第一三共のキザルチニブ、FLT3-ITD変異陰性のAML対象にグローバルP3試験開始
第一三共は12月11日、FLT3阻害薬キザルチニブについて、FLT3-ITD変異陰性の急性骨髄性白血病(AML)患者の1次治療を対象とした臨床第3相(P3)試験を開始したと発表した。試験は、同薬と標準化学療法の併用(寛解導入期・地固め療法期)と、単剤療法(維持療法期)の有効性と安全性を評価するもので、主要評価項目は全生存期間。日本を含むアジア、オーストラリア、欧州、北南米で約700人の患者を登録する。同薬は日米欧などでFLT3-ITD変異を有するAML患者への1次治療として承認されており、日本では「ヴァンフリタ」の製品名で販売されている。
GHIT FundとWHOが新たなパートナーシップ…顧みられない熱帯病治療薬などのアクセス促進へ
グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)と世界保健機関(WHO)は12月11日、顧みられない熱帯病(NTDs)分野で、低中所得国への安全で有効かつ安価な医薬品、ワクチン、診断薬のアクセス促進に向けた覚書を締結したと発表した。協業を通じて研究開発を加速させるほか、NTDsの根絶に必要な調達システムや、資金調達メカニズムの構築、認知度向上を目指した活動などに取り組む。
カイオム、高親和性抗体の作製でエーザイと共同研究
カイオム・バイオサイエンスは12月11日、同社独自の抗体探索技術「ADLibシステム」を応用した高親和性抗体作製について、エーザイと共同研究契約を締結したと発表した。エーザイの抗体創製技術と、カイオムの抗体エンジニアリング技術を生かし、高機能な抗体の創製を目指す。ADLibは、ニワトリDT40細胞の抗体遺伝子の組換え活性化によって抗体を作製する技術で、セレクションからスクリーニングまで最短10日間程度で完了できる。得られた抗体の標的に対する結合力の強化を行いやすいことも特徴だという。
エーザイ、中国で痛風・高尿酸血症治療薬「ユリス」が承認
エーザイは12月11日、痛風・高尿酸血症治療薬「ユリス」(一般名・ドチヌラド)について、高尿酸血症に伴う痛風を適応として中国で承認されたと発表した。同国で実施されたP3試験で、24週時点の血清尿酸値が6.0mg/dL以下の被験者の割合が、ドチヌラド群で73.6%、対照群のフェブキソスタット群で38.1%となり、統計学的優越性が確認された。同薬は富士薬品が創製した選択的尿酸再吸収阻害薬で、エーザイは中国とASEAN5カ国での開発・販売権を持つ。日本では富士薬品が2020年から販売している。
参天、ラタノプロストカチオニック乳化点眼剤を韓国・ベトナムで申請
参天製薬は12月11日、開放隅角緑内障・高眼圧症治療薬「STN1013001」(ラタノプロストカチオニック乳化点眼剤)について、韓国とベトナムでの申請が当局に受理されたと発表した。アジア事業地域での申請は初めて。プラスに帯電した点眼液がマイナスに帯電した眼表面に引きつけられ、眼表面での分布性と滞留性を向上させる技術を活用している。欧州とアジアで行ったP3試験では、ラタノプロストに対する眼圧降下の非劣性を示した。今年8月から「Catiolanze」の製品名でドイツやスペインなど欧州7カ国で販売されている。