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新型コロナウイルスワクチン 日本国内の開発・接種状況は(3月22日更新)

更新日

前田雄樹

新型コロナウイルスワクチンの接種や開発の状況など、国内の動向をまとめました。

 

 

オミクロン株対応ワクチン 接種率44%

政府のまとめによると、3月17日公表時点の国内の新型コロナウイルスワクチンの総接種回数は3億8274万5462回。総接種回数のうち、▽1回以上接種したのは1億467万9968人(接種率81.3%)▽2回接種が完了したのは1億333万7283人(80.3%)▽3回接種したのは8624万7739人(68.5%)▽4回接種したのは5819万9141人▽5回接種したのは3028万1331人――となっています。

 

昨年2月から接種が始まった5~11歳の小児の接種回数は、3月17日公表時点で413万1170回となっており、1回以上接種したのは176万667人(24.1%)、2回接種を完了したのは170万1507人(23.3%)。同9月から始まった追加接種は66万8996人(9.1%)が受けています。昨年10月5日に承認された生後6カ月~4歳未満の乳幼児の接種回数は3月17日時点で37万6782回となっており、1回以上接種した人が16万4587人(3.7%)、2回接種完了が14万5629人(3.3%)、3回接種した人は6万6566人(1.5%)です。

 

昨年9月には、米ファイザー/独ビオンテック製とモデルナ製でオミクロン株の「BA.1」に対応したワクチンが承認。さらに同10月5日には、同株の「BA.4/BA.5」に対応したファイザー製ワクチンも承認され、同11月1日にはモデルナ製のBA.4/5対応ワクチンも承認されました。オミクロン株対応ワクチンの接種回数は3月17日時点で5586万3399回(接種率44.4%)となっています。

 

23年度は原則年1回接種

政府は2023年度、全世代を対象に原則年1回の接種を行うことにしており、高齢者や基礎疾患のある人、医療・介護従事者らを対象に5月から先行接種を始める方針(使用するワクチンはオミクロン株対応の2価ワクチン)。9月には年末年始に想定される感染拡大に備え、5歳以上のすべての人を対象に接種を行います。高齢者らは先行接種と合わせて2回の接種機会を確保することになります。9月からの接種に使うワクチンについては、流行状況も踏まえて検討を続けることになっています。

 

昨年秋から12歳以上を対象に行われているオミクロン株対応ワクチンを使った接種は、5月の先行接種が始まるタイミングで一旦終了します。ただ、5~11歳と生後6カ月~4歳については、接種開始が遅かったため今後も随時接種できるようにします。

 

現在、国内で公的接種の対象となっている新型コロナワクチンは、ファイザー/ビオンテックのmRNAワクチン「コミナティ」とモデルナの同「スパイクバック」、米ノババックスが開発し、武田薬品工業が国内で製造・供給する組換えタンパクワクチン「ヌバキソビッド」の3種類。このほか、英アストラゼネカのウイルスベクターワクチン「バキスゼブリア」と米ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門ヤンセンファーマが開発したウイルスベクターワクチン「ジェコビデン」も承認されていますが、公的接種では使用されていません。

 

オミクロン株BA.4/BA.5に対応したワクチンはファイザー製とモデルナ製が承認。今年2月には、ファイザーが5~11歳の小児についても承認を取得しました。モデルナも今年2月、対象に6~11歳を追加するための申請を行っています。

 

日本企業では、塩野義製薬が組換えタンパクワクチンを成人の初回免疫(1回目・2回目)と追加免疫(3回目)を対象に昨年11月に申請。第一三共は開発中のmRNAワクチンを追加免疫の適応で今年1月に申請しました。KMバイオロジクスは不活化ワクチンの開発を進めています。

 

安全性に重大な懸念認められず

厚生労働省によると、今年1月22日までに予防接種法に基づいて医療機関から報告された副反応疑いの頻度は、▽ファイザー製(12歳以上用、21年2月接種開始)0.0105%(うち重篤0.0024%)▽同(5~11歳用、22年2月接種開始)0.0035%(うち重篤0.0010%)▽同(生後4カ月~4歳用)0.0013%(うち重篤0.0009%)▽モデルナ製(21年5月接種開始)0.0066%(うち重篤0.0015%)▽武田(ノババックス)製(22年5月接種開始)0.0132%(うち重篤0.0038%)――となっています。

 

接種後に報告された死亡例(12歳以上)は、1月22日までにファイザー製1782件(接種100万回あたり6.1件)、モデルナ製215件(同2.6件)、武田(ノババックス)製1件(同3.5件)。これら死亡例のうち1件については、ワクチンとの因果関係が否定できないと判断されていますが、厚労省の専門部会は「死亡に関する副反応疑い報告の状況、国内外のmRNAワクチン接種後のリスク分析のエビデンスも踏まえると、現時点では、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える程の重大な懸念は認められない」としています。

 

小児(5~11歳)では、1月22日までに接種後の死亡例の報告が3件(接種100万回あたり0.7件)ありますが、現時点でワクチンとの因果関係があると結論付けられた事例はありません。乳幼児(生後4カ月~4歳)では、死亡例の報告はありません。

 

こうした報告を踏まえ、厚労省の専門部会は「死亡、心筋炎・心膜炎、4回目・5回目接種、5~11歳の小児接種、6か月~4歳の乳幼児接種、オミクロン株対応ワクチン、ワクチン接種後健康状況調査に係る検討を含め、現時点でワクチン接種によるベネフィットがリスクを上回ると考えられ、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められない」と評価しています。

 

(公開:2021年1月14日/最終更新:2023年3月22日)

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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