大塚、認知症アジテーション薬の開発中止…減損損失1000億円計上
大塚ホールディングス(HD)は5月22日、アルツハイマー型認知症に伴うアジテーションの治療薬「AVP-786」の開発を中止すると発表した。AVP-786は大塚製薬が開発を進めてきたが、今年2月に終了した臨床第3相(P3)試験で主要評価項目を達成できなかった。大塚HDは開発中止に伴い約1000億円の減損損失を計上。24年1~6月期の利益予想を下方修正した。
第一三共、米独にイノベーション拠点…外部提携を推進
第一三共は5月22日、米マサチューセッツ州ケンブリッジと独ミュンヘンに研究イノベーション拠点を開設したと発表した。今年9月までに人員を配置し、本格的な活動を始める予定。外部のパートナーシップやリソースを活用してイノベーションを推進する。他企業や大学、研究機関、スタートアップなどとも提携し、アイデアや技術を取り込むとともに、支援や育成を提供。共同でイノベーションの創出を目指す。
サノフィ、RSウイルス感染症予防薬「ベイフォータス」発売
サノフィは5月22日、RSウイルス感染症予防薬「ベイフォータス筋注」(一般名・ニルセビマブ)を発売したと発表した。アストラゼネカと共同開発した長時間作用型の抗RSウイルス抗体で、1回の投与で流行期間とされる5カ月間、効果を発揮する。グローバルでの契約に基づき、サノフィが商業化を主導し、両社でコ・プロモーションを行う。薬価は50mg0.5mL1筒45万9147円、100mg1mL1筒90万6302円。ピーク時の年間販売金額は179億円を見込む。
中外、PNH治療薬「ピアスカイ」発売
中外製薬は5月22日、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)治療薬「ピアスカイ注」(クロバリマブ)を発売したと発表した。同薬は抗補体C5抗体としては国内初の皮下投与製剤。独自のリサイクリング抗体技術を適用し、抗原に繰り返し結合できるようにすることで4週1回の投与を実現した。同技術を適用した薬剤は視神経脊髄炎スペクトラム障害治療薬「エンスプリング」に続いて2剤目。薬価は340mg2mL1瓶197万8062円。ピーク時に105億円の販売を予想している。
ファイザー、多発性骨髄腫治療薬「エルレフィオ」発売…抗BCMA/CD3二重特異性抗体
ファイザーは5月22日、多発性骨髄腫治療薬「エルレフィオ皮下注」(エルラナタマブ)を発売したと発表した。同薬は、BCMAとCD3に結合する二重特異性抗体。免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬、抗CD38抗体の3クラスでそれぞれ少なくとも1剤ずつが無効となった患者を対象に行った国際共同P2試験で有効性が示された。薬価は44mg1.1mL1瓶55万8501円、76mg1.9mL1瓶95万7222円。ピーク時に165億円の売り上げを見込む。
日本新薬、高リスクAML治療薬「ビキセオス」発売
日本新薬は5月22日、高リスク急性骨髄性白血病(AML)治療薬「ビキセオス配合静注用」(ダウノルビシン塩酸塩/シタラビン)を発売したと発表した。AMLの標準治療薬であるシタラビンとダウノルビシンを、抗腫瘍効果が相乗的に最も高くなる比率で配合したリポソーム製剤。薬価は144mg1瓶87万7877円で、ピーク時の予想販売金額は20億円。
MeijiSeikaファルマ、慢性GVHD治療薬「レズロック」発売
MeijiSeikaファルマは5月22日、造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(GVHD)治療薬「レズロック錠」(ベルモスジルメシル酸塩)を発売したと発表した。同薬は免疫細胞の分化と組織の線維化に関与するROCK2を選択的に阻害する薬剤。薬価は200mg1錠3万525.90円で、ピーク時の予測売上高は22億円。
ノバルティス「エンレスト粒状錠小児用」発売
ノバルティスファーマは5月22日、小児慢性心不全治療薬「エンレスト粒状錠小児用」(サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)を発売したと発表した。小児でも飲みやすい小さな粒状の錠剤で、水で服用するだけでなく、食べ物に混ぜて服用することもできる。12.5mgと31.25mgの2用量を用意し、体重に応じた用量の調整も簡便にした。薬価は12.5mg1個21.40円、31.25mg1個45.10円。ピーク時に年間3800万円の販売を予想する。
参天「アレジオンクリーム」発売
参天製薬は5月22日、アレルギー性結膜炎治療薬「アレジオン眼瞼クリーム」(エピナスチン塩酸塩)を発売したと発表した。1日1回、上下の眼瞼に塗布する薬剤。情報提供活動は田辺三菱製薬と共同で行い、参天は眼科を、田辺三菱はそれ以外の医療機関を担当する。薬価は0.5%1g1686.70円。
エーザイ「メトジェクト」ペン型自動注入器注射剤を発売
エーザイは5月22日、抗リウマチ薬「メトジェクト皮下注」(メトトレキサート)のペン型自動注入器注射剤を発売したと発表した。独メダックとのライセンス契約に基づき、製造販売承認は日本メダックが保有し、エーザイが販売する。薬価は7.5mg0.15mL1キット1938円、10mg0.2mL1キット2310円、12.5mg0.25mL1キット2652円、15mg0.3mL1キット2972円。
田辺三菱「カナグルOD」発売
田辺三菱製薬は5月22日、SGLT2阻害薬「カナグル」(カナグリフロジン水和物)のOD錠を発売したと発表した。利便性の向上と服薬継続を期待する。同社はDPP-4阻害薬「テネリア」との配合剤「カナリア」でもOD錠を申請している。
ヤンセン、多発性骨髄腫治療薬テクリスタマブを申請
ヤンセンファーマは5月22日、抗BCMA/CD3二重特異性抗体テクリスタマブを申請したと発表した。適応は「再発または難治性の多発性骨髄腫」。腫瘍細胞のBCMAとT細胞のCD3に結合し、腫瘍細胞にT細胞を誘導することで効果を発揮する。海外では2022年8月に欧州で、同年10月に米国で承認されている。