国内製薬各社の2024年3月期第2四半期、24年2月期第2四半期、23年12月期第3四半期の決算発表から、主な新薬開発パイプラインの動きをピックアップ。随時更新(最終更新11月14日)。
INDEX
- 日本新薬(24年3月期2Q、11月13日発表)
- 明治HD(24年3月期2Q、11月9日発表)
- 科研製薬(24年3月期2Q、11月8日発表)
- エーザイ(24年3月期2Q、11月7日発表)
- 参天製薬(24年3月期2Q、11月7日発表)
- 旭化成(24年3月期2Q、11月7日発表)
- キッセイ薬品工業(24年3月期2Q、11月6日発表)
- 持田製薬(24年3月期2Q、11月2日発表)
- アステラス製薬(24年3月期2Q、11月1日発表)
- 小野薬品工業(24年3月期2Q、11月1日発表)
- 田辺三菱製薬(24年3月期2Q、11月1日発表)
- 協和キリン(23年12月期3Q、11月1日発表)
- 大塚HD(23年12月期3Q、10月31日発表)
- 第一三共(23年12月期3Q、10月31日発表)
- 塩野義製薬(23年12月期3Q、10月31日発表)
- 住友ファーマ(23年12月期3Q、10月31日発表)
- JT(23年12月期3Q、10月31日発表)
- 武田薬品工業(24年3月期2Q、10月26日発表)
- 中外製薬(23年12月期3Q、10月24日発表)
日本新薬(24年3月期2Q、11月13日発表)
P1開始
【日本】NS-863|循環器代謝疾患
自社創製の新薬候補。8月にP1試験を開始。
明治HD(24年3月期2Q、11月9日発表)
承認
【日本】クイントバック|百日せき菌、ジフテリア菌、破傷風菌、ポリオウイルス、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型による感染症の予防
4種混合ワクチン「クアトロバック」にHibの抗原成分を加えた5種混合ワクチン。KMバイオロジクスが開発した。
科研製薬(24年3月期2Q、11月8日発表)
P1開始
【米国】KP-001|難治性脈管奇形
買収したアーサム・セラピューティクスから開発を引き継いだホスファチジルイノシトール3-キナーゼα(PI3Kα)阻害薬。日本でP3試験を進めているが、新たに米国でP1試験を開始。
エーザイ(24年3月期2Q、11月7日発表)
承認
【日本】レケンビ(一般名・レカネマブ)|早期アルツハイマー病
米バイオジェンと共同開発している抗アミロイドβプロトフィブリル抗体。「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」の適応で9月に日本で承認。
試験中止・開発中止
【日米欧中】レンビマ(レンバチニブ)|頭頸部がん(P3)
頭頸部がんのファーストラインを対象に抗PD-1抗体「キイトルーダ」(ペムブロリズマブ)との併用療法を評価したP3試験を中止。中間解析の結果、主要評価項目を達成する可能性は低いと判断した。
【日米欧中】レンビマ|非小細胞肺がん(P3)
転移性非小細胞肺がんのファーストラインを対象にキイトルーダ、化学療法との併用療法を評価したP3試験で主要評価項目未達。パイプラインから削除。
【日米欧】レンビマ|非小細胞肺がん(P3)
転移性非小細胞肺がんのセカンドラインを対象にキイトルーダとの併用療法を評価したP3試験で主要評価項目を達成できず、パイプラインから削除。
参天製薬(24年3月期2Q、11月7日発表)
P1開始
【中国】STN1013400|近視
独ベーリンガーインゲルハイムから導入した選択的ムスカリンM2受容体拮抗薬。中国で8月にP1試験を開始。日本では今年5月からP2a試験を実施中。
旭化成(24年3月期2Q、11月7日発表)
申請
【日本】クレセンバ(一般名・イサブコナゾニウム硫酸塩)|剤形追加
バシリア・ファーマシューティカ・インターナショナル(スイス)から導入した抗真菌薬。従来の100mgカプセルに加え、40mgカプセルを申請。
キッセイ薬品工業(24年3月期2Q、11月6日発表)
承認
【日本】コルスバ(一般名・ジフェリケファリン)|血液透析患者におけるそう痒症の改善
米カラセラピューティクスが創製したκオピオイド受容体作動薬。導入した丸石製薬と共同開発し、同社が9月に承認を取得。キッセイは販売を担当する。
申請取り下げ
【日本】ロバチレリン|脊髄小脳変性症
塩野義製薬から導入した甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン誘導体。2本のP3試験と併合解析の結果をもとに21年12月に申請したが、PMDA(医薬品医療機器総合機構)から「現状の臨床試験データでの承認は困難」との見解が示された。追加の臨床試験の実施可能性を検討している。
持田製薬(24年3月期2Q、11月2日発表)
申請
【日本】ダリドレキサント塩酸塩|不眠症
そーせいグループ子会社となったイドルシア ファーマシューティカルズ ジャパンと共同開発するデュアルオレキシン受容体拮抗薬。不眠症治療薬として10月にイドルシアが申請。
アステラス製薬(24年3月期2Q、11月1日発表)
申請
【欧州】イクスタンジ(一般名・エンザルタミド)|非転移性去勢感受性前立腺がん(適応拡大)
米ファイザーと共同開発・商業化する経口アンドロゲン受容体阻害薬。生化学的再発のリスクが高い非転移性去勢感受性前立腺がんへの適応拡大の申請が9月に欧州で受理。米国でも8月に申請が受理されており、審査終了目標日は23年第4四半期(10~12月)に設定された。
【中国】イクスタンジ|転移性ホルモン感受性前立腺がん(適応拡大)
9月に中国の規制当局が適応追加の申請を受理した。
P1開始
ASP1012|がん
レプチン-IL-2遺伝子を搭載した腫瘍溶解性ウイルス。がんを対象にP1試験を開始。
開発中止
【欧州】ベットミガ(ミラベグロン)|小児の過活動膀胱(P3)
試験実施上の課題により開発を中止。
ASP8062|アルコール使用障害(P1)
GABAB受容体陽性アロステリック修飾物質。P1試験の段階にあった開発を中止した。
小野薬品工業(24年3月期2Q、11月1日発表)
P3開始
【日本】ONO-7121|結腸・直腸がん
抗PD-1抗体「オプジーボ」(一般名・ニボルマブ)と抗LAG-3抗体relatlimabの配合剤。日本と韓国、台湾でP3試験を開始。
P1開始
【日本】ONO-7475(一般名・tamnorzatinib)|膵がん
自社創製のAxl/Mer阻害薬。オプジーボとの併用で膵がんを対象としたP1試験を国内で開始。
【日本】ONO-4685|T細胞リンパ腫
自社創製したPD-1とCD3に対する二重特異性抗体。米国に続き、日本でもT細胞リンパ腫を対象としたP1試験を開始。
開発中止
【日本】オプジーボ|前立腺がん(P3)
有効性が確認できなかったため開発を中止。
【日本】ONO-7913|急性骨髄性白血病(P3)
米ギリアド・サイエンシズから導入した抗CD47抗体。TP53変異陽性急性骨髄性白血病を対象とした国際共同P3試験に参加していたが、有効性が確認できなかったため開発を中止。
【日本】ONO-4686|固形がん(P1/2)
米ブリストル・マイヤーズスクイブと共同開発する抗TIGIT抗体。固形がんを対象にオプジーボとの併用療法するP1/2試験(ブリストル主導)に参加していたが、戦略上の理由から開発を中止。
【日本】ONO-7913|骨髄異形成症候群(P1)
同じ患者集団を対象にギリアドが行った海外P3試験が無益性中止となったことを受け、開発を中止した。
【日欧】ONO-7684|血栓症(P1)
自社創製のFXIa阻害薬。戦略上の理由で開発を中止。
田辺三菱製薬(24年3月期2Q、11月1日発表)
申請
【グローバル】ND0612(一般名・レボドパ/カルビドパ)|パーキンソン病
レボドパとカルビドパの持続皮下注射製剤。2017年に子会社化したニューロダームの開発品。24時間持続投与ができる皮下投与デバイスと組み合わせることで、安定したレボドパ血漿中濃度を維持し、運動症状の日内変動を減少させることが期待される。10月に申請した。
P3開始
【日本】MT-2111|再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫
スイスのADCセラピューティクスから導入した抗CD19抗体薬物複合体。単剤療法でP1/2試験を行っているが、新たにリツキシマブとの併用療法を評価する国際共同P3試験に参加した。
協和キリン(23年12月期3Q、11月1日発表)
承認
【日本】フォゼベル(一般名・テナパノル塩酸塩)|高リン血症
米アーデリックスから導入したリン吸収阻害薬。腸管でナトリウムイオン/プロトン交換輸送体3(NHE3)を阻害することで、リン吸収を抑制する作用を持つ。「透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善」の適応で9月に承認。
【日本】ルミセフ(プロダルマブ)|掌蹠膿疱症(適応拡大)
抗IL-17受容体A抗体。8月に承認された。全身性強皮症への適応拡大も申請中。
【日本】ロミプレート(ロミプロスチム)|免疫抑制療法未治療の再生不良性貧血(適応拡大)
トロンボポエチン受容体作動薬。9月に承認。従来は既存治療で効果不十分な患者が対象だったが、未治療の患者にも使用できるようになった。
申請
【日本】ジーラスタ(ペグフィルグラスチム)|自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員(適応拡大)
持続型G-CSF製剤。7月に申請。ドナー由来の「同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員」の適応では昨年2月に承認を取得している。
開発中止
【日本】アコアラン(アンチトロンビン ガンマ)|妊娠高血圧腎症(P3)
遺伝子組換えアンチトロンビン製剤。妊娠高血圧腎症への適応拡大に向けた国内P3試験で主要評価項目を達成できず、開発を中止した。
大塚HD(23年12月期3Q、10月31日発表)
承認
【欧州】INAQOVI(一般名・decitabine/cedazuridine)|急性骨髄性白血病
DNAメチル化阻害薬decitabineに、経口投与時の分解を抑制する代謝酵素阻害薬cedazuridineを組み合わせた世界初の経口DNAメチル化阻害配合剤。9月に欧州で承認を取得。米国とカナダでは20年に骨髄異形成症候群と慢性骨髄単球性白血病の適応で承認を取得している。
【欧州】リトゴビ(フチバチニブ)|胆管がん
大鵬薬品工業が創製したFGFR阻害薬。「全身療法後に進行したFGFR2融合または再構成を伴う局所進行・転移性胆管がん」の適応で7月に欧州で条件付き承認を取得。米国では22年9月、日本では今年6月に承認されている。
申請
【日本】レキサルティ(ブレクスピプラゾール)|アルツハイマー型認知症に伴うアジテーション(適応拡大)
大塚製薬創製のD2・5-HT1Aパーシャルアゴニスト/5-HT2Aアンタゴニスト。日本で10月に適応拡大を申請した。米国では今年5月に承認。
試験中止・開発中止
【日米】SEP-4199|双極性I型障害うつ(P3)
大塚製薬が住友ファーマと共同開発している5-HT7・D2アンタゴニスト。リクルートの大幅な遅れにより、P3試験を中止。
【米国】ASTX660(tolinapant)|固形がん、リンパ腫(P2)
大塚製薬子会社の英アステックスが創製したIAP阻害薬。開発戦略上の理由で開発を中止した。
【米欧】TAS3681|前立腺がん(P1)
開発戦略上の理由で開発を中止。
【米国】ASTX660(tolinapant)+ASTX727(decitabine/cedazuridine)|急性骨髄性白血病(P1)
開発戦略上の理由で開発を中止。
第一三共(24年3月期2Q、10月31日発表)
承認
【日欧】エンハーツ(一般名・トラスツズマブ デルクステカン)|HER2遺伝子変異非小細胞肺がん(適応拡大)
自社創製の抗HER2抗体薬物複合体(ADC)。HER2遺伝子変異を有する非小細胞肺がんに対する2次治療への適応拡大が8月に日本で、10月に欧州で承認。
【日本】ダイチロナ|新型コロナウイルス感染症の予防
新型コロナウイルスの起源株に対する1価mRNAワクチン。日本企業が開発した初の新型コロナワクチンとして、成人の追加免疫を対象に8月に承認を取得。冷蔵(2~8度)での流通・保管が可能なのが特徴。起源株1価ワクチンは現在使われておらず、供給は行われていない。
申請
【日本】DS-5676|新型コロナウイルス感染症の予防
新型コロナウイルスのオミクロン株XBB.1.5に対する1価mRNAワクチン。9月に申請した。年内の供給開始を目指している。
P1開始
【日米】DS-3939|固形がん
抗TA-MUC1 ADC。固形がんを対象としたP1/2試験を日本と米国で9月に開始。
【日本】DS-1471|固形がん
抗CD147抗体。9月に日本で固形がん対象のP1試験を開始。
塩野義製薬(24年3月期2Q、10月31日発表)
P1開始
【米国】S-743229(xeruborbactam)|腎盂腎炎を含む複雑性尿路感染症
今年買収した米キューペックス・バイオファーマが創製した新規βラクタマーゼ阻害薬xeruborbactamとセフェム系抗菌薬セフチブテンを組み合わせた経口薬。米国でP1試験を開始。
住友ファーマ(24年3月期2Q、10月31日発表)
試験中止
【日米】SEP-4199|双極性I型障害うつ(P3)
大塚製薬と共同開発しているアミスルプリド鏡像異性体の非ラセミ混合物。日本と米国でP3試験を進めていたが、リクルートが大幅に遅れたため中止。パイプラインから削除し、開発方針を検討している。
JT(23年12月期3Q、10月31日発表)
申請
【日本】JTE-061(一般名・タピナロフ)|アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬
デルマバント・サイエンシズ(スイス)から導入したアリル炭化水素受容体モジュレーターのクリーム剤。9月にアトピー性皮膚炎(12歳以上)と尋常性乾癬の適応で申請。米国では2022年5月に尋常性感染治療薬として承認されている。
P3開始
【日本】JTE-061|小児アトピー性皮膚炎(適応拡大)
2歳以上12歳未満を対象としたP3試験を開始。
武田薬品工業(24年3月期2Q、10月26日発表)
承認
【米国】エンタイビオ皮下注(一般名・ベドリズマブ)|潰瘍性大腸炎(新剤形)
抗α4β7インテグリン抗体。皮下注製剤が「点滴静注剤による寛解導入療法後の成人の中等症から重症の潰瘍性大腸炎に対する維持療法」の適応で9月に米国で承認。米国ではクローン病の適応でも今年9月に申請した。
【日本】エンタイビオ皮下注|クローン病(適応拡大)
「中等症から重症の活動期クローン病の維持療法」への適応拡大が9月に承認。日本では潰瘍性大腸炎に対する維持療法の適応で今年3月に承認を取得し、6月から販売している。
【日本】キュービトル(pH4処理酸性人免疫グロブリン)|無または低ガンマグロブリン血症
ヒト免疫グロブリンを20%含有する皮下注用人免疫グロブリン製剤。2歳以上の患者を対象に9月に承認。無または低ガンマグロブリン血症は、原発性免疫不全症や続発性免疫不全症により抗体がないまたは低い状態で、重篤な感染症の再発リスクが増加する疾患。
【欧州】アドセトリス(ブレンツキシマブ ベドチン)|ステージIIIホジキンリンパ腫フロントライン(適応拡大)
10月に承認。ADV療法(ドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)と併用する。
申請
【日本】TAK-755(apadamtase alfa/cinaxadamtase alfa)|先天性血栓性血小板減少性紫斑病
遺伝子組換えADAMTS13製剤。血栓性血小板減少性紫斑病は、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)による血小板の接着・凝集に関連した、致死的で稀な血栓性微小血管症の1種。VWFを切断する酵素ADAMTS13の欠乏が原因で、TAK-755はこれを補充することで効果を示す。
【米国】エンタイビオ皮下注|クローン病(適応拡大)
【米国】TAK-721(budesonide)|好酸球性食道炎
ブデソニドの経口懸濁液。最初の申請に対する審査完了報告通知で米FDA(食品医薬品局)から指摘された事項に対応し、9月に申請を再提出した。
【日本】TAK-113(fruquintinib)|転移性大腸がん
香港のHUTCHMEDから導入した、VEGFR1/2/3に選択性を持つ経口チロシンキナーゼ阻害薬。前治療歴を有する転移性大腸がんの適応で9月に申請。欧米でも申請中。
開発中止
【グローバル】「EXKIVITY」(mobocertinib)|非小細胞肺がん(P3)
EGFRエクソン20挿入変異を有する非小細胞肺がんのフロントラインを対象とする検証試験を「主要評価項目を達成する見込みがない」として中止したことを受け、開発を中止。迅速承認を取得した米国では販売を中止しており、承認済みのほかの国でも取り下げに向けて規制当局と協議を進めている。
TAK-920/DNL919|アルツハイマー病(P1)
脳内移行性を有するTREM2アゴニスト抗体。P1試験のデータやアルツハイマー病治療薬の開発状況を踏まえ、開発を中止。
TAK-611|異染色性白質ジストロフィー(P2)
酵素製剤。P2試験で主要評価項目・副次評価項目を達成できなかった。
中外製薬(23年12月期3Q、10月24日発表)
承認
【日本】フェスゴ(一般名・ペルツズマブ/トラスツズマ)|HER2陽性乳がん、大腸がん
抗HER2抗体「ハーセプチン」と同「パージェタ」の固定用量配合皮下注。ヒアルロン酸分解酵素ボルヒアルロニダーゼ アルファを配合することで皮下注化を実現した。静脈注射では投与時間が60~150分なのに対し、5~8分以上で済むとされる。適応は「HER2陽性乳がん」と「がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」。
【日本】リツキサン(リツキシマブ)|ループス腎炎(適応拡大)
抗CD20抗体。「既存治療で効果不十分なループス腎炎」に適応拡大。厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で公知申請に該当すると評価され、今年3月に申請していた。
【日本】アクテムラ(トシリズマブ)|がん治療に伴うサイトカイン放出症候群(適応拡大)
自社創製の抗IL-6受容体抗体。2019年には腫瘍特異的T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群の適応で承認を取得している。
P3開始
【日本】RG6058(チラゴルマブ)|肝細胞がん(1次治療)
抗TIGIT抗体。抗PD-L1抗体「テセントリク」(アテゾリズマブ)と抗VEGF抗体「アバスチン」(ベバシズマブ)との併用で、肝細胞がんの1次治療を対象とするP3試験を10月に開始した。
【日本】ガザイバ(オビヌツマブ)|腎症を伴わないSLE(適応拡大)
日本新薬と共同開発・販売する糖鎖改変型タイプII抗CD20抗体。10月に腎症を伴わない全身性エリテマトーデス(SLE)を対象としたP3試験を開始した。ガザイバのB細胞障害作用による疾患活動性の抑制を期待している。SLEの合併症であるループス腎炎では22年からP3試験を実施中。
【グローバル】エンスプリング(サトラリズマブ)|甲状腺眼症(適応拡大)
自社創製のpH依存的結合性抗IL-6受容体抗体。視神経脊髄炎スペクトラム障害治療薬として各国で承認されているが、甲状腺眼症への適応拡大に向けてグローバルP3試験を開始した。IL-6の遮断により、炎症反応や脂肪増生、線維化を抑制し、眼症状の改善を期待する。
P1開始
【日本】RG6139(tobemstomig)|固形がん
腫瘍浸潤リンパ球を優先的に標的とする抗PD-1/LAG-3バイスペシフィック抗体。2つの共抑制性チェックポイント受容体を阻害することでT細胞を再活性化させる作用を持つ。8月にP1試験を開始した。
開発中止
【日本】RG7906(ralmitaront)|統合失調症(P2)
パーシャルTAAR1アゴニスト。主要評価項目を達成する可能性が低いとして今年5月にグローバルP2試験が終了。国内開発も中止した。
【日本】RG7802(cibisatamab)|固形がん(P1)
抗CEA/CD3バイスペシフィック抗体。開発活動を一時停止した。
申請取り下げ
【欧州】アクテムラ|全身性強皮症に伴う間質性肺疾患
ベネフィットがリスクを上回らないとする欧州医薬品委員会(CHMP)の見解を踏まえ、申請を取り下げた。