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ニュース解説

2020年に日米欧で承認された新薬まとめ(1)

更新日

2020年に日本と米国、欧州で承認された主な新薬などを領域別にまとめました。1回目は「がん」「精神・神経」「神経筋疾患」「循環器・腎・代謝」です。(2回目はこちら

 

 

がん

【【がん】2020年に日米欧で承認された主な新薬】(★は先駆け審査指定制度(日)、ブレークスルーセラピー(米)、PRIME指定(欧)の対象)(―は未開発または開発段階不明)(製品名(一般名)/社名/適応/承認年/開発段階(日)/(米)/(欧)): 「Polivy」(polatuzumab vedotin)/ロシュ/びまん性大細胞型B細胞リンパ腫/申請/19★/20★ |「ニュベクオ」(ダロルタミド)/バイエル/去勢抵抗性前立腺がん/20/19/20 |「Ayvakit/Ayvakyt」(avapritinib)/米ブループリント/PDGFRA Exon 18変異型消化管間質腫瘍/―/20★/20 |「Tazverik」(tazemetostat)/米エピザイム/類上皮肉腫/濾胞性リンパ腫/申請/20★/― |「ベレキシブル」(チラブルチニブ)/小野薬品/中枢神経系原発リンパ腫/原発性マクロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫/20/―/― |「サークリサ」(イサツキシマブ)/サノフィ/多発性骨髄腫/20/20/20 |「カボメティクス/Cometriq」(カボザンチニブ)/米エクセリシス/武田薬品/仏イプセン/腎細胞がん/肝細胞がん/20/12★/14 |「エンハーツ」(トラスツズマブ デルクステカン)/第一三共/HER2陽性乳がん/HER2陽性胃がん/20★/19★/21 |「Trodelvy」(sacituzumab govitecan)/ギリアド/トリプルネガティブ乳がん/―/20★/― |「テプミトコ」(テポチニブ)/独メルク/MET遺伝子変異陽性非小細胞肺がん/20★/申請/申請 |「ステボロニン」(ボロファラン(10B))/ステラファーマ/頭頸部がん/20★/―/― |オニバイド/仏セルヴィエ/仏イプセン/膵がん/20/15/16 イリノテカン |「Pemazyre」/米インサイト/FGFR2融合遺伝子/申請/20★/申請 pemigatinib/陽性胆管がん/ 「Koselugo」(selumetinib)/アストラゼネカ/米メルク/小児の神経線維腫症1型/P1/20★/申請 |「Jelmyto」(mitomycin)/米ユーロジェン/低悪性度の上部尿路上皮がん/―/20★/― |「Tukysa」(tucatinib)/米シーゲン/HER2陽性乳がん/―/20★/申請 |「Retevmo」(selpercatinib)/イーライリリー/RET融合遺伝子陽性非小細胞肺がん/RET遺伝子変異型甲状腺がん/開発 後期/20★/申請 |「カルケンス」(アカラブルチニブ)/アストラゼネカ/慢性リンパ性白血病/21/17★/20 |「Qinlock」(ripretinib)/米デシフェラ/消化管間質腫瘍/―/20★/申請

|「タブレクタ」(カプマチニブ)/ノバルティス/MET遺伝子変異陽性非小細胞肺がん/20/20★/申請 |「Zepzelca」(lurbinectedin)/アイルランド・ジャズ/小細胞肺がん/―/20/― |「Phesgo」(pertuzumab/trastuzumab/hyaluronidase)/ロシュ/HER2陽性乳がん/P3/20/20 |「Daurismo」(glasdegib)/ファイザー/急性骨髄性白血病/P3/18/20 |「ロズリートレク」(エヌトレクチニブ)/ロシュ/NTRK融合遺伝子陽性固形がん/ROS1融合遺伝子陽性非小細胞肺がん/19★/19★/20★ |「Piqray」(alpelisib)/ノバルティス/PIK3CA遺伝子変異陽性HR陽性・HER2陰性乳がん/P3/19/20 |「Inqovi」(decitabine/cedazuridine)/大塚製薬/骨髄異形成症候群/慢性骨髄単球性白血病/P1/20/P3 |「Tecartus」(brexucabtagene autoleucel)/ギリアド/マントル細胞リンパ腫/―/20★/20 |「Monjuvi」(tafasitamab)/独モルフォシス/米インサイト/びまん性大細胞型B細胞リンパ腫/P1/20/申請 |「Blenrep」(belantamab mafodotin)/グラクソ・スミスクライン/多発性骨髄腫/P3/20★/20★ |「アキャルックス」セツキシマブ サロタロカンナトリウム/楽天メディカル/頭頸部がん/20★/P3/― |「Gavreto」(pralsetinib)/ブループリント/RET遺伝子変異陽性非小細胞肺がん/RET遺伝子変異型甲状腺がん/―/20/申請 |「ゼジューラ」(ニラパリブ)/GSK/武田薬品/卵巣がん/20/17★/17 |「Danyelza」(naxitamab)/米Y-mAbs/高リスク神経芽腫/―/20★/― |「Margenza」(margetuximab)/米マクロジェニクス/HER2陽性乳がん/―/20/― |「Orgovyx」(relugolix)/武田薬品/米マイオバント/前立腺がん/P3/20/― |※PMDA(日)、FDA(米)、EMA(欧)、各社の発表資料などをもとに作成

 

がん領域では、新たなターゲットに対する分子標的薬が複数登場しました。

 

キナーゼ阻害薬では、類上皮肉腫/濾胞性リンパ腫治療薬のEZH2阻害薬「Tazverik」(米エピザイム)や、胆管がん治療薬のFGFR阻害薬「Pemazyre」(米インサイト)が米国で承認。Tazverikはエーザイが日本で、Pemazyreはインサイトが日本と欧州で申請を済ませていて、今年承認される見通しです。

 

非小細胞肺がんでは、MET遺伝子やRET遺伝子の変異に対する薬剤が治療に加わりました。MET阻害薬は、「テプミトコ」(独メルク)が日本で、「タブレクタ」(スイス・ノバルティス)が日本と米国で承認。RET阻害薬は、米国で「Retevmo」(米イーライリリー)と「Gavreto」(米ブループリント)が承認されました。RET阻害薬は甲状腺がんの治療にも使われます。

 

米国で承認されたトリプルネガティブ乳がん治療薬「Trodelvy」(米ギリアド・サイエンシズ)は、抗TROP2抗体薬物複合体(ADC)。同薬は米イミュノメディクスが開発したもので、ギリアドは昨年10月に同社を買収し、固形がんの領域に参入しました。米国と欧州で承認された英グラクソ・スミスクラインの抗BCMA ADC「Blenrep」は、再発・難治性の多発性骨髄腫に対する世界初の抗BCMA療法です。

 

第一三共の抗HER2 ADC「エンハーツ」は、HER2陽性乳がんとHER2陽性胃がんの治療薬として日米で承認を取得。HER2陽性乳がんでは、米シーゲン(旧シアトルジェネティクス)の経口HER2阻害薬「Tukysa」(米国で承認)や、スイス・ロシュの「パージェタ」「ハーセプチン」の皮下投与配合剤「Phesgo」(米国と欧州で承認)、米マクロジェニクスのFc最適化抗HER2抗体「Margenza」(米国で承認)も登場し、治療の細分化が進んでいます。

 

精神・神経

 【【精神・神経】2020年に日米欧で承認された新薬】(★はブレークスルーセラピー(米)の対象)(―は未開発または開発段階不明)(―は未開発または開発段階不明)(製品名(一般名)/社名/適応/承認年/開発段階(日)/(米)/(欧)): 「Sunosi」(solriamfetol)/アイルランド・ジャズ/ナルコレプシーや閉塞性睡眠時無呼吸症の日中の過度の眠気/―/19/20 |「デエビゴ」(レンボレキサント)/エーザイ/不眠症/20/19/― |「Vyepti」(eptinezumab)/ルンドベック/片頭痛予防/―/20/申請 |「Nurtec」(rimegepant)/米バイオヘブン/片頭痛急性期治療/―/20/― |「ラツーダ」/大日本住友製薬/統合失調症/双極性障害/20/10/14 ルラシドン塩酸塩/ 「メラトベル」(メラトニン)/ノーベルファーマ/不眠症(小児)/20/―/― |「Fintepla」(fenfluramine)/米ゾゲニクス/ドラベ症候群の発作抑制/―/20★/20 |ブコラム(ミタゾラム)/武田薬品工業/てんかん重積状態/20/―/11 |※PMDA(日)、FDA(米)、EMA(欧)、各社の発表資料などをもとに作成

 

CGRPを標的とする片頭痛治療薬が、昨年新たに2つ承認されました。予防を適応とする抗CGRP抗体「Vyepti」(デンマーク・ルンドベック)と、急性期治療薬のCGRP受容体拮抗薬「Nurtec」(米バイオヘブン)で、いずれも米国で販売を開始。CGRPを標的とする片頭痛治療薬は18年から海外で販売されており、VyeptiとNurtecを含めると予防薬4剤と急性期治療薬2剤が販売中。日本でも今年1月に日本イーライリリーの抗CGRP抗体「エムガルディ」が承認を取得し、ほかにもCGRPを標的とする抗体医薬2剤が承認される見通しです。

 

精神・神経領域ではこのほか、大日本住友製薬の抗精神病薬「ラツーダ」が、米国での承認から10年遅れて日本で承認を取得。不眠症治療薬「デエビゴ」(エーザイ)や小児の不眠症治療薬「メラトベル」(ノーベルファーマ)なども日本で承認されました。

 

神経筋疾患

【【神経筋疾患】2020年に日米欧で承認された新薬】(★は先駆け審査指定制度(日)、ブレークスルーセラピー(米)、PRIME指定(欧)の対象)(―は未開発または開発段階不明)(製品名(一般名)/社名/適応/承認年/開発段階(日)/(米)/(欧)): 「メーゼント」(シポニモド)/ノバルティス/多発性硬化症/20/19/20 |「ゾルゲンスマ」(オナセムノゲン アベパルボベク)/ノバルティス/脊髄性筋萎縮症/20★/19★/20★ |「Zeposia」(ozanimod)/ブリストル/多発性硬化症/P2/3/20/20 / 「ビルテプソ」(ビルトラルセン)/日本新薬/デュシェンヌ型筋ジストロフィー/20★/20/― |「オンジェンティス」(オピカポン)/小野薬品工業/米ニューロクリン/パーキンソン病/20/20/16 |「エンスプリング」(サトラリズマブ)/ロシュ/視神経脊髄炎スペクトラム障害/20/20★/申請 |「Uplizna」(inebilizumab)/米ビエラ・バイオ/田辺三菱製薬/視神経脊髄炎スペクトラム障害/申請/20★/申請 |「Evrysdi」risdiplam/ロシュ/脊髄性筋萎縮症/申請/20/申請★ |※PMDA(日)、FDA(米)、EMA(欧)、各社の発表資料などをもとに作成

 

デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬「ビルテプソ」は、日本新薬と国立精神・神経医療研究センターが共同開発したアンチセンス核酸医薬。日本で生まれた初の核酸医薬で、日本と米国で承認されました。

 

ロシュの脊髄性筋萎縮症治療薬「Evrysdi」(米国で承認)は、スプライシングを修飾する低分子化合物で、脊髄性筋萎縮症に対する初の経口薬。日本と米国で承認を取得した視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)治療薬「エンスプリング」は、中外製薬が創製したpH依存的結合性ヒト化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体です。

 

NMOSDでは、米ビエラ・バイオの抗CD19抗体「Uplizna」も米国で承認されました。日本では田辺三菱製薬が申請中です。

 

循環器・腎・代謝

【【循環器・腎・代謝】2020年に日米欧で承認された新薬】(★はブレークスルーセラピー(米)、PRIME指定(欧)の対象)(―は未開発または開発段階不明)(製品名(一般名)/社名/適応/承認年/開発段階(日)/(米)/(欧)): <▼循環器> 「エンレスト」(サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)/ノバルティス/慢性心不全/20/15/15 <▼腎> 「ロケルマ」(ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物)/アストラゼネカ/高カリウム血症/20/18/18 |「バフセオ」(バダデュスタット)/田辺三菱製薬/腎性貧血/20/P3/P3 |「ダーブロック」(ダブロデュスタット)/GSK/腎性貧血/20/―/― 「エナロイ」(エナロデュスタット)/日本たばこ産業/腎性貧血/20/―/― <▼代謝・内分泌> 「ユリス」(ドチヌラド)/富士薬品/痛風/高尿酸血症/20/―/― |「Isturisa」(osilodrostat)/伊レコルダティ/クッシング症候群/―/20/20

|「Nexletol/Nilemdo」(bempedoic acid)/米エスペリオン/第一三共/高コレステロール血症/―/20/20 「Nexlizet/Nustendi」(bempedoic acid/ezetimibe)/米エスペリオン/第一三共/高コレステロール血症/―/20/20 |「Givlaari」(givosiran)/アルナイラム/急性肝性ポルフィリン症/申請/19★/20★ |「ルムジェブ」(インスリン リスプロ)/イーライリリー/糖尿病/20/20/20 |「バクスミー」(グルカゴン)/イーライリリー/低血糖時の救急処置/20/19/19 |「ソリクア」(インスリン グラルギン)/サノフィ/糖尿病/20/16/17 |「リベルサス」(セマグルチド ノルディスク)/ノボ/2型糖尿病/20/19/20 |「Dojolvi」(triheptanoin)/米ウルトラジェニクス/長鎖脂肪酸代謝異常症/―/20/― |「Sogroya/ソグルーヤ」(ソマプシタン)/ノボノルディスク/成長ホルモン分泌不全症/21/20/申請 |「Leqvio」(inclisiran)/ノバルティス/高コレステロール血症/―/申請/20 |「Imcivree」(setmelanotide)/米リズム/肥満症/―/20★/申請★ |「Oxlumo」(lumasiran)/アルナイラム/原発性高シュウ酸尿症1型/―/20★/20★|「Libmeldy」(Autologous CD34+cells/encoding ARSA gene)/英オーチャード/異染性白質ジストロフィー/―/―/20 |※PMDA(日)、FDA(米)、EMA(欧)、各社の発表資料などをもとに作成

 

ノバルティスの慢性心不全治療薬「エンレスト」は、アンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬。昨年、米欧での承認から5年遅れで日本でも承認されました。同薬はノバルティス最大の成長ドライバーで、20年の世界売上高は2000億円を突破しそうです。

 

RNAi核酸医薬を手掛ける米アルナイラムは、原発性高シュウ酸尿症1型治療薬「Oxlumo」(米国と欧州で承認)と急性肝性ポルフィリン症治療薬「Givlaari」(欧州で承認)の承認を取得。Givlaariは米国でも19年に承認されており、日本では昨年、申請を行いました。

 

ノバルティスの高コレステロール血症治療薬「Leqvio」(欧州で承認)もアルナイラムが創製したRNAi核酸医薬。年2回の投与で済むのが特徴です。高コレステロール血症では、米エスペリオン創製のベムペド酸を含む非スタチン系薬剤「Nexletol/Nilemdo」と、ベムペド酸とエゼチミブの配合剤「Nexlizet/Nustendi」も米国と欧州で承認。欧州では第一三共が販売しています。

 

デンマーク・ノボ ノルディスクの長時間作用型ヒト成長ホルモン「Sogroya/ソグルーヤ」は昨年、米国で承認を取得し、日本でも今年1月に承認を取得。従来は週6~7回の投与が必要でしたが、週1回の投与で治療できるようになりました。同社の経口GLP-1受容体作動薬「リベルサス」も、19年の米国に続いて日本と欧州で承認されました。

 

(亀田真由)

 

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