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国内医療用医薬品市場 23年度は3.7%増の11.37兆円…3年連続で過去最高|トピックス

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AnswersNews編集部

IQVIAは5月21日、2023年度(23年4月~24年3月)の国内医療用医薬品市場(薬価ベース)が前年度比3.7%増の11兆3708億だったと発表した。3年連続で過去最高を更新し、会計年度としては初めて11兆円を上回った。製品別の売上高ランキングでは、MSDの免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」が3年ぶりにトップとなった。

 

抗腫瘍剤 2兆円目前

市場の内訳は、▽病院(100床以上)5兆3306億円(前年度比4.6%増)▽開業医(100床未満)2兆1149億円(2.0%増)▽薬局その他3兆9252億円(3.3%増)――。病院と薬局その他は22年度の成長率を上回った一方、開業医は下回った。

 

 

薬効別では「抗腫瘍剤」が1兆9594億円でトップ。前年度から9.8%増加し、2兆円に迫った。2位は「糖尿病治療剤」(7238億円、7.1%増)、3位は「免疫抑制剤」(6214億円、8.6%増)。糖尿病治療剤では慢性腎臓病に適応拡大したSGLT2阻害薬や経口GLP-1受容体作動薬が伸び、免疫抑制剤はアトピー性皮膚炎治療薬の小児への対象拡大が追い風となった。

 

4位の「全身性抗ウイルス剤」は、新型コロナウイルス感染症の市場拡大に加えてインフルエンザ治療薬が伸び、48.6%増と大幅に増加。一方、「診断用検査試薬」は新型コロナの感染症法上の分類が5類に変更されたことで20.8%減少した。05年の統計データ発表開始以来、毎年ランクインしていた「レニン-アンジオテンシン系作用薬」はトップ10圏外となった。

 

 

24年1~3月の市場は前年同期比3.4%増の2兆6801億円。四半期ベースでは22年1~3月以降、プラス成長が続いている。

 

デュピクセントなど新たにトップ10入り

製品別売上高(薬価ベース)では、昨年度まで2年連続2位のキイトルーダが1649億円(22.5%増)でトップ。2年連続首位だった小野薬品工業の免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」(1645億円、3.5%増)と入れ替わった。3位はMSDの新型コロナ治療薬「ラゲブリオ」(1487億円、116.4%増)だった。

 

 

新たにトップ10入りしたのは4製品で、ラゲブリオのほか、5位の免疫チェックポイント阻害薬「イミフィンジ」(アストラゼネカ)、9位のSGLT2阻害薬「フォシーガ」(アストラゼネカ/小野薬品工業)、10位の抗IL-4/13受容体抗体「デュピクセント」(サノフィ)がランクイン。イミフィンジは22年12月の胆道がんと肝細胞がんへの適応拡大で前年度から116.0%売り上げが増加した。

 

売上高が1000億円を超えたのは7製品で、前年度から1製品増えた。

 

24年1~3月の製品売上高は、キイトルーダが408億円(15.8%増)でトップ。2位はラゲブリオ(395億円、110.1%増)、3位はオプジーボ(381億円、4.2%減)だった。

 

中外が3年連続首位、2位にアストラゼネカ浮上

企業別の売上高ランキングでは、販促会社レベル(MRによる情報提供活動を通じて販促活動を行っている企業)で中外製薬が3年連続の首位。売上高は5399億円で、前年度から1.4%増加した。2位には、前年度3位だったアストラゼネカ(5132億円、12.6%増)が浮上。3位は4972億円(30.2%増)のMSDで、キイトルーダやラゲブリオの拡大でによって前年度6位から順位を上げた。

 

販売会社レベル(卸に製品を販売し、その代金を回収する機能を持つ企業)のランキングでは、武田薬品工業がトップ。2位は第一三共、3位は中外で、上位3社は前年度と同じだった。4位には前年度から順位を1つ上げたMSDが入った。

 

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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