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2024年に日米欧で承認された主な新薬まとめ(2)―がん/血液/神経・筋/精神・中枢神経/眼

更新日

亀田真由

2024年に日本と米国、欧州で承認された主な新薬を領域別にまとめました。2回目と3回目は疾患領域別に解説。2回目は「がん(固形がん・血液がん)」「血液」「神経・筋」「精神・中枢神経」「眼」の5領域です。

 

 

固形がん

【固形がん】2024年に日米欧で承認された主な新薬/〈製品名/社名/作用機序/適応//承認年/開発段階・日・/欧〉ビロイ/アステラス製薬/抗CLDN18.2抗体/Claudin18.2陽性の胃がん/24 /24 /24 /Tevimbra/中国ベイジーン/抗PD-1抗体/食道扁平上皮がん、非小細胞肺がん(欧)/申請/24 /23 /Unloxcyt/米チェックポイント/抗PD-L1抗体/皮膚扁平上皮がん/―/24 /"申請/保留中/Cejemly/中国Cstone/抗PD-L1抗体/非小細胞肺がん/―/開発中/24 /Loqtorzi/中国ジュンシー/抗PD-1抗体/鼻咽頭がん、食道扁平上皮がん(欧)/P3*/23 /24 /Zynyz/米インサイト/抗PD-1抗体/メルケル細胞がん/P3*/23 /24 /Elahere/米アッヴィ/武田薬品工業/抗FRα ADC/プラチナ製剤抵抗性卵巣がん、卵管がん、腹膜がん/P2/22 /24 /ダトロウェイ/第一三共/英アストラゼネカ/抗TROP2 ADC/HR陽性・HER2陰性の乳がん/24 /25 /申請/トロデルビ/米ギリアド/抗TROP2 ADC/トリプルネガティブ乳がん、HR陽性・HER2陰性の乳がん(米欧)/24 /20 /21 /ライブリバント/米ヤンセン/抗EGFR/MET二重特異性抗体/EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の非小細胞肺がん/24 /21 /21 /イムデトラ/米アムジェン/抗DLL3/CD3二重特異性抗体/進展型小細胞肺がん/24 /24 /P3/Bizengri/オランダ・メーラス/抗HER2/HER3二重特異性抗体/NRG1融合遺伝子を有する非小細胞肺がん・膵臓腺がん/P2/24 /P2/Ziihera/アイルランド・ジャズ/抗HER2二重特異性抗体/HER2陽性胆道がん/P3/24 /申請/Anktiva/米イミュニティバイオ/IL-15受容体アゴニスト/筋層非浸潤膀胱がん/―/24 /申請/Amtagvi/米イオバンス/腫瘍由来T細胞免疫療法/悪性黒色腫/―/24 /申請/Tecelra/英アダプティミューン/MAGE-A4 TCR-T細胞療法/滑膜肉腫//24 /P2/Lazcluze/米ヤンセン/EGFR阻害薬/非小細胞肺がん(+ライブリバント)/申請/24 /23 /oranigo/仏セルヴィエ/IDH1/2阻害薬/IDH変異型神経膠腫/申請/24 /申請/Itovebi/スイス・ロシュ/PI3K阻害薬/PIK3CA遺伝子変異陽性・HR陽性・HER2陰性乳がん/"開発/準備中"/24 /申請/Ensacove/中国Betta/ALK阻害薬/ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がん/―/24 /P3/Ojemda/米デイ・ワン/タイプIIのRAF阻害薬/小児のBRAF V600変異陽性の低悪性度神経膠腫/―/24 /P3/Krazati/米ブリストル/KRAS G12C阻害薬/KRAS G12C変異陽性の非小細胞肺がん、(米)大腸がん/―/22 /24 /トルカプ/英アストラゼネカ/AKT阻害薬/HR陽性・HER2陰性乳がん/24 /23 /24 /フリュザクラ/中国ハッチメッド/武田薬品工業/VEGFR1/2/3阻害薬/結腸・直腸がん/24 /23 /24 /バルバーサ/米ヤンセン/FGFR阻害薬/FGFR3遺伝子変異・融合遺伝子を有する尿路上皮がん/24 /19 /24 /タスフィゴ/エーザイ/FGFR阻害薬/FGFR2融合遺伝子陽性の胆道がん/24 /―/―/ハイイータン/中国ハイへ/MET阻害薬/MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の非小細胞肺がん/24 /P2/―/オータイロ/米ブリストル/チロシンキナーゼ阻害薬/ROS1融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん/24 /23 /申請/ターゼナ/米ファイザー/PARP阻害薬/BRCA遺伝子変異陽性の去勢抵抗性前立腺がん、HER2陰性乳がん/24 /18 /19※PMDA(日)、FDA(米)、EMA(欧)、各社の発表資料などをもとに作成※*は承認済みの適応症と異なる適応で開発

 

抗体医薬では、アステラス製薬の抗CLDN18.2抗体「ビロイ」が、胃がん治療薬として日本と米国、欧州の3極で承認。米チェックポイント・セラピューティクスの抗PD-L1抗体「Unloxcyt」(適応・皮膚扁平上皮がん)と中国Cstoneの同「Cejemly」(非小細胞肺がん)は、それぞれ米国、欧州で3極初の承認を取得しました。Cejemlyは中国で21年に承認されています。

 

第一三共と英アストラゼネカが共同開発する抗TROP2 ADC「ダトロウェイ」は、日本で昨年末、米国で今年1月にHR陽性・HER2陰性乳がん治療薬として承認。アストラゼネカは同薬について、ピーク時に50億ドル以上の売り上げを見込んでいます。同クラスの「トロデルビ」(米ギリアド)も、米国の承認から4年越しに日本で承認されました。

 

二重特異性抗体では、▽DLL3/CD3標的の肺がん治療薬「イムデトラ」(米アムジェン)▽HER2/HER3標的の肺がん・膵臓腺がん治療薬「Bizengri」(オランダ・メーラス)▽HER2標的の胆道がん治療薬「Ziihera」(アイルランド・ジャズ ファーマシューティカルズ)――が米国で世界に先駆けて承認を取得。いずれも日米欧で開発が進んでおり、イムデトラは日本でも昨年12月に承認されました。分子標的薬としては、米イミュニティバイオのIL-15受容体アゴニスト「Anktiva」や仏セルヴィエのIDH1/2阻害薬「Voranigo」、スイス・ロシュのPI3K阻害薬「Itovebi」なども承認されています。

 

このほか、滑膜肉腫に対する英アダプティミューンのTCR遺伝子改変T細胞(TCR-T)療法「Tecelra」が米国で迅速承認を取得。患者の腫瘍組織に由来するT細胞免疫療法「Amtagvi」(米イオバンス)も米国で迅速承認を受けています。

 

血液がん

【血液がん】2024年に日米欧で承認された主な新薬/。―は未開発または開発段階非公開 〈製品名/社名/作用機序/適応/承認年/開発段階日・米・欧〉Revuforj/米シンダックス/メニン阻害薬/KMT2A転座を有する急性白血病/―/24 /P3|Aucatzyl/英Autolus/抗CD19 CAR-T細胞療法/B細胞急性リンパ芽球性白血病/―/24 /申請|Rytelo/米ジェロン/テロメラーゼ阻害(核酸医薬)/骨髄異形成症候群/―/24 /申請 レミトロ/Lymphir/エーザイ/米シティウス/IL-2/ジフテリア毒素の融合タンパク/皮膚T細胞性リンパ腫、末梢性T細胞リンパ腫(日)/21 /24 /―|Ordspono/米リジェネロン/抗CD3/CD20二重特異性抗体/濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫/P2/"再申請|準備中"/24 |Ryzneuta/中国Yifan/長時間作用型G-CSF製剤/がん化学療法に伴う好中球減少症/―/23 /24 /オムジャラ/Ojjaara/英GSK/JAK1/2・ACVR1阻害薬/骨髄線維症/24 /23 /24 /エルレフィオ/米ファイザー/抗BCMA/CD3二重特異性抗体/多発性骨髄腫/24 /23 /23 /テクベイリ/米ヤンセン/抗BCMA/CD3二重特異性抗体/多発性骨髄腫/24 /22 /22 /ルンスミオ/スイス・ロシュ/抗CD3/CD20二重特異性抗体/濾胞性リンパ腫/24 /22 /22 /ジャイパーカ/米イーライリリー/BTK阻害薬/マントル細胞リンパ腫/24 /23 /23 /ブルキンザ/中国ベイジーン/BTK阻害薬/慢性リンパ性白血病、原発性マクログロブリン血症・リンパ形質細胞リンパ腫/24 /19 /21 /レブロジル/米ブリストル/TGF-β阻害薬/骨髄異形成症候群/24 /19 /20 /ビキセオス/アイルランド・ジャズ/日本新薬/DNA合成阻害(リポソーム製剤)/高リスク急性骨髄性白血病/24 /17 /18 /PMDA(日)、FDA(米)、EMA(欧)、各社の発表資料などをもとに作成

 

血液がんでは、米シンダックスのメニン阻害薬「Revuforj」が米国で初めて承認されました。メニン阻害薬は、MLL融合タンパク質や変異NPM1遺伝子タンパク質の白血病誘導を抑制する作用を持っており、特定の急性白血病などに効果が期待されることから開発競争が活発になっています。Revuforjは欧州でP3試験を進行中です。

 

米リジェネロンの「Ordspono」は、CD20とCD3を標的とする二重特異性抗体。24年8月に欧州で承認されました。米国でも申請を行っていましたが、確認試験の被験者登録が遅れていることから承認が見送られています。二重特異性抗体では、日本でもCD20とCD3を標的とする「ルンスミオ」(スイス・ロシュ)、BCMAとCD3を標的とする「テクベイリ」(米ヤンセン)と「エルレフィオ」(米ファイザー)が米欧に続いて承認されました。

 

新規モダリティでは、米国でテロメラーゼ阻害作用を持つ核酸医薬「Rytelo」(米ジェロン)やCD19標的のCAR-T細胞療法「Aucatzyl」(英Autolus)などが承認されました。

 

血液

【血液】2024年に日米欧で承認された主な新薬〈製品名/社名/作用機序/適応/承認年/開発段階日・米・欧〉―は未開発または開発段階非公開。ファビハルタ/スイス・ノバルティス/補体B因子阻害/発作性夜間ヘモグロビン尿症/24/23/24/ピアスカイ/スイス・ロシュ/抗補体(C5)抗体/発作性夜間ヘモグロビン尿症/24/24/24/ボイデヤ/米アレクシオン/補体D因子阻害/発作性夜間ヘモグロビン尿症/24/24/24/ヒムペブジ/米ファイザー/抗TFPI抗体/血友病A・B/24/24/24/アレモ/デンマーク・ノボ/抗TFPI抗体/血友病A・B/23/24/24/オルツビーオ/仏サノフィ/スウェーデンSobi/週1回の血液凝固第VIII因子製剤/血友病A/23/23/24/Beqvez/米ファイザー/FIX R338L変異体を発現する遺伝子組換えAAVベクター/血友病B/申請/24/24/オビザー/武田薬品工業/ブタ配列血液凝固第VIII因子製剤/後天性血友病A/24/14/15/アジンマ/武田薬品工業/ADAMTS13酵素補充療法/先天性血栓性血小板減少性紫斑病/24/23/24/セプーロチン/武田薬品工業/乾燥濃縮人プロテイン/先天性プロテイン C 欠乏症/24/07/01/Casgevy/米バーテックス/ex vivo CRISPR/Cas9 遺伝子編集細胞療法/"鎌状赤血球症/ベータサラセミア"/―/23/24/※PMDA(日)、FDA(米)、EMA(欧)、各社の発表資料などをもとに作成

 

血液領域では24年、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を対象に、日米欧で抗補体(C5)抗体「ピアスカイ」と補体D因子阻害薬「ボイデヤ」、日欧で補体B因子阻害薬「ファビハルタ」(米では23年に承認)が承認されました。ボイデヤとファビハルタはいずれも新規作用機序を持つ経口薬。ピアスカイは、中外製薬が創製したリサイクリング抗体で、従来の抗補体(C5)抗体と比較して長期間隔での投与を可能にしています。

 

関連記事:新薬出揃ったPNH、市場競争本格化…患者1000人の疾患に1年で4つの新製品(編注:日本国内の状況に関する記事)

 

血友病Bには、米ファイザーの遺伝子治療薬「Beqvez」が米欧で承認。23年承認の血友病A治療薬「Roctavian」(米バイオマリン)、22年承認の血友病B治療薬「Hemgenix」(豪CSLベーリング)に続く遺伝子治療薬となります。日本ではBeqvezが申請中で、今年、根治治療への道が開かれるかもしれません。血友病では、ファイザーの抗TFPI抗体「ヒムペブジ」が日米欧3極で承認。同「アレモ」は、23年の日本承認に続いて米欧で承認されました。

 

このほか武田薬品が、▽後天性血友病A治療薬「オビザー」(日)▽先天性血栓性血小板減少性紫斑病「アジンマ」(日欧)▽先天性プロテイン C 欠乏症「セプーロチン」(日)――の承認を取得。いずれもシャイアー買収を通じて獲得した製品で、オビザーは米国承認から10年、セプーロチンは欧州承認から23年遅れでの承認となりました。

 

神経・筋

【神経・筋】2024年に日米欧で承認された主な新薬/。―は未開発または開発段階非公開〈製品名/社名/作用機序/適応/承認年/開発段階日・米・欧〉Duvyzat//HDAC阻害薬/デュシェンヌ型筋ジストロフィー/―/24/申請/ヴィアレブ/PRODUODOPA/米アッヴィ/持続投与型レボドパ/カルビドパプロドラッグ/進行期パーキンソン病/22/24/22/KebiLidi/Upstaza/米PTC/DDC遺伝子を送達する遺伝子治療薬/AADC欠損症/―/24/22/リスティーゴ/ベルギーUCB/抗FcRn抗体/全新型重症筋無力症/23/23/24/Skyclarys/米バイオジェン/Nrf2活性化薬/フリードライヒ運動失調症/―/23/24/クアルソディ/米バイオジェン/SOD1タンパク質の生成抑制(核酸医薬)/SOD1遺伝子変異を有するALS/24/23/24/ロゼバラミン/エーザイ/活性型ビタミンB12/ALS/24/―/―/ファダプス/ダイドーファーマ/米カタリスト/ベルギーSERB/カリウムイオンチャネル阻害薬/ランバート・イートン筋無力症候群/24/18/09/アクーゴ/サンバイオ/神経細胞の再生を促す細胞治療/外傷性脳損傷/24/―/―/アセノベル/ノーベルファーマ/筋組織内の低シアリル化状態の是正/縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー/24/―/―/PMDA(日)、FDA(米)、EMA(欧)、各社の発表資料などをもとに作成

 

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)には、HDAC阻害薬「Duvyzat」が米国で承認されました。DMDにはこの数年、特定の遺伝子変異を持つ患者への治療薬が承認されてきましたが、イタリアのItalfarmacoが開発したDuvyzatはあらゆる遺伝子変異を持つ患者に使用できるのが特徴。欧州でも申請を済ませています。

 

米バイオジェンは、23年に米国で承認されたNrf2活性化薬「Skyclarys」(適応・フリードライヒ運動失調症)と核酸医薬「クアルソディ」(SOD1遺伝子変異を有する筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉)について、それぞれ欧州、日本・欧州での承認を取得。ALSに対しては、日本で医師主導治験の結果をもとにエーザイの「ロゼバラミン」も承認されました。

 

このほか、ダイドーファーマのカリウムイオンチャネル阻害薬「ファダプス」(ランバート・イートン筋無力症候群)やサンバイオの細胞治療「アクーゴ」(外傷性脳損傷)などが日本で承認を取得。アクーゴは損傷した神経細胞の再生能力を促す作用を持ち、慢性期の運動麻痺の改善が期待されています。

 

精神・中枢神経

【精神・中枢神経】2024年に日米欧で承認された主な新薬。―は未開発または開発段階非公開。〈製品名/社名/作用機序/適応/承認年/開発段階日・米・欧〉/Cobenfy/米ブリストル/ムスカリン受容体作動薬/統合失調症/P3/24/P3/ケサンラ/米イーライリリー/抗N3pGAβ抗体/アルツハイマー病/24/24/申請/クービビック/スイス・イドルシア/ネクセラ/OX1R/OX2R拮抗薬/不眠症/24/22/22/ブリィビアクト/ベルギーUCB/SV2A作用/てんかん/24/16/16/※PMDA(日)、FDA(米)、EMA(欧)、各社の発表資料などをもとに作成

 

精神・中枢神経領域で期待を集めた新薬の1つが、米ブリストルの統合失調症治療薬「Cobenfy」。ムスカリンM1/M4受容体を標的とするもので、米国で数十年ぶりの新規作用機序の薬として24年9月に承認されました。ドパミン2受容体を標的とする従来の抗精神病薬に見られる体重増加や運動障害といった副作用がないことから大型化が期待されています。米カルナ・セラピューティクス買収で獲得した製品で、日本と欧州でもP3試験段階。アルツハイマー病に伴う精神病での開発も進んでいます。

 

関連記事:米国で数十年ぶり新クラスの抗精神病薬承認…ブリストルの「Cobenfy」、専門家は「ゲームチェンジャー」と期待

 

米イーライリリーのアルツハイマー病治療薬「ケサンラ」にも注目が集まりました。脳内のアミロイドβプラークを標的とする抗体医薬で、日米で承認を取得。日本ではこのほか、不眠症治療薬「クービビック」が承認。スイス・イドルシアファーマシューティカルズが開発してきたデュアルオレキシン受容体拮抗薬で、同社日本法人を傘下に収めたネクセラファーマが承認を取得しました。

 

【眼】2024年に日米欧で承認された主な新薬。―は未開発または開発段階非公開〈製品名/社名/作用機序/適応/承認年/開発段階日・米・欧〉リジュセア/参天製薬 ムスカリン受容体可逆的拮抗薬/近視の抑制/24/P3/P3/テッペーザ/米アムジェン/抗IGF-1R抗体/活動性甲状腺眼症/24/20/申請/Akantior/伊SIFI/抗アメーバポリマー/アカントアメーバ角膜炎/―/申請準備中/24/Lytenava/米アウトルック/抗VEGF抗体/滲出加齢黄斑変性/―/開発中/24/Vevye/Vevizye/独Novaliq/仏テア/免疫抑制剤/ドライアイ/―/23/24/※PMDA(日)、FDA(米)、EMA(欧)、各社の発表資料などをもとに作成※*は、点眼液の有効成分の含有量が承認済み製品と異なる

 

眼科領域では、イタリアSIFIの「Akantior」がアカントアメーバ角膜炎(AK)に対する初の治療薬として欧州で承認を取得しました。AKは、アカントアメーバによって引き起こされる急性重症寄生性角膜感染症で、ソフトコンタクトレンズの使用者などにみられます。米国でも、26年の申請に向けてFDAとの協議を進めています。

 

米アウトルック・セラピューティクスの「Lytenava」は、抗VEGF抗体ベバシズマブの眼科用製剤。がん領域では「アバスチン」として知られ、これまでは適応外使用が行われていました。眼科用製剤は欧州で先行して承認を取得。米国でも臨床試験を行っています。

 

日本では、参天製薬が近視進行を抑制する新薬「リジュセア」の承認を取得。シンガポールの国立眼科・視覚研究所と共同で開発を進めてきた点眼液で、有効成分のアトロピン硫酸塩水和物を0.025%含有しています。米国や欧州では米Sydnexisが低用量アトロピン点眼液(0.01/0.03%)のP3試験を進めており、参天は欧州と中東、アフリカで同薬のライセンス権を持っています。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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