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トピックス

国内製薬 新薬パイプラインのステージアップ・開発中止まとめ―25年3月期2Q/24年12月期3Q|トピックス

更新日

AnswersNews編集部

国内製薬各社の2025年3月期第2四半期、24年12月期第3四半期の決算発表から、主な新薬開発パイプラインの動きをピックアップ。随時更新(公開:10月28日、最終更新:11月14日)

 

 

日本新薬(25年3月期2Q、11月13日発表)

P1/2開始

【グローバル】NS-050/NCNP-03|デュシェンヌ型筋ジストロフィー

国立精神・神経医療研究センターとの共同研究によって見出されたアンチセンス核酸医薬。変異したジストロフィン遺伝子のエクソン50をスキップさせることでジストロフィンタンパク質の発現を誘導する。10月にグローバルP1/2試験を開始。

 

エーザイ(25年3月期2Q、11月8日発表)

承認

【英国】レケンビ(一般名・レカネマブ)|早期アルツハイマー病

米バイオジェンと共同開発する抗アミロイドβプロトフィブリル抗体。8月に英国で承認。

 

【日本】ロゼバラミン(メコバラミン)|筋萎縮性即索硬化症

末梢性神経障害治療薬「メチコバール」としても承認されているメコバラミンの高用量製剤。メチコバールとしての承認用量の100倍を1回投与量として投与することで、ALSによる機能障害の進行を抑制する。医師主導治験の結果に基づいて9月に承認を取得。

 

【日本】タスフィゴ(タスルグラチニブ)|胆道がん

自社品のFGFR阻害薬。FGFR2融合遺伝子を有する胆道がんを対象に9月に承認。

 

申請

【米国】レケンビ|早期アルツハイマー病(剤形追加)

皮下注製剤による維持投与について、米国で10月に段階的申請を完了。

 

開発中止

【米国・欧州】レンビマ(レンバチニブ)|頭頸部がん(P2)

自社創製のキナーゼ阻害薬。抗PD-1抗体ペムブロリズマブとの併用で頭頸部がんのセカンドラインを対象にP2試験を行っていたが、独立データモニタリング委員会の推奨に従って中止。

 

参天製薬(25年3月期2Q、11月7日発表)

申請

【日本】STN1012600(一般名・セペタプロスト)|緑内障・高眼圧症

小野薬品工業から導入したFP受容体/EP3受容体デュアル作動薬。眼圧下降剤としては新規メカニズムのプロスタグランジン誘導体となる。9月に日本で申請。

 

P3開始

【中国】STN1013800(オキシメタゾリン塩酸塩)|眼瞼下垂

米RVL Pharmaceuticalsから導入した直接作用型αアドレナリン受容体作動薬。10月に中国でP3試験を開始した。日本ではP3試験で主要評価項目を達成しており、24年度中の申請を予定している。

 

ゼリア新薬工業(25年3月期2Q、11月6日発表)

承認

【日本】ビルタサ(パチロマーソルビテクスカルシウム)|高カリウム血症

スイスのCSL Viforから導入した非吸収性の陽イオン吸着ポリマー。9月に日本で承認を取得。主に結腸管腔でカリウムを吸着し、糞便中への排泄を増加させることで、血清カリウム値を低下させる。

 

田辺三菱製薬(25年3月期2Q、11月1日発表)

P1開始

【日本】MT-2990|ANCA関連血管炎

自社創製の抗IL-33抗体。

 

開発中止

【グローバル】MT-2990|子宮内膜症

 

持田製薬(25年3月期2Q、11月1日発表)

承認

【日本】クービビック(一般名・ダリドレキサント)|不眠症

ネクセラファーマと共同開発したデュアルオレキシン受容体拮抗薬。9月にネクセラが承認を取得。持田はネクセラと共同開発・共同販売のライセンス契約を結んでいたが、販売提携は解消。持田は子会社の持田製薬工場で製造を担う。

 

【日本】トレプロスト吸入液(トレプロスチニル)|間質性肺疾患に伴う肺高血圧症(適応拡大)

米ユナイテッド・セラピューティクスから導入したプロスタグランジンI2誘導体。9月に適応拡大の承認を取得。

 

武田薬品工業(25年3月期2Q、10月31日発表)

承認

【中国】ボンベンディ(一般名・ボニコグ アルファ)|フォン・ヴィレブランド病

遺伝子組換えヒトvon Willebrand因子製剤。8月に中国で承認。

 

【欧州】アジンマ(アパダムターゼ アルファ/シナキサダムターゼ アルファ)|先天性血栓性血小板減少性紫斑病

遺伝子組換えヒトADAMTS13製剤。8月に欧州で承認。日本では今年5月に承認されている。欧米では、免疫性血栓性血小板減少性紫斑病を対象としたP2b試験も進行中。

 

【日本】スパイクバックス|新型コロナウイルス感染症の予防

新型コロナに対する組み換えタンパクワクチン。オミクロン株JN.1対応のワクチンが9月に日本で承認。

 

【日本】フリュザクラ(フルキンチニブ)|大腸がん

中国のハッチメッドから導入したVEGFR阻害薬。がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんの適応で9月に日本で承認。米国では昨年11月、欧州では今年6月に承認済み。

 

申請

【日本】HYQVIA|慢性炎症性脱髄性多発根神経炎・多巣性運動ニューロパチー

皮下注用人免疫グロブリンと遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼの組み合わせ製剤。8月に日本で2つ目の適応を申請。同薬は2月に「無または低ガンマグロブリン血症」で申請を行っている。

 

【米国】TAK-880|原発性免疫不全症候群

IgA低含有の免疫グロブリン10%製剤。3月の欧州に続き、9月に米国で申請。

 

開発中止

TAK-925(danavorexton)|麻酔後の回復(P2)

患者登録の進捗が不良だったため試験を中止。

 

大塚HD(24年12月期3Q、10月31日発表)

承認

【日本】レキサルティ(一般名・ブレクスピプラゾール)|アルツハイマー型認知症に伴うアジテーション(適応拡大)

大塚製薬創製の抗精神病薬。9月に日本で「アルツハイマー型認知症に伴う焦燥感、易刺激性、興奮に起因する、過活動または攻撃的言動」への適応拡大が承認。同適応での医薬品の承認は国内初。米国やカナダなどでも承認されている。

 

【中国】アイクルシグ(ポナチニブ)|慢性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病

BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬。

 

【日本】ルプキネス(ボクロスポリン)|ループス腎炎

米オーリニアから日本と欧州の権利を取得したカルシニューリン阻害薬。9月に日本で承認。米国ではオーリニアが2021年に承認を取得した。

 

P1/2開始

【米国】JNT-517|フェニルケトン尿症

自社由来のSLC6A19阻害薬。P1/2試験を開始。

 

第一三共(25年3月期2Q、10月31日発表)

承認

【中国】エンハーツ(一般名・トラスツズマブ デルクステカン)|胃がん、非小細胞肺がん(適応拡大)

抗HER2抗体薬物複合体(ADC)。HER2陽性胃腺がんまたは胃食道接合部腺がんで8月に、HER2遺伝子変異非小細胞肺がん(2次治療以降)で10月に中国で承認を取得。

 

【日米欧】エンハーツ|化学療法未治療のHER2低発現/HER2超低発現乳がん(適応拡大)

8月に欧州、10月に日本と米国で申請が受理。

 

P3開始

【日米欧亜】エンハーツ|HER2発現胆道がん

HER2陽性胆道がんの1次治療を対象としたP3試験がスタート。

 

【日米欧亜】DS-1062(ダトポタマブ デルクステカン)|EGFR変異非小細胞肺がん

抗TROP2 ADC。EGFR変異非小細胞肺がんの2次治療を対象としたP3試験を開始。

 

【日米欧亜】DS-7300(イフィナタマブ デルクステカン)|進展型小細胞肺がん

抗B7-H3 ADC。進展型小細胞肺がんの2次治療でP3試験開始。

 

P1/2開始

【米国】MK-6070|DLL3発現進行性がん

米メルクと共同開発する抗DLL3三重特異性T細胞エンゲージャー。DLL3発現進行性がん (小細胞肺がん、神経内分泌がん)を対象にP1/2試験開始。

 

開発中止

VN-0200|RSウイルス感染症の予防(P2)

RSウイルスワクチン。初期の目的を達成できず、開発を中止。

 

小野薬品工業(25年3月期2Q、10月31日発表)

申請

【日本】オプジーボ(一般名・ニボルマブ)|肝細胞がん(適応拡大)

抗PD-1抗体。抗CTLA-4抗体「ヤーボイ」(イピリムマブ)との併用で肝細胞がんへの適応拡大を8月に申請。

 

【米国・欧州】DCC-3014(vimseltinib)|腱滑膜巨細胞腫

今年6月の米デシフェラ買収で獲得したCSF-1R阻害薬。7月に欧州、8月に米国で申請が受理された。

 

P1開始

【日本】ONO-7018|非ホジキンリンパ腫・慢性リンパ性白血病

コーディア・セラピューティクスから導入したMALT1阻害薬。日本でP1試験を開始。

 

【日本】ONO-4915|自己免疫疾患

自社創製の抗PD-1/CD19二重特異性抗体。日本でP1試験を開始。

 

開発中止

【日本】ONO-2910|糖尿病性多発神経障害(P2)

シュワン細胞分化促進薬。期待された有効性が確認できなかったため開発を中止。

 

協和キリン(24年12月期3Q、10月31日発表)

P3開始

【グローバル】KHK4083(一般名・rocatinlimab)|結節性痒疹

自社創製の抗OX40抗体。アトピー性皮膚炎に続き、結節性痒疹を対象としたグローバルP3試験を開始。

 

申請取り下げ

【日本】ルミセフ(ブロダルマブ)|全身性強皮症

抗IL-17受容体A抗体。21年12月に全身性強皮症への適応拡大を申請したが、実施した臨床試験データではPMDA(医薬品医療機器総合機構)からの指摘に十分回答するのが難しく、承認取得は困難と判断。10月に申請を取り下げた。

 

日本たばこ産業(24年12月期3Q、10月31日発表)

P1開始

【日本】JTV-261|血栓症

自社創製のPLD1/2阻害薬。

 

【海外】JTV-262|神経変性疾患

自社創製のNLRP3阻害薬。

 

【海外】JTV-263|末梢動脈疾患

自社創製のH-PGDS阻害薬。

 

アステラス製薬(25年3月期2Q、10月30日発表)

承認

【日本・欧州】パドセブ(一般名・エンホルツマブ ベドチン)|尿路上皮がん1次治療(適応拡大)

米ファイザーと共同開発する抗ネクチン-4抗体薬物複合体。尿路上皮がんに対する1次治療(抗PD-1抗体ペムブロリズマブとの併用療法)が、8月に欧州、9月に日本で承認。同適応は、米国で23年12月に承認されている。

 

【中国】パドセブ|白金製剤およびPD-1/PD-L1阻害剤による治療歴のある転移性尿路上皮がん

8月に中国で承認。中国ではペムブロリズマブ併用の1次治療の適応でも今年3月に申請を行った。

 

【米国・欧州】ビロイ(ゾルベツキシマブ)|胃腺がんおよび食道胃接合部腺がん

抗Claudin18.2抗体。Claudin18.2陽性・HER2陰性の切除不能な局所進行性・転移性胃腺がんおよび食道胃接合部腺がん1次治療を対象に、9月に欧州、10月に米国で承認を取得。日本では今年3月に世界に先駆けて承認された。

 

【欧州】ミラベグロン|小児の神経因性排尿筋過活動(適応拡大)

日本では「ベタニス」の製品名で販売されているβ3受容体作動薬。8月に欧州で3歳以上18歳未満の小児の神経因性排尿筋過活動への適応拡大が承認。

 

【中国】ペフィシチニブ|関節リウマチ

JAK阻害薬。7月に中国で承認。日本では「スマイラフ」の製品名で関節リウマチ治療薬として販売されている。

 

申請取り下げ

【欧州】IZERVAY(avacincaptad pegol)|地図上萎縮を伴う加齢黄斑変性

米アイベリック・バイオ買収で獲得した補体C5阻害薬。EMA(欧州医薬品庁)の欧州医薬品委員会(CHMP)との議論に基づき、申請を取り下げた。アステラスはEU各国で個別に承認申請を行うことも含め、対応を検討している。

 

塩野義製薬(25年3月期2Q、10月28日発表)

申請

【日本】ズラノロン|うつ病・うつ状態

米セージ・セラピューティクスから導入したGABAA受容体ポジティブアロステリックモジュレータ。9月に日本で申請した。塩野義は日本、台湾、韓国での開発・販売権を持つ。米国では成人の産後うつ治療薬として23年8月に承認を取得している。

 

【中国】セフィデロコル|グラム陰性菌感染症

自社創製の抗菌薬。8月に中国で申請。米国では「Fetroja」、欧州では「Fetcroja」、日本では「フェトロージャ」の製品名で承認済み。

 

P1開始

【米国】S-740792|多発性硬化症に伴う歩行障害

自社創製の新規メカニズムの経口薬。詳しい作用機序は開示していない。多発性硬化症に伴う歩行障害を対象に米国でP1試験を開始。

 

【日本】S-606001|ポンペ病

米Maze Therapeuticsから全世界での開発・製造・販売権を取得したポンペ病治療薬候補。日本でP1試験を開始。グリコーゲン合成酵素(GYS1)を阻害する作用を持つ。

 

中外製薬(24年12月期3Q、10月25日発表)

承認

【日本】アレセンサ(一般名・アレクチニブ)|非小細胞肺がんアジュバント(適応拡大)

自社創製のALK阻害薬。8月に日本で術後補助療法への適応拡大が承認。

 

【日本】エブリスディ(リスジプラム)|未発症の脊髄性筋萎縮症(適応拡大)

スイス・ロシュから導入したSMN2スプライシング修飾薬。9月に「遺伝子検査により発症が予測される脊髄性筋萎縮症」への適応拡大が承認。

 

【欧州】ピアスカイ(クロバリマブ)|発作性夜間ヘモグロビン尿症

自社創製の抗補体C5リサイクリング抗体。導出先のロシュが9月に欧州で承認を取得。日本では今年3月、米国では6月に承認済み。

 

申請

【日本】RG6356/SRP-9001(delandistrogene moxeparvovec)|デュシェンヌ型筋ジストロフィー

米サレプタ・セラピューティクスが創製し、ロシュと共同開発する遺伝子治療薬。8月に日本で申請。承認されればデュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する国内初の遺伝子治療薬となる。投与対象は「エクソン8および/またはエクソン9を含む欠失変異を有さず、抗AAVrh74抗体が陰性である3~7歳の歩行可能な男児」とすることを目指している。米国では23年6月に承認されている。

 

【日本】バビースモ(ファリシマブ)|網膜色素線条(適応拡大)

ロシュから導入した抗VEGF/Ang-2バイスペシフィック抗体。9月に血管新生を伴う網膜色素線条への適応拡大を申請。

 

P3開始

【日本】RG6330(divarasib)|非小細胞肺がん

ロシュから導入したKRAS G12C阻害薬。10月に日本も参加する国際共同P3試験がスタート。

 

P1開始

【グローバル】BRY10|慢性疾患

自社創製の抗体医薬。慢性疾患を対象に9月に臨床開発を開始。

 

開発中止

【グローバル】SPYK04|固形がん(P1)

自社創製のRAF-MET分子糊(モレキュラーグルー)。自社開発を中止し、導出活動を開始。

 

【日本】RG6139(tobemstomig)|固形がん(P1)

ロシュから導入した抗PD-1/LAG-3バイスペシフィック抗体。固形がんを対象にP1試験を進めていたが、開発を中止。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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