しており、ファイザーは9月17日に日本で承認申請を行いました。モデルナも準備が整い次第、日本で申請する方針を示しています。両社のBA.4/BA.5対応ワクチンは8月末に米国で緊急使用許可を取得。モデルナ日本法人は「11~12月には接種会場に届けられる」との見通しを示しています。

 

日本企業では、塩野義製薬の組換えタンパクワクチンとKMバイオロジクスの不活化ワクチンが治験の最終段階まで進んでおり、塩野義は今年度上期中(9月まで)の申請、KMバイオロジクスは今年度中の供給開始を目指しています。第一三共のmRNAワクチンは追加免疫(3回目)で臨床第1/2/3相(P1/2/3)試験の最終段階が進行していて、初回免疫(1回目・2回目)では今年度上半期中のP3試験開始を検討中。同社は追加免疫で年内の実用化を目指しています。

 

安全性に重大な懸念認められず

厚生労働省によると、8月7日までに予防接種法に基づいて医療機関から報告された副反応疑いの頻度は、▽ファイザー製(12歳以上用、21年2月接種開始)0.0128%(うち重篤0.0029%)▽同(5~11歳用、22年2月接種開始)0.004%(うち重篤0.001%)▽モデルナ製(21年5月接種開始)0.0073%(うち重篤0.0016%)▽アストラゼネカ製(21年8月接種開始)0.0136%(うち重篤0.0094%)▽武田(ノババックス)製(22年5月接種開始)0.0135%(うち重篤0.0059%)――となっています。

 

接種後に報告された死亡例(12歳以上)は、8月7日時点でファイザー製1643件(接種100万回あたり7.2回)、モデルナ製171件(同2.4件)、アストラゼネカ製1件(同8.5件)。武田(ノババックス)製では報告がありませんでした。これまでワクチンとの因果関係があると結論付けられたケースはなく、厚労省の専門部会は「4回目接種後の事例を含め、ワクチン接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められない」としています。

 

新型コロナワクチンで注意すべき副反応とされている心筋炎・心膜炎(12歳以上)は、8月7日までにファイザー製で心筋炎76件・心膜炎37件、モデルナ製で心筋炎61件・心膜炎21件の報告がありました(疑いとして報告されたもののうち、国際分類に基づいて心筋炎・心膜炎と評価された事例)。アストラゼネカ製とノババックス/武田製では報告はありません。

 

5~11歳の小児では、8月7日までに接種後の死亡例の報告が1件(接種100万回あたり0.3件)あり、厚労省の専門部会は「情報不足等によりワクチンとの因果関係が評価できない」としています。国際基準に照らして心筋炎・心膜炎にあたると評価された事例は、それぞれ1件ずつありました。

 

こうした報告を踏まえ、厚労省の専門部会は「いずれのワクチンも、これまでの報告によって、死亡、アナフィラキシー、血小板減少症を伴う血栓症、心筋炎・心膜炎、4回目接種、5~11歳の小児接種、ワクチン接種後健康状況調査に係る検討を含め、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められない」と評価しています。

 

(公開:2021年1月14日/最終更新:2022年9月21日)

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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