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医薬品業界 役員報酬ランキング2016…トップは9億円の武田・ウェバー社長、日調・三津原社長は社員の132倍

更新日

1億円を超えた場合に個別開示が義務付けられている上場企業の役員報酬。東京商工リサーチのまとめによると、2016年3月期に1億円を超える役員報酬を得た上場企業役員は211社414人に上り、過去最多となりました。

 

AnswersNewsでは、製薬メーカーやバイオベンチャー、医薬品卸、薬局チェーンなどの有価証券報告書から役員報酬を独自に集計。医薬品業界の“1億円プレーヤー”33人のリストをまとめました。

 

トップとなったのは武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長で、報酬総額は9億円超。2位には日本調剤の三津原博社長、3位には武田薬品の長谷川閑史会長が入りました。集計では、役員報酬と従業員の平均年収との格差にも注目。最大だったのは日調の三津原社長で、その差は132.5倍に及びました。

 

 

【個人ランキング】好業績で軒並みアップ、科研とそーせい初の1億突破

まずは、医薬品業界の“1億円プレーヤー”33人のランキングをご紹介します。

 

上場企業には、1億円以上の役員報酬を得ている役員の氏名と報酬額を、有価証券報告書で開示することが義務付けられています。今回の集計対象は、2015年4月から16年3月までに本決算を迎えた上場企業。製薬企業やバイオベンチャーに加え、CRO・CSO・CMO・SMO、医薬品卸売業者、薬局やドラッグストアチェーンも対象とし、医薬品業界として集計しました。CRO・CSO・CMO・SMOと医薬品卸には、1億円以上の報酬を得ている役員はいませんでした。

 

役員報酬1-2-1

 

トップとなったのは、武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長CEO。報酬総額は9億500万円で、前年から3億9800万円増加しました。賞与が前年の4倍超の2億3700万円に膨れたほか、長期インセンティブ(13年度で廃止したストック・オプションと14年度に導入した株式報酬の合計)も2倍以上に増えました。

 

武田薬品からは、3位に長谷川閑史会長(4億5000万円)、4位にチーフ・メディカル・アンド・サイエンティフィック・オフィサーを務めるアンドリュー・プランプ取締役(4億2200万円)、14位にコーポレート・ストラテジー・オフィサーの本田信司取締役(1億9100万円)がランクイン。プランプ氏の前任で15年6月に退任した山田忠孝前取締役(2億6400万円)も7位に入りました。

 

武田薬品の16年3月期決算は、売上高1兆8073億円(前期比1.7%増)、営業利益は1308億円と黒字に転換。大幅な報酬の増額は、こうした業績を反映したものとみられます。

 

ウェバー氏に続いて2位に入ったのは、毎年高額報酬が話題となる日本調剤の三津原博社長。報酬総額は7億7300万円で、前年から2200万円増えました。三津原氏は日調のほか、日本ジェネリックなど子会社3社からも報酬を受け取っています。日調は今年6月の株主総会で、取締役への報酬の上限を従来の8億円から10億円に引き上げました。

 

今年新たにリストに名を連ねたのは4人。15年6月に武田薬品の取締役に就任したプランプ氏のほか、そーせいグループの田村眞一会長(1億9200万円)と科研製薬の大沼哲夫社長(1億1100万円)が初めて1億円を突破しました。そーせいGはスイス・ノバルティスに導出したCOPD治療薬のロイヤリティが拡大。科研製薬も爪白癬治療薬「クレナフィン」が急速に売り上げを伸ばし、業績は好調です。サンドラッグの才津達郎会長(1億8000万円)も初めて1億円を超えました。

 

前年との比較が可能な29人のうち、前年から報酬が増えたのは25人。そのほとんどが2桁の増加となりました。国内製薬企業の直近の決算は、海外事業の拡大を背景に増収増益となった企業が多く、好調な業績が役員報酬の増加につながっているようです。

 

ウェバー氏、上場企業全体でも6位 三津原氏も9位に

東京商工リサーチのまとめによると、6月30日時点で16年3月期の有価証券報告書を開示した全ての上場企業のなかで最も報酬が高かったのは、ソフトバンクグループのニケシュ・アローラ氏(すでに退任)。報酬総額は64億7800万円で個人としての歴代最高を更新しました。

 

医薬品業界からは武田のウェバー社長が6位、日調の三津原社長が9位に名を連ねました。

 

16年3月期役員報酬ランキング

 

【企業ランキング】開示人数は武田とエーザイの5人が最多

個別の報酬を開示した役員の人数を企業別にみると、1位は武田薬品とエーザイの5人。武田薬品は前年から2人減った一方、エーザイは横ばいでした。

 

これに続くのが、アステラス製薬と中外製薬の3人、大塚HDと小林製薬、塩野義製薬の2人。大塚HDは前年から1人減少しました。

 

ちなみに、上場企業全体で見ると、1億円以上の高額報酬を受け取った役員が最も多かったのは23人の三菱電機。ファナックと東京エレクトロンが11人で続きました。6月30日時点で個別の役員報酬を開示した211社のうち、2人以上の開示を行ったのは87社で全体の4割を占めています。

 

企業別の役員報酬開示人数

 

【格差ランキング】ウェバー氏は社員平均の90倍 約半数が20倍超

役員報酬と従業員の平均給与との格差に注目したランキングもまとめました。個々の役員報酬を、有価証券報告書で開示された各社の平均年間給与で割り、役員が従業員の何倍の報酬を得ているかを比べてみました。

 

医薬品業界・従業員との給与格差が大きい役員

 

従業員の給与との格差が最も大きかったのは、日調の三津原社長。三津原氏の報酬総額7億3700万円は、従業員の平均給与556万1000円の132.5倍に当たります。

 

2位は94.3倍となった武田薬品のウェバー社長。3位は長谷川氏(46.9倍)、4位はプランプ氏(44.0倍)と、武田薬品の役員が上位に並びます。同社の平均給与は959万6000円で業界でも上位。武田薬品の役員報酬の高額さがよく分かります。

 

社長に限ってみると、久光製薬の中富博隆氏が28.5倍、アステラス製薬の畑中好彦が25.7倍、大塚HDの樋口達夫氏は20.6倍。従業員の20倍を超える報酬を得ていた役員は、全体の半数近い15人に上りました。

 

好調な業績を受け、従業員の給与の伸びを大きく上回って増加する役員報酬。欧米ほどではないにせよ、給与格差は拡大する傾向にあります。

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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