タカラバイオ 腫瘍溶解性ウイルスの申請取り下げ、膵臓がんに注力
タカラバイオは9月27日、腫瘍溶解性ウイルス「C-REV」(一般名・canerpaturev)のメラノーマを対象とした承認申請を取り下げると発表した。同日付で医薬品医療機器総合機構(PMDA)に申請の取り下げ願を提出した。今後は医療ニーズの高い膵臓がんでの開発に注力する。
タカラバイオは今年3月にC-REVを申請。国内臨床第2相(P2)試験の結果から、再生医療等製品の条件・期限付き承認の要件の1つである「有効性の推定」が可能と判断したが、申請後のPMDAとの協議で一般の抗がん剤と同様の有効性評価が求められるとの見解が示されたという。メラノーマには近年、複数の薬剤が承認されており、治療体系の変化も考慮して申請の取り下げを決めた。膵臓がんではP1試験を実施中。
GSK「ザンタック」を自主回収、発がん性物質混入疑いで
欧米で消化性潰瘍・胃食道逆流症治療薬ラニチジンから微量の発がん性物質が検出された問題で、グラクソ・スミスクラインは9月26日から、同薬を有効成分とする「ザンタック」の自主回収を始めた。同社は実際にザンタックに発がん性物質が混入しているか調べているが、製造を委託している海外工場に対し、欧州医薬品品質部門が欧州での販売を中断するよう通告。この委託先の原薬を使っている製品について、予防的措置として自主回収を行うことを決めた。
大塚「AVP-786」認知症アジテーション2本目のP3試験失敗
大塚製薬は9月27日、米子会社アバニアが開発している「AVP-786」について、アルツハイマー型認知症に伴う行動障害(アジテーション)を対象とした2本目のP3試験で主要評価項目を達成できなかったと発表した。AVP-786は、重水素化したデキストロメトルファンにとキニジンを配合した新規化合物。1本目のP3試験では、2用量のうち1用量で主要評価項目を統計学的に有意に改善した。アバニアは2本の試験結果を詳細に解析し、今後の開発方針を検討する。
ノボ、インスリンとGLP-1受容体作動薬の配合剤「ゾルトファイ」を発売
ノボノルディスクファーマは9月26日、2型糖尿病治療薬「ゾルトファイ配合注」を発売したと発表した。持効型インスリン「トレシーバ」(インスリン デグルデク)とGLP-1受容体作動薬「ビクトーザ」(リラグルチド)を固定比率で配合したもので、基礎インスリンとGLP-1受容体作動薬の配合剤は国内初。薬価は1キット5293円(1日薬価882円)で、ピーク時に62億円の売り上げを見込む。
18年度の概算医療費、0.8%増の42.6兆円
厚生労働省は9月26日、2018年度の概算医療費が前年度比0.8%(0.3兆円)の42.6兆円となったと発表した。診療種類別では、入院が17.3兆円(2.0%増)、入院外が14.6兆円(1.0%増)、歯科が3.0兆円(1.9%増)、調剤が7.5兆円(3.1%減)。概算医療費は労災や全額自費診療の費用を含まず、医療機関などを受診して治療にかかった費用全体の推計値である国民医療費の約98%に相当する。
スズケン Dr.JOYと資本業務提携…製薬企業や医療機関向けにソリューション開発へ
スズケンは6月27日、医療ITのDr.JOY(東京都渋谷区)と資本業務提携すると発表した。Dr.JOYは医療機関向けコミュニケーションツール「ドクタージョイ」や医療従事者とMRの面談予約システム「パートナージョイ」を展開。スズケンはDr.JOYが行う第三者割当増資を2億9900万円で引き受け、両社の取引チャネルやノウハウを生かした新たなソリューションを開発・展開する。
アルフレッサ、ヤマト運輸と薬局の在宅医療支援サービス
アルフレッサホールディングス(HD)は9月26日、子会社アルフレッサがヤマト運輸と調剤薬局向けの在宅医療支援サービスを共同開発したと発表した。薬剤師がタブレット端末で栄養食品などを患者に紹介し、購入した商品をヤマト運輸が患者の自宅に届ける。商品の調達・保管はアルフレッサが行い、薬局は在庫を抱えなくても幅広い商品を患者に提供できるようになる。