医師向けの薬剤比較アプリ「イシヤク」で、2023年4~6月に会員医師が検索した医薬品を製品別にランキングしました。
「デエビゴ」が再びトップに
2023年4~6月にイシヤクで医師が最も検索した薬剤は、エーザイのオレキシン受容体拮抗薬「デエビゴ」(一般名・レンボレキサント)でした。花粉症治療薬が検索数を増やした今年1~3月は3位でしたが、2四半期ぶりの1位となりました。2位はノバルティスファーマの慢性心不全・高血圧症治療薬「エンレスト」(サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)でした。
3位は塩野義製薬の鎮咳薬「メジコン」(デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物)で、4位はあゆみ製薬の解熱鎮痛薬「カロナール」(アセトアミノフェン)。いずれも新型コロナウイルス感染症の流行に伴って需要が増加した薬剤です。5位は日医工のドパミン受容体拮抗薬「プリンペラン」(メトクロプラミド)で、前四半期13位から順位を8つ上げました。
前回トップ20圏外だった製品では、6位のβ2刺激薬「メプチン」(プロカテロール塩酸塩水和物、大塚製薬)や10位の抗生物質製剤「オーグメンチン」(クラブラン酸カリウム/アモキシシリン水和物、グラクソ・スミスクライン)などが新たにランクイン。オーグメンチンは21年9~12月以来の上位20製品入りとなりました。同薬は今月から需要増と他社製品の限定出荷の影響で出荷調整を行っていますが、同薬への需要が急増していたことが検索結果からもうかがえます。
【ピックアップ】SGLT2阻害薬、検索1位は「フォシーガ」
近年、糖尿病治療薬市場で存在感を高めるSGLT2阻害薬(配合剤含む)に絞って検索数をランキングしてみると、トップはアストラゼネカの「フォシーガ」(ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)となりました。同薬は糖尿病のほか慢性心不全、慢性腎臓病の適応を持っており、薬効内では唯一、慢性腎臓病の治療に使用できる薬剤です。
2位は日本ベーリンガーインゲルハイムの「ジャディアンス」(エンパグリフロジン)。適応症は糖尿病と心不全で、今年1月に慢性腎臓病への適応拡大を申請しています。3位はアステラス製薬の「スーグラ」(イプラグリフロジン L-プロリン)で、4位はエンパグリフロジンとDPP-4阻害薬リグナプチンの配合剤「トラディアンス」。4位までは売上高(22年度)と同じ順番となっています。
【データ提供】医師向け薬剤比較アプリ「イシヤク」(flixy)
「医師にとって最も使いやすい!」を目指して現役医師が開発した医師向け薬剤比較アプリ(医師以外も登録可能)。医師の処方の観点から、ほかの薬剤との比較を主眼に2万以上の薬剤の特徴を簡潔にまとめている。薬効検索や腎機能表示、疑義照会、レセプト返戻にも対応し、忙しい外来でも処方に必要な情報を確認できるのが特徴。全ての薬剤に専門医のコメントが掲載されており、処方した医師の実感などを確認できる。iOS・Androidアプリ。 |