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製薬業界 きょうのニュースまとめ読み(2022年11月8日)

更新日

 

ブロックチェーン活用の臨床試験開始、アキュリスファーマがナルコレプシー薬で

アキュリスファーマ(東京都港区)は11月8日、仏Bioprojetから導入したヒスタミンH3受容体拮抗薬/逆作動薬pitolisantについて、ナルコレプシーを対象とした国内臨床第3相(P3)試験を開始したと発表した。試験では、サスメド(東京都中央区)が提供するブロックチェーンを使った治験管理システムを利用。データの入力や照合に関わる作業を減らし、コスト削減を図る。サスメドによると、医薬品の承認申請を目的とした企業治験でブロックチェーンが使われるのは世界初という。pitolisantはナルコレプシーなどの治療薬として欧米で承認されており、アキュリスファーマは日本での独占的開発・商業化権を持つ。

 

日医工、債務超過へ…米国事業で「多額の減損計上の見込み」

事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)による再建を目指している日医工は11月8日、9月末に債務超過状態になる見込みだと発表した。減損テストを行った結果、米子会社セージェントグループが所有するのれん、有形固定資産、無形資産(計636億9600万円)について多額の減損損失を計上する見込みとなった。減損の具体的な金額は14日に予定している4~9月期決算発表で開示する。

 

小野薬品、HER2標的のCAR-T開発…HER2低発現がんで効果期待

小野薬品工業は11月7日、米Fate Therapeuticsとの創薬提携で創出したHER2を標的とするiPS細胞由来のCAR-T細胞療法製品候補「ONO-8250/FT825」について、開発・商業化に関するオプション権を行使したと発表した。欧米で共同開発・商業化するとともに、小野薬品は欧米以外の全世界で開発・商業化する権利を取得する。小野はオプション権行使に伴うマイルストンを支払うほか、開発・販売マイルストンと売上高に応じたロイヤリティを支払う。Fateは全世界で製造権を保有する。非臨床試験ではHER2低発現がんで抗腫瘍活性が示されており、2023年中に米国でIND申請を目指す。

 

参天、減損損失300億円…米子会社、想定収益困難

参天製薬は11月8日、2022年7~9月期決算に米国事業に関連する減損損失300億円を計上したと発表した。20年9月に買収した米アイバンスの収益が計画を下回って推移する見通しとなり、買収時に想定していた収益の実現は困難と判断した。減損損失の内訳は、のれんの全額74億円、開発製造販売権223億円、有形固定資産3億円。同日発表した4~9月期決算は190億2100万円の営業赤字となった。

 

大塚、大阪の研究施設が完成

大塚製薬は11月7日、大阪府箕面市で建設を進めていた医療関連事業の新たな研究施設「大阪創薬研究センター」が完成したと発表した。12月の稼働開始を予定している。ライフサイエンス分野の研究所などが集積する彩都地区にあり、オープンイノベーションを活用して新薬の創出を目指す。センターは、遺伝子細胞治療、再生医療、抗体医薬といったバイオロジクス創薬を行うための研究室や、オープンラボ、クライオ電子顕微鏡を設置した専用施設を備える。

 

決算

三菱ケミカルグループ(2022年4~9月期、11月8日発表)

医薬品事業の売上収益は2031億円(前年同期比6.4%増)、営業利益29億円(178.1%増)。国内医療用医薬品の売上収益は2.5%増の1553億円で、乾癬・クローン病・潰瘍性大腸炎治療薬「ステラーラ」(310億円、34.2%増)などが好調だった。ALS治療薬「ラジカヴァ」の海外売上高は197億円(57.5%増)。23年3月期の業績予想は、売上収益4100億円(従来予想比5億円増)、営業利益85億円(95億円減)に修正した。

 

参天製薬(2022年4~9月期、11月8日発表)

売上収益1289億1500億円(前年同期比0.1%増)、営業利益190億2100億円の赤字(前年同期は188億500万円の黒字)。米国事業で300億円の減損損失を計上したことで赤字となった。売上収益は、薬価改定があった国内や厳格な新型コロナウイルス対策を行う中国で前年を下回ったものの、中国を除くアジアやEMEA(欧州・中東・アフリカ)で医療用医薬品が伸びたほか、国内の一般用医薬品も好調だった。23年3月期の業績予想は、売上収益2800億円(従来予想比160億円増)、営業利益40億円(302億円減)に修正。国内医療用医薬品が想定を上回っており、円安の影響もあって売上収益は従来予想を上回るが、減損損失の計上が利益に響く。最終利益は55億円の赤字になる見込み。

 

明治HD(2022年4~9月期、11月8日発表)

医薬品セグメントの売上高は971億円(前年同期比5.5%増)、営業利益146億円(29.9%増)。国内の医薬品販売が好調だったほか、受託製造を行うインド子会社が増収となった。23年3月期の業績予想は上方修正し、売上高1992億円(従来予想比32億円増)、営業利益200億円(15億円増)を見込む。

 

科研製薬(2022年4~9月期、11月8日発表)

売上高368億1900億円(前年同期比2.0%減)、営業利益82億900万円(9.2%減)。薬価改定の影響で、関節機能改善剤「アルツ」や癒着防止吸収性バリア「セプラフィルム」などが売り上げを落とした。23年3月期の業績予想は、従来の売上高764億円、営業利益150億円を据え置いた。

 

キッセイ薬品工業(2022年4~9月期、11月8日発表)

売上高328億6400万円(前年同期比1.5%増)、営業利益6億2500万円の赤字(前年同期は2億7000万円の黒字)。過活動膀胱治療薬「ベオーバ」や腎性貧血治療薬「ダルベポエチン アルファBS注JCR」などが売り上げを伸ばした一方、スイス・オブシーバとのリンザゴリクスのライセンス契約解約に向けた海外臨床試験の引き継ぎで研究開発費が増加し、利益を圧迫した。23年3月期の業績予想は、売上高685億円(従来予想比5億円増)、営業利益5億円(23億円減)に修正した。

 

生化学工業(2022年4~9月期、11月8日発表)

売上高172億5800万円(前年同期比15.9%減)、営業利益26億1000万円(56.8%減)。ロイヤリティ収入の減少や薬価改定の影響で減収減益となった。「関節機能改善剤ジョイクルのショック、アナフィラキシー発現に関する原因究明の進捗を見極める必要がある」として開示を見送っていた23年3月期の業績予想は、売上高335億円、営業利益17億円と公表した。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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