キムリアが保険適用、ノバルティス「医療機関と連携して提供体制整備」
ノバルティスファーマは5月22日、国内初のCAR-T細胞療法「キムリア」(一般名・チサゲンレクルユーセル)が同日付で薬価収載されたことを受け、「最適使用推進ガイドラインの施設要件を満たす医療機関と連携し、提供体制を整備していく」とのコメントを発表した。
キムリアによる治療は、同ガイドラインで▽細胞の採取▽細胞の調整・凍結▽副作用の管理――などを適切に行える医療機関に限られており、同社は「キムリアの治療を提供可能な医療機関は、準備が整い次第、医療関係者向けに案内する予定」としている。
小野薬品「京大への寄付を検討」特許料の引き上げ求める本庶氏にも申し入れ
小野薬品工業は5月22日、免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」をめぐって本庶佑・京都大特別教授が特許料の引き上げを求めていることについて、京都大への寄付を検討していることを明らかにした。寄付の検討は昨年11月、本庶氏にも申し入れたという。
小野薬品は同日、「ライセンス契約は本庶氏と当社の合意の下、締結した」とのコメントを発表。契約の締結は2006年で、小野薬品は14年から契約に基づいて特許料を支払っている。同社はコメントで「今後も契約に基づく対価を四半期ごとに支払っていく」としている。
アッヴィ日本法人、18年は売上高倍増…マヴィレットが牽引
米アッヴィの日本法人は5月22日、2018年の売上高が1726億円となり、前年から倍増(104%増)したと発表した。薬価ベースで1328億円を売り上げた(IQVIA調べ)C型肝炎治療薬「マヴィレット」が牽引。抗TNFα抗体「ヒュミラ」やRS感染症治療薬「シナジス」なども好調だった。
塩野義、ナルデメジンの販売でイタリアのMoltemi社と提携
塩野義製薬は5月22日、イタリアのMolteni社と、オピオイド誘発性便秘治療薬「Rizmoic」(欧州製品名、一般名・ナルデメジン、日本製品名・スインプロイク)ついてイタリアとポーランドを対象とする販売契約を結んだと発表した。同薬は両国で2020年の発売を予定。Molteni社が流通と販売を担い、塩野義はイタリアで共同販売を行う。
武田「エンタイビオ」クローン病への適応拡大が承認
武田薬品工業は5月22日、潰瘍性大腸炎治療薬「エンタイビオ」(ベドリズマブ)について、「中等症から重症の活動期のクローン病」への適応拡大が日本で承認されたと発表した。同薬は抗α4β7インテグリン抗体で、日本では2018年11月に潰瘍性大腸炎の適応で発売。クローン病への適応拡大は同年7月に申請していた。クローン病の国内患者数は4万人以上と推定されている。
中外「アクテムラ」が成人スチル病の適応を取得
中外製薬は5月22日、抗IL-6レセプター抗体「アクテムラ」(トシリズマブ)について、成人スチル病への適応拡大の承認を取得したと発表した。成人スチル病は、39度以上の発熱と関節炎、淡いピンク色の皮疹を特徴とする自己免疫疾患で、国の指定難病に指定されている。
GSK、COPD治療薬「テリルジー」を発売…3剤配合は国内初
グラクソ・スミスクラインは5月22日、COPD(慢性閉塞性肺疾患)治療薬「テリルジー100エリプタ」(フルチカゾン/ウメクリジニウム/ビランテロール)を発売したと発表した。同薬は、国内初となる吸入ステロイド、長時間作用性抗コリン薬、長時間作用性β2刺激薬の3剤配合剤。薬価は14吸入1キット4107.40円、30吸入1キット8692.80円(1日薬価は289.80円)。ピーク時に年間236億円の売上高を予測している。
ヤンセン 前立腺がん治療薬「アーリーダ」を30日に発売
ヤンセンファーマは5月22日、前立腺がん治療薬「アーリーダ」(アパルタミド)を5月30日に発売すると発表した。適応は「遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がん」。薬価は60mg1錠2281.90円(1日薬価は9127.60円)で、ピーク時の年間売上高予測は218億円。
大日本住友、造血幹細胞移植前治療薬「リサイオ」を28日に発売
大日本住友製薬は5月22日、造血幹細胞移植前治療薬「リサイオ」(チオテパ)を5月28日に発売すると発表した。適応は「小児悪性固形腫瘍における自家造血幹細胞移植の前治療」。薬価は100mg2.5mL1瓶18万9816円で、ピーク時に年間5100万円の売り上げを見込んでいる。
中外、横浜に新たな研究施設―御殿場・鎌倉の2研究所は閉鎖へ
中外製薬は5月21日、横浜市に新たな研究所「中外ライフサイエンスパーク横浜」を建設すると発表した。中外は新研究所を中核的な研究施設と位置付け、竣工後は富士御殿場研究所(静岡県御殿場市)と鎌倉研究所(神奈川県鎌倉市)の機能を集約。両研究所は閉鎖する。竣工は2022年8月の予定で、総投資額は1273億円。
宇部興産 少量・高活性原薬の新工場
宇部興産は5月21日、山口県宇部市の宇部ケミカル工場に新たな医薬品原薬工場を建設すると発表した。新工場は、少量・高活性の原薬の製造に特化。2021年5月の完成、同年6月の商用生産開始を予定している。
ナノキャリア ミセル化ナノ粒子製剤とICIの併用で共同研究
ナノキャリアは5月21日、開発中のミセル化ナノ粒子製剤「NC-6300」について、川崎市産業振興財団ナノ医療イノベーションセンター(iCONIM)と共同研究契約を結んだと発表した。脳腫瘍を対象に、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)との併用によるNC-6300の効果増強を目指す。
NC-6300は、抗がん剤エピルビシンを内包したミセル化ナノ粒子製剤。軟部肉腫を対象に米国で臨床第1/2相試験を行っている。