遺伝子治療薬「ルクスターナ」など30日に薬価収載
中央社会保険医療協議会(中医協)総会は8月23日、ノバルティスファーマの遺伝子治療薬「ルクスターナ注」(一般名・ボレチゲン ネパルボベク)やファイザーの円形脱毛症治療薬「リットフーロカプセル」(リトレシチニブトシル酸塩)など再生医療等製品1品目と新薬6成分6品目の薬価収載を了承した。30日に収載される。注目されていたルクスターナの薬価は1バイアル4960万円、両目投与で約1億円となった。新薬では、抗がん剤「リトゴビ錠」(フチバチニブ、大鵬薬品工業)や発作性夜間ヘモグロビン尿症治療薬「エムパベリ皮下注」(ペグセタコプラン、Swedish Orphan Biovitrum Japan)なども収載される。詳しくはトピックス。
「ヘムライブラ」「オラパリブ」に市場拡大再算定、類似品で「ゼジューラ」も引き下げ
中医協総会は8月23日、中外製薬の血友病A治療薬「ヘムライブラ皮下注」(エミシズマブ)とアストラゼネカの抗がん剤「リムパーザ錠」(オラパリブ)に市場拡大再算定を適用し、薬価を引き下げることを了承した。いずれも「年間販売額350億円超かつ基準年間販売額の2倍超」の要件に該当すると判断した。引き下げ率は、ヘムライブラが9.4%、リムパーザが7.7%。リムパーザの類似品として武田薬品工業の「ゼジューラカプセル/錠」(ニラパリブトシル酸塩水和物)も対象となり、10.2%の引き下げを受ける。新薬価の適用は11月1日。
MSDの「リフヌア」費用対効果評価で薬価7.7%下げ
中医協総会は8月23日、MSDの難治性慢性咳嗽治療薬「リフヌア錠」(ゲーファピキサントクエン酸塩)について、費用対効果評価の結果に基づいて薬価を引き下げることを了承した。改定後の薬価は45mg1錠187.50円で、現行薬価(203.20円)から7.7%の引き下げとなる。新薬価は11月1日から適用される。
第一三共「エンハーツ」HER2陽性非小細胞肺がんへの適応拡大承認
第一三共は8月23日、抗HER2抗体薬物複合体(ADC)「エンハーツ点滴静注用」(トラスツズマブ デルクステカン)について、「がん化学療法後に増悪したHER2遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」への適応拡大が承認されたと発表した。HER2陽性非小細胞肺がんに対する抗HER2療法は国内初。日本では、乳がんと胃がんに続く3つ目の適応がん種となる。
ノバルティス「ジャカビ」に移植片対宿主病の適応追加
ノバルティスファーマは8月23日、JAK阻害薬「ジャカビ錠」(ルキソリチニブリン酸塩)が「造血幹細胞移植後の移植片対宿主病」の適応追加の承認を取得したと発表した。ステロイド剤を投与しても効果不十分な場合が対象となる。承認の根拠となった国際共同臨床第3相(P3)試験では、ステロイド抵抗性の患者で医師の選択による最良の治療に対する優越性が示された。
「リツキサン」ループス腎炎への適応拡大が承認
中外製薬は8月23日、抗CD20抗体「リツキサン点滴静注」(リツキシマブ)について、既存治療で効果不十分なループス腎炎への適応拡大の承認を取得したと発表した。厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で公知申請に該当すると判断され、3月に公知申請を行っていた。