第一三共、高血圧症治療薬「ミネブロ」発売
第一三共は5月13日、高血圧症治療薬「ミネブロ」(一般名・エサキセレノン)を発売したと発表した。同薬は選択的ミネラルコルチコイド受容体ブロッカーと呼ばれる新規の作用機序を持つ高血圧症治療薬。通常は2.5mgを1日1回投与するが、効果不十分の場合は5mgまで増量できる。薬価は1.25mg錠46.90円、2.5mg錠89.90円、5mg錠134.90円。中央社会保険医療協議会総会の資料によると、ピーク時に112億円の売上高を見込んでいる。
湘南アイパーク、国立がん研究センターとがん創薬支援プラットフォームの設立へ協議
湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)は5月13日、国立がん研究センター先端医療開発センターと、がん創薬支援プラットフォームの設立に向け、協議・検討を進めていくことで覚書を結んだと発表した。プラットフォームは、シーズの開発・同定から早期臨床開発のトランスレーショナルリサーチを産学で連携して行うことを目指しており、広く製薬企業や創薬ベンチャーに開放する考え。
キョーリンHD、荻原常務が社長に昇格―穂川氏は会長に
キョーリン製薬ホールディングス(HD)は5月13日、代表取締役社長に荻原豊・常務取締役経営戦略室長が昇格する人事を発表した。穂川稔社長は代表取締役会長に就く。6月21日の株主総会と取締役会で正式決定する。荻原氏は、青山学院大理工学部卒業後、1990年に杏林製薬入社。2015年キョーリン製薬HD社長室長などを経て、19年4月から現職。51歳。
決算
エーザイ(2019年3月、5月13日発表)
売上高6428億3400万円(前期比7.1%増)、営業利益861億5400万円(11.6%増)。抗がん剤「レンビマ」が前期比194.1%増の626億円と好調。同薬に関する戦略的提携に基づき、米メルクからの一時金、開発マイルストン、販売マイルストン計655億円を計上し、大幅な増収増益となった。20年3月期は、売上高6800億円(5.8%増)、営業利益1030億円(19.6%増)を見込む。
大正製薬ホールディングス(2019年3月期、5月13日発表)
売上高2615億5100万円(前期比6.6%減)、営業利益312億1100万円(15.6%減)。薬価改定の影響で医薬事業が814億円(15.3%減)と落ち込んだ。20年3月期は、売上高2535億円(3.1%減)、営業利益355億円(13.7%増)を予想。昨年行った早期退職により、販管費が減少する見通し。
キョーリン製薬ホールディングス(2019年3月期、5月13日発表)
売上高1136億2000万円(前期比2.7%増)、営業利益89億7200万円(1.7%増)。主要事業会社の杏林製薬が薬価改定により7%台のマイナス影響を受けたが、抗アレルギー薬「ナゾネックス」や過活動膀胱治療薬「べオーバ」など新薬の拡大で補った。20年3月期は、売上高1141億円(0.4%増)、営業利益91億円(1.4%増)を予想。
持田製薬(2019年3月期、5月13日発表)
売上高1096億4300万円(前期比2.7%増)、営業利益105億9000万円(9.2%減)。主力の疼痛治療薬「トラムセット」や高脂血症治療薬「エパデール」が落ち込んだものの、抗うつ薬「レクサプロ」や潰瘍性大腸炎治療薬「リアルダ」などが伸びた。バイオシミラーを含む後発医薬品の売上高は11%増。20年3月期は売上高1030億円(6.1%減)、営業利益77億円(27.3%減)の見通し。
日本新薬(2019年3月期、5月13日発表)
売上高1147億1600万円(前期比13.1%増)、営業利益206億4400万円(20.9%増)。肺動脈性高血圧症治療薬「ウプトラビ」の売り上げが伸びたほか、同薬のロイヤリティ収入やマイルストン収入が拡。濾胞性リンパ腫治療薬「ガザイバ」なども貢献した。20年3月期も引き続き新製品が伸びる見込みで、売上高1160億円(1.1%増)、営業利益210億(1.7%増)を予想する。
日本ケミファ(2019年3月期、5月13日発表)
売上高341億8200万円(前期比3.3%減)、営業利益14億6400万円(20.8%減)。薬価改定が響いた。20年3月期の業績予想は売上高342億円(0.1%増)、営業利益8億円(45.4%減)。販管費の増加と、10月に予定される消費増税に伴う薬価改定の影響で大幅な減益となる見通し。
日医工(2019年3月期、5月13日発表)
売上高1665億9200万円(1.1%増)、営業利益82億2300万円(20.2%減)。販売数量の増加で売上高は伸長したものの、価格競争と薬価改定が利益を押し下げた。20年3月期は、4月に完全子会社化したエルメッド(旧エルメッドエーザイ)の業績も加わり、売上高2010億円(20.7%増)、営業利益85億円(3.4%増)を予想する。
明治ホールディングス(2019年3月期、5月13日発表)
医薬品セグメントは売上高1986億円(前期比17.9%増)、営業利益142億円(29.2%増)。薬価改定の影響を受けたが、抗精神病薬「シクレスト」や抗アレルギー薬「ビラノア」が拡大。昨年子会社化したKMバイオロジクスのワクチンも寄与した。20年3月期は、売上高2205億円(11.0%増)、営業利益185億円(29.9%増)を予想している。