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医薬品業界「役員報酬1億円」は46人…武田・ウェバー社長は17.6億円

1億円を超えた場合に個別開示が義務付けられている上場企業の役員報酬。AnswersNewsが各社の有価証券報告書を調べたところ、医薬品業界で1億円以上の報酬を得た役員は46人で、前年から1人減少したことが分かりました。最高額は武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長の17億5800万円。開示人数では6人のエーザイがトップでした。

 

上位5人中4人が外国人

上場企業には、年間1億円以上の役員報酬を受けた役員の氏名と報酬額を有価証券報告書で個別に開示することが義務付けられています。今回は、OTCメーカーを含む製薬企業のほか、CROやCSOなどの周辺産業、医薬品卸、薬局チェーンの2018年4月期~19年3月期の有価証券報告書を対象に集計しました。

 

【医薬品業界】1億円以上の報酬を受けた役員46人

 

役員報酬額でトップとなったのは、今年1月にアイルランド・シャイアーの買収を完了した武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長CEO。3年連続の1位で、18年度の報酬額は前年度から5億4100万円増の17億5800万円(基本報酬2億9600万円、賞与6億3800万円、長期インセンティブ8億5100万円)に上りました。先月開かれた同社の株主総会では、過去の企業買収などで巨額の損失が発生した場合、経営陣に役員報酬の返還させる「クローバック条項」を定款に盛り込むよう求める株主提案がなされたものの、否決されました。

 

電撃辞任の日調・三津原氏は7.3億円

2位も同じく武田のアンドリュー・プランプ取締役(7億9500万円、前年度比2億5900万円増)。プランプ氏は同社で研究開発を統括するリサーチ&ディベロップメントプレジデントを務めています。武田からはこのほか、14位に国内事業の責任者であるジャパンファーマビジネスユニットプレジデントの岩崎真人取締役(1億9300万円)もランクインしました。

 

武田の外国人役員2人に続く3位となったのは、先月「一身上の都合により業務執行に支障が出る」として電撃辞任した日本調剤の三津原博前社長(7億2600万円、9400万円減)。4位はテルモのデビット・ペレス元取締役、5位はそーせいグループのピーター・ペインズ前社長CEOで、上位5人のうち4人を外国人が占めました。

 

開示人数トップはエーザイ

今回の集計で役員報酬が1億円を超えた役員は46人で、昨年の集計から1人減少。46人の報酬額は合計111億7200万円で、昨年の100億3000万円から11億4200万円増えました。

 

今年初めて「1億円プレイヤー」のリストに入ったのは、東和薬品の吉田逸郎社長や武田の岩崎取締役、小野薬品工業の相良暁社長、塩野義製薬の澤田拓子副社長ら。エーザイからは、中国子会社社長のヤンホイ・フェン執行役が初めて名を連ねました。

 

新薬メーカー以外の企業が増加

ランキングのほとんどを新薬メーカーの役員が占める中、今年はCRO・CSOやOTCメーカーの役員が増加しました。受託サービスでは、イーピーエスホールディングス(HD)の厳浩会長と、シミックHDの中村和男代表執行役CEOが1億円を突破。OTCメーカーでは、大幸薬品の柴田高社長が初めてリスト入りしたほか、小林製薬の小林一雅会長と小林豊社長も例年通りランクインしました。

 

東京商工リサーチの6月28日時点のまとめによると、19年3月期に1億円以上の役員報酬を得たのは275社564人で前年(240社538人)を上回って過去最多を更新しました。全産業を通じてトップとなったのは、ソフトバンクグループのロナルド・フィッシャー副会長で、報酬額は32億6600万円。10億円を超えたのは8人で、武田のウェバー社長は4位となりました。

 

企業別 役員報酬の開示人数

 

一方、報酬を個別開示した役員の人数を企業別に見ると、最も多かったのはエーザイの6人。武田と大塚HD、中外製薬、塩野義製薬の4社が3人、アステラス製薬や第一三共など6社が2人で続きました。

 

ちなみに、上場企業全体で見てみると、19年3月期の有価証券報告書で個別開示を行った人数が最も多かったのは22人の三菱電機。2位は日立製作所(17人)で、3位はファナック(10人)でした。

 

ウェバー氏 従業員の161倍、16人が20倍以上

役員と従業員の“賃金格差”に目を向けてみると、最も大きかったのは武田のウェバー社長。ウェバー氏の役員報酬17億5800万円を従業員の平均年収1094万円で割ると、格差は160.7倍に及びました。武田の平均年収は前年度から55万円アップしましたが、格差は前年度の117.2倍からさらに広がりました。

 

ウェバー氏に次いで格差が大きかったのは、133倍の日調・三津原前社長。テルモのペレス元取締役は80.1倍、武田のプランプ取締役は72.1倍でした。従業員との格差が20倍を超えたのは16人。最も小さかったイーピーエスHDの厳会長でも10倍の差がありました。

 

役員報酬と従業員平均年収の格差

 

(前田雄樹)

 

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