武田、大腸がん治療薬「FRUZAQLA」が米国で承認
武田薬品工業は11月9日、大腸がん治療薬「FRUZAQLA」(一般名・フルキンチニブ)が米国で承認されたと発表した。香港のハッチメッドから導入したVEGFR1/2/3阻害薬で、対象患者は治療歴のある転移性大腸がんの成人患者。承認の根拠となった臨床第3相(P3)試験では、プラセボとの比較で統計学的に有意に全生存期間と無増悪生存期間を改善した。欧州では6月に申請が受理されており、日本でも9月に申請した。
第一三共「ヴァンフリタ」が欧州で承認、AML1次治療で
第一三共は11月9日、FLT-3阻害薬「ヴァンフリタ」(キザルチニブ)について、「FLT3-ITD変異を有する急性骨髄性白血病(AML)の1次治療」の適応で欧州で承認を取得したと発表した。第一三共のがん領域の新薬が欧州で承認されるのは、抗HER2抗体薬物複合体「エンハーツ」に続いて2つ目。ヴァンフリタは2019年に日本で承認され、今年7月には米国でも承認を取得した。
湘南アイパーク、韓国中小ベンチャー企業部と提携
湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)を運営するアイパークインスティチュート(神奈川県藤沢市)は11月9日、韓国の行政機関である中小ベンチャー企業部と業務契約を結んだと発表した。両者は日韓の先端バイオ分野の成長に向けて協力し、共同で選抜した韓国のバイオスタートアップにアイパークに入居してもらったり、画期的技術を持つ日本の大学・研究所・企業と韓国バイオベンチャーの共同研究を促したりする。
インテージヘルスケア、北大大学院と環状ペプチドの共同研究
インテージヘルスケアは11月9日、北海道大大学院薬学研究院と、AIを活用した環状ペプチドの低分子化に関する共同研究を開始したと発表した。インテージが自社のAI創薬プラットフォームを使って化合物探索と化合物デザインを実施。北大はデザインされた低分子化合物の化学合成や評価実験などを行う。
TXP Medical、徳洲会系企業と連携しRWDサービス
TXP Medical(東京都千代田区)は11月9日、徳洲会グループの治験業務支援会社・未来医療研究センター(同区)と連携し、医薬品・医療機器メーカー向けに新たなリアルワールドデータ(RWD)サービスを開始すると発表した。徳洲会グループの1400万人を超えるデータと、TXPメディカルが持つ大病院を中心としたデータを組み合わせることで、がんや希少疾患など幅広い領域をカバー。メーカーが行うRWD研究を支援する。
決算
明治HD(23年4~9月期、11月9日発表)
医薬品セグメントの業績は、▽売上高1008億円(前年同期比3.8%増)▽営業利益159億円(8.5%増)。抗菌薬を中心に国内で医薬品の販売が伸びたほか、小田原工場の分社化が費用減に寄与。海外事業も増益となった。24年3月期通期業績は、売上高2081億円、営業利益220億円を予想。新型コロナウイルスワクチン「ARCT-154」の業績貢献が見込めなくなったと判断し、期初予想(売上高2155億円、営業利益250億円)から下方修正した。
富士製薬工業(23年9月期、11月9日発表)
▽売上高408億8900万円(前期比15.4%増)▽営業利益38億5800万円(2.1%増)▽経常利益45億1900万円(21.3%増)▽純利益34億3500万円(27.4%増)。天然型黄体ホルモン製剤「エフメノ」や昨年4月に不妊治療を対象に薬価収載された「ウトロゲスタン」の売り上げが大きく拡大。タイ子会社OLICで展開するCMO事業も好調だった。24年9月期の通期業績予想は、売上高489億2600億円(19.7%増)、営業利益49億700万円(27.2%増)。引き続き女性医療領域の製品が伸びる見込み。