エーザイ「フィコンパ」米国の権利をカタリストに譲渡
エーザイは12月20日、抗てんかん薬「フィコンパ」(一般名・ペランパネル)の米国での商業化権を米カタリスト・ファーマシューティカルズに譲渡するとともに、てんかん領域の特定の開発品について一定期間の独占的交渉権を付与する契約を結んだと発表した。米国以外の権利はエーザイが保有し、今後も米国を含む各国で製造と供給を行う。エーザイは対価として一時金1億6000万ドル(約212億円)を受け取るほか、将来的にマイルストンやロイヤリティを受け取る可能性がある。エーザイはアルツハイマー病治療薬の研究開発・商業化に注力する。
米投資ファンドのKKR、武州製薬を買収
米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)は12月20日、CDMOの武州製薬(埼玉県川越市)を買収すると発表した。欧州の投資ファンドBPEA EQTから全株式を取得する。買収は2023年第1四半期までに完了する見込み。買収額は非開示。KKRは「グローバルなCDMOのリーディングカンパニーとしての地位を構築することを目指す」としており、新たな成長分野への進出、生産能力の増強や品質管理に向けた投資、M&Aなど通じて成長を目指す。
サスメド、不眠障害治療用アプリ承認へ
サスメドは12月20日、今年2月に申請した不眠障害治療用アプリについて、厚生労働省薬事・食品衛生審議会プログラム医療機器調査会で承認が了承されたと発表した。来年1月にも承認される見込み。アプリは認知行動療法を提供するもので、医療現場の人員不足で認知行動療法の普及が進んでいない現状を改善し、薬物依存度を減らした治療を可能にすると期待されている。販売では、昨年12月に塩野義製薬と提携を結んでいる。
第一三共、抗がん剤「エザルミア」発売
第一三共は12月20日、抗がん剤「エザルミア錠」(バレメトスタットトシル酸塩)を発売したと発表した。適応は、再発または難治性の成人T細胞白血病リンパ腫。同薬は、多くの血液がんで発現しているヒストンメチル化酵素のEZH1/EZH2を選択的に阻害する作用を持つ薬剤で、第一三共が創製した。薬価は50mg1錠6267.70円、100mg1錠1万2017.00円。ピーク時に5.5億円の売り上げを見込む。
ブリストル CAR-T細胞療法「ブレヤンジ」LBCL2次治療に適応拡大
ブリストル・マイヤーズスクイブは12月20日、CD19を標的とするCAR-T細胞療法「ブレヤンジ静注」(リソカブタゲン マラルユーセル)について、「再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の2次治療」への適応拡大が承認されたと発表した。自家造血幹細胞移植への適応の有無にかかわらず使用できる。同薬は昨年3月、2つ以上の前治療歴がある再発・難治性LBCLと再発・難治性の濾胞性リンパ腫を対象に承認を取得した。
武田 抗CMV薬「LIVTENCITY」1次治療のP3試験で主要評価項目未達
武田薬品工業は12月20日、抗サイトメガロウイルス(CMV)薬「LIVTENCITY」(maribavir)について、造血幹細胞移植後のCMV感染症の1次治療を対象に行った臨床第3相(P3)試験で主要評価項目を達成できなかったと発表した。バルガンシクロビルとの非劣性を検証する試験で、主要評価項目は「治療期終了時(8週目)におけるCMV血症の消失が確認された患者の割合」。武田は結果を規制当局と共有しており、引き続き移植後のCMV感染に対する同薬の可能性を検討していくという。同薬はpUL97キナーゼとその天然基質を阻害する経口薬。既存治療抵抗性の患者に対する治療薬として米国や欧州などで承認されている。
富士フイルム、デジタル病理事業に本格参入…米社から部門買収
富士フイルムは12月20日、病理診断用ソフトウェアなどの開発・販売を手掛ける米インスピラータのデジタル病理部門を買収すると発表した。買収は来年1月ごろ完了する見込み。富士フイルムは、米国と欧州を中心にデジタル病理事業を本格展開する方針で、自社の医療用画像情報システムと組み合わせることで院内検査画像の一元管理を実現し、病理診断ワークフローの効率化を支援する。将来的には、遠隔診断サービスやAIを使った診断支援機能の提供も検討する。