杏林「デザレックス」11月18日から供給再開の見込み
キョーリン製薬ホールディングスは10月28日、子会社・杏林製薬が今年1月から供給を停止している抗アレルギー薬「デザレックス」(一般名・デスロラタジン)について、11月18日から供給を再開できる見込みだと発表した。同薬は、製造販売元であるMSDの原薬保管施設に関わる薬事手続きに不備があり、今年1月7日から自主回収を行うとともに供給を停止。その後、MSDが製造販売承認書の一部変更を完了し、安定供給に必要な在庫量を確保するなど、供給再開に向けた準備が整った。
アステラス、ASP1128が米でファストトラック指定
アステラス製薬は10月28日、開発中の選択的PPARδ調整薬「ASP1128」が米FDA(食品医薬品局)からファストトラックの指定を受けたと発表した。指定を受けたのは「冠動脈バイパスおよび/または冠動脈弁の手術後の中等度から重度の急性腎障害を発症するリスクが高い患者」を対象とした開発で、現在、臨床第2相(P2)試験を行っている。
ASP1128は、腎細胞のミトコンドリアでの脂肪酸の酸化を促進することで、心臓手術後にストレスを受けた腎臓細胞を保護すると考えられている。
アンジェス 利益予想を下方修正、試験費用かさむ
アンジェスは10月28日、2019年12月期連結業績の利益予想を下方修正すると発表した。修正後の予想は、営業利益と経常利益が33億円の赤字(いずれも従来予想は28億円の赤字)、純利益が37億円の赤字(28億円の赤字)。遺伝子治療薬「コラテジェン」の慢性動脈閉塞症の安静時疼痛を対象とした国内P3試験に伴う費用や、同薬の米国での新試験準備に伴う費用など、試験費用がかさむ。
決算
大日本住友製薬(2019年4~9月期、10月28日発表)
売上高2306億300万円(前年同期比2.0%増)、営業利益668億3500万円(125.7%増)。主力の抗精神病薬「ラツーダ」の伸長や中国事業の拡大で増収。買収企業の条件付対価公正価値が減少し、費用の戻入が発生したことで、営業利益は大幅な増益となった。国内の売上高は642億円(3.3%減)。糖尿病治療薬「トルリシティ」や販売提携を開始した同「エクア」「エクメット」が貢献したものの、長期収載品の売り上げ減少で減収となった。