23年度薬価改定の骨子を決定…新薬創出加算の特例、差額の95%を補填
中央社会保険医療協議会(中医協)は12月21日、2度目の中間年改定となる2023年度薬価改定の骨子を決定した。対象範囲は平均乖離率(7.0%)の0.625倍(乖離率4.375%)を超える品目。▽基礎的医薬品▽最低薬価▽後発品の価格帯▽既収載品の外国平均価格調整――の各ルールを適用するとともに、臨時・特例的対応として不採算品再算定と新薬創出・適応外薬解消等促進加算の増額を行う。新薬創出加算の増額は、加算後も改定前薬価を下回る品目が対象で、加算適用後の価格と改定前薬価との差額の95%を上乗せする。改定による薬剤費の削減額は3100億円で、全収載品目の48%が薬価引き下げとなる。
ジェンマブ、リンパ腫治療薬の二重特異性抗体エプコリタマブを申請
ジェンマブは12月21日、抗CD3/CD20二重特異性抗体エプコリタマブを再発・難治性の大細胞型B細胞リンパ腫の適応で申請したと発表した。独自技術を使って開発した皮下投与の二重特異性抗体で、同社にとっては日本で自社申請した初の製品。欧米でも同適応で申請している。同薬の開発・販売では米アッヴィとグローバルで提携しており、承認後は国内でも両社で共同販売を行う予定。
アステラス、「パドセブ」と「キイトルーダ」の併用療法を米国で申請
アステラス製薬は12月21日、抗ネクチン-4抗体薬物複合体(ADC)「パドセブ」(一般名・エンホルツマブ ベドチン)について、米メルクの抗PD-L1抗体「キイトルーダ」(ペムブロリズマブ)との併用療法を「切除不能な局所進行性または転移性尿路上皮がんで、シスプラチン不適応の患者に対する1次治療」の適応で米FDA(食品医薬品局)に申請したと発表した。申請は受理され、審査終了目標日は来年4月21日に設定された。同適応に対する両剤の併用療法はブレークスルーセラピーに指定されている。
坪田ラボ、近視進行予防薬を仏社に導出
坪田ラボは12月21日、開発中の近視進行予防点眼薬「TLM-003」について、アジア・東南アジアを除く世界各国での開発・製造・販売権を仏Laboratoires Théaに導出すると発表した。契約に基づき、坪田ラボは一時金200万ユーロ(約2億8600万円)を受け取るとともに、最大3950万ユーロ(約56億6500万円)のマイルストンと売上高に応じたロイヤリティを受領する。Laboratoires Théaは眼科領域では欧州大手の製薬企業で、2021年の売上高は7億7300万ドル(約1072億8400万円)。
武田 アイパーク運営事業を分離…IIF、三菱商事との共同運営体制に
武田薬品工業は12月21日、湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)の運営事業を新会社に承継し、新会社の株式の一部を産業ファンド投資法人(IIF)と三菱商事に譲渡すると発表した。湘南アイパークの資産(土地と施設)については2020年から21年にかけてIIFが信託受益権を取得しているが、運営は武田が業務委託を受けて行ってきた。新会社の株式の保有比率は、IIF41.0%、武田36.5%、三菱商事19.5%で、来年4月1日以降は3者で湘南アイパークを共同運営する。新会社の社長には、湘南アイパークのゼネラルマネジャーを務める藤本利夫氏が就任する。