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国内初の近視抑制薬「リジュセア」、肥満症薬「ゼップバウンド」など承認|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2024年12月27日)

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AnswersNews編集部

 

参天、国内初の近視進行抑制薬「リジュセア」承認…薬価未収載品として販売へ

参天製薬は12月27日、国内初の近視進行抑制薬「リジュセアミニ点眼液」(一般名・アトロピン硫酸塩)の承認を取得したと発表した。薬価基準未収載医薬品として販売する予定で、公的医療保険の給付対象外となる。同薬はムスカリン受容体の可逆的拮抗薬。ムスカリン受容体の活性化を阻害することで強膜の菲薄化を阻害し、眼軸の伸長を抑制すると考えられている。シンガポールの研究機関と共同開発した。

 

リリー、肥満症治療薬「ゼップバウンド」が承認

日本イーライリリーは12月27日、肥満症治療薬「ゼップバウンド」(チルゼパチド)が承認されたと発表した。高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかを有し、食事・運動療法を行っても十分な効果が得られない患者で、▽BMIが27kg/㎡以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する▽BMIが35kg/㎡以上――に該当する患者が対象となる。国内臨床第3相(P3)試験では、投与後72週時の体重がゼップバウンド10mg群で17.8%、15mg群で22.7%減少した。販売と流通は田辺三菱製薬が行い、情報提供活動は共同で行う。

 

ヤンセン、がん領域で2新薬の承認取得

ヤンセンファーマは12月27日、尿路上皮がん治療薬「バルバーサ錠」(エルダフィチニブ)と多発性骨髄腫治療薬「テクベイリ皮下注」(テクリスタマブ)の承認を取得したと発表した。バルバーサはFGFR阻害薬で、適応は「がん化学療法後に増悪したFGFR3遺伝子変異または融合遺伝子を有する根治切除不能な尿路上皮がん」。尿路上皮がんでは国内初の遺伝子異常に基づく治療薬となる。テクベイリはBCMAとCD3を標的とするT細胞リダイレクト二重特異性抗体。

 

バイオジェン、ALS治療薬「クアルソディ」承認

バイオジェン・ジャパンは12月27日、筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「クアルソディ髄注」(トフェルセン)が承認されたと発表した。適応は「SOD1遺伝子変異を有する筋萎縮性側索硬化症における機能障害の進行抑制」。同薬は、SOD1mRNAに結合し、SOD1タンパク質の生成を抑制するアンチセンスオリゴヌクレオチド。遺伝的原因を標的とするALS治療薬は国内初。

 

第一三共、抗TROP2 ADC「ダトロウェイ」承認

第一三共は12月27日、抗TROP-2抗体薬物複合体(ADC)「ダトロウェイ点滴静注用」(ダトポタマブ デルクステカン)が承認されたと発表した。適応は「化学療法歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がん」。第一三共としては抗HER2 ADC「エンハーツ」に続く国内2製品目のADCの承認となる。

 

ブリストル、潰瘍性大腸炎治療薬「ゼポジア」承認

ブリストル・マイヤーズ スクイブは12月27日、潰瘍性大腸炎治療薬「ゼポジア」(オザニモド塩酸塩)の承認を取得したと発表した。同薬はスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)受容体調節薬。SIP受容体1と5に結合し、リンパ球を末梢リンパ組織内に保持することで、病巣へのリンパ球の浸潤を阻害する。

 

ファイザー、血友病治療薬「ヒムペブジ」の承認取得

ファイザーは12月27日、抗TFPI抗体「ヒムペブジ皮下注」(マルスタシマブ)の承認を取得したと発表した。インヒビターを持たない血友病Aまたは血友病Bの患者の出血傾向を抑制する薬剤。外因系血液凝固カスケードの主要な阻害因子であるTFPIを阻害することで外因系凝固経路を増強する。抗TFPI抗体としては、今年発売されたノボノルディスクファーマの「アレモ」(コンシズマブ)に続く2剤目となる。

 

中外、濾胞性リンパ腫治療薬「ルンスミオ」が承認

中外製薬は12月27日、抗CD20/CD3二重特異性抗体「ルンスミオ点滴静注」(モスネツズマブ)の承認を取得したと発表した。適応は再発・難治性の濾胞性リンパ腫で、過去に少なくとも2つの標準治療を受けた患者が対象となる。承認の根拠の1つとなった国内P1試験の拡大コホートでは68.4%の完全奏効割合を示した。同薬は、治療効果に応じて治療期間が約半年または1年間とあらかじめ設定されており、患者の負担軽減につながると期待される。

 

アストラゼネカ、コロナ発症抑制薬「カビゲイル」の承認取得

アストラゼネカは12月27日、新型コロナウイルス感染症の発症抑制薬「カビゲイル注射液」(シパビバルト)の承認を取得したと発表した。新型コロナワクチンの接種が推奨されない人や、免疫機能低下などによってワクチン接種で十分な免疫応答が得られない人が対象となる。承認の根拠となったP1/3試験では、免疫不全患者で対照薬(チキサゲビマブ/シルガビマブまたはプラセボ)と比較して発症リスクを有意に低下させた。カビゲイルは新型コロナウイルスに対する長期間作用型抗体で、スパイクタンパク質と宿主受容体ACE2との相互作用を中和する。

 

武田、無または低ガンマグロブリン血症治療薬「ハイキュービア」承認

武田薬品工業は12月27日、促進型皮下注用免疫グロブリン製剤「ハイキュービア10%皮下注セット」の承認を取得したと発表した。免疫グロブリン10%とボルヒアルロニダーゼ アルファの組み合わせ製剤で、適応は無または低ガンマグロブリン血症。同疾患は、原発性免疫不全症や続発性免疫不全症で抗体が無いまたは減少した状態で、重篤な感染症の再発リスクが増加するのが特徴。ボルヒアルロニダーゼ アルファを組み合わせることで免疫グロブリンの大量投与を可能にし、従来製剤に比べて投与頻度を少なくした。

 

MSD「キイトルーダ」子宮体がんへの適応拡大が承認

MSDは12月27日、抗PD-1抗体「キイトルーダ」(ペムブロリズマブ)について、進行・再発の子宮体がんに対する化学療法との併用療法が承認されたと発表した。承認の根拠となった国際共同P3試験では、ミスマッチ修復正常、ミスマッチ修復欠損のいずれの患者集団でも、キイトルーダと化学療法の併用療法とその後のキイトルーダ単独療法はプラセボに比べて無増悪生存期間を有意に延長した。

 

小野薬品「オプジーボ」尿路上皮がんの適応追加承認

小野薬品工業は12月27日、抗PD-1抗体「オプジーボ点滴静注」(ニボルマブ)について、シスプラチン、ゲムシタビンとの併用療法による「根治切除不能な尿路上皮がん」の適応追加が承認されたと発表した。P3試験では、標準治療の化学療法単独と比較して全生存期間と無増悪生存期間を有意に延長した。

 

アストラゼネカ「カルケンス」に錠剤が承認…PPIなどとの服用可能に

アストラゼネカは12月27日、BTK阻害薬「カルケンス」(アカラブルチニブマレイン酸塩水和物)に錠剤が承認されたと発表した。従来のカプセル剤は、pH4を超える条件下では溶解性が低いため、添付文書ではPPIとの併用は可能な限り避けることと、H2受容体拮抗薬や制酸剤との併用では投与間隔を2時間以上あけることについて注意喚起していた。一方、血液がん患者の2~4割は胃内のpHを変化させる薬剤の投与を受けていると推定され、カルケンスカプセルの使用は制限されていた。今回承認された錠剤は、消化管のpH条件にかかわらず薬物がすべて溶出するよう設計されており、PPIなどとも服用できる。

 

日本新薬「ウプトラビ」小児適応取得

日本新薬は12月27日、肺動脈性肺高血圧症治療薬「ウプトラビ錠」(セレキシパグ)について、小児肺動脈性肺高血圧症の適応追加が承認されたと発表した。小児用の0.05mg錠も承認された。小児肺動脈性肺高血圧症に使用可能な薬剤は限られており、特にプロスタサイクリン系薬剤では静脈内持続投与を必要とする注射剤だけしかなく、経口剤が求められていた。

 

アストラゼネカ「ファセンラ」EGPAに適応拡大

アストラゼネカは12月27日、抗IL-5受容体α抗体「ファセンラ」(ベンラリズマブ)について、「既存治療で効果不十分な好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)」への適応拡大の承認を取得したと発表した。承認の根拠となったP3試験では、メポリズマブへの非劣性が示された。EGPAは血管の炎症によって引き起こされるまれな免疫介在性の炎症性疾患。肺、上気道、皮膚、心臓、消化管、神経など複数の臓器に障害を引き起こし、極度の疲労、体重減少、筋肉痛・神経痛といった症状が見られる。

 

アルジェニクス「ヒフデュラ」CIDPへの適応拡大承認

アルジェニクスジャパンは12月27日、抗FcRn抗体フラグメント・ヒアルロン酸分解酵素配合製剤「ヒフデュラ配合皮下注」(エフガルチギモド アルファ/ボルヒアルロニターゼ アルファ)について、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)への適応拡大が承認されたと発表した。CIDPは末梢神経系の自己免疫疾患で、疲労感や四肢の筋力低下、感覚障害などが主な症状。ヒフデュラにとっては、全身型重症筋無力症、慢性特発性血小板減少性紫斑病に続き3つ目の適応となる。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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