アステラス、抗体薬物複合免疫賦活薬の創製で米社と戦略提携
アステラス製薬は6月28日、米ストゥロ・バイオファーマと抗体薬物複合免疫賦活薬(iADC)の研究開発で提携すると発表した。共同研究・開発に関する戦略的提携と全世界を対象とするライセンス契約を結んだ。前臨床研究までをストゥロが、その後の臨床開発をアステラスが担当し、3つの異なる標的に対するiADCの創製を目指す。アステラスは契約一時金9000万ドル(約122億円)を支払うほか、製品ごとに最大4億2250万ドルの開発・商業化マイルストンと売上高に応じたロイヤリティを支払う可能性がある。ストゥロは米国で共同開発・商業化するオプションを持つ。iADCは、免疫を活性化する免疫賦活薬とがん細胞を直接傷害する抗がん剤を結合させたモダリティ。既存の免疫チェックポイント阻害薬で効果が得られない患者らへの治療選択肢として期待されるという。
スコヒアファーマ、眼・皮膚領域で自社創製のNrf2活性化薬を米社に導出
スコヒアファーマ(神奈川県藤沢市)は6月27日、自社創製のNrf2活性化薬「SCO-116」について、眼科・皮膚科領域を対象とした局所投与製剤の全世界での開発・製造・商業化権を米Kuria Therapeuticsに供与するライセンス契約を結んだと発表した。対価としてスコヒアは契約一時金のほか、最大6700万ドル(約91億円)の開発・販売マイルストンと売上高に応じたロイヤリティを受け取る可能性がある。Nrf2の活性化は、酸化ストレスや炎症に関わる疾患への有効性が示唆されている。眼・皮膚疾患以外の局所製剤や全身性製剤の権利は引き続きスコヒアが持つ。
日本化薬、ソレイジアと資本提携
日本化薬は6月28日、ソレイジア・ファーマと資本提携すると発表した。ソレイジアが行う第三者割当増資を引き受け、同社の発行済み株式数の8.42%を約10億円で取得する。両社は今月20日に承認された抗がん剤「ダルビアス点滴静注用」(一般名・ダリナパルシン)の開発・販売で提携しており、資本提携を通じて協力関係を強化する。日本化薬は、今後ソレイジアが開発する製品の国内販売権や製造受託に関する優先交渉権を獲得する。
GSK、帯状疱疹ワクチン「シングリックス」18歳以上への対象拡大を申請
グラクソ・スミスクライン(GSK)は6月28日、帯状疱疹予防ワクチン「シングリックス筋注用」について、発症リスクの高い18歳以上の成人への接種対象拡大を申請したと発表した。対象は、造血幹細胞移植や腎移植を受けた人や、がんやHIV感染症に罹患している人。免疫力の低下した人は、帯状疱疹や関連合併症のリスクが高くなる。国内では50歳以上を対象に2018年に承認を取得した。
小野、米フェイトとの創薬提携を拡大
小野薬品工業は6月28日、2018年に米フェイト・セラピューティクスと結んだiPS細胞由来CAR-T細胞治療薬に関する創薬提携を拡大すると発表した。従来の契約では、血液がんと固形がんで1つずつCAR-T細胞治療薬を創製することを目指していたが、新たな契約ではCAR-NK細胞療法を選択肢に追加するとともに、固形がんで2つ目の標的を加えた。小野はフェイトに研究資金を提供するほか、開発・販売マイルストン、売上高に応じたロイヤリティを支払う。創製された製品候補の開発・商業化権は全世界で小野が持ち、フェイトは欧米での共同開発・販売オプション権を持つ。
サノフィ、台湾発スタートアップとインスリンのデジタルデバイスを開発
サノフィは6月28日、H2(東京都台東区)とパートナリング契約を結び、糖尿病のデジタルサポートプログラムの開発を進めると発表した。H2は、慢性疾患の管理に活用できる健康・生活サポートアプリを開発する台湾発のスタートアップ。インスリン製剤用のコネクテッド・キャップを活用し、用量調節に関するアラート表示機能を備えたデジタルデバイスの開発を進める。
KMバイオとJB「コンファクトF」の高濃度製剤を発売
KMバイオロジクスと日本血液製剤機構(JB)は6月27日、血友病A/フォン・ヴィレブランド病治療薬「コンファクトF静注用」(乾燥濃縮人血液凝固第VIII因子)を発売したと発表した。従来製剤「コンファクトF注射用」に比べて1mLあたりの有効成分含量を2倍にした高濃度製剤。1回あたりの投与量を減らすことで、患者負担の軽減を狙っている。KMバイオが製造し、JBが販売と情報提供・収集活動を担当する。
エーザイ、高齢者の安全運転を支援…イーデザイン損保と業務提携
エーザイは6月28日、東京海上グループのイーデザイン損害保険と、高齢者の安全運転支援に関する業務提携契約を結んだと発表した。イーデザイン損保の自動車保険「&e」を利用する人を対象に、エーザイの脳の健康度のセルフチェックツール「のうKNOW」を提供。運転中の判断力に関わる脳の健康度を日常的に意識するきっかけにしてもらう。脳の健康度の維持・向上を支援するためのトレーニングコンテンツなどの共同開発も目指す。