メタジェンセラピューティクス「マイクロバイオーム薬」治験薬製造施設設立へ/大正製薬、不眠症薬を申請 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2024年9月12日)
更新日
AnswersNews編集部
メタジェンセラピューティクス「マイクロバイオーム薬」治験薬製造施設設立へ、JSRと提携
メタジェンセラピューティクスは9月12日、素材大手のJSR(東京都港区)と、腸内細菌叢移植(FMT)医薬品の治験薬製造施設の設立に向けて提携したと発表した。施設はJSRのライフサイエンス分野の研究所「JSR Bioscience and informatics R&D center」(川崎市)のコラボレーションラボ内に設置。2025年3月の完成を予定している。メタジェンセラピューティクスは前臨床段階で潰瘍性大腸炎に対する経口FMT医薬品候補を開発しており、施設の完成後、治験薬製造の準備に入る。JSRは製造をサポートするとともに、将来の同医薬品の製造に向けた調査・検討を行う。
大正製薬、自社創製のオレキシン受容体拮抗薬を申請
大正製薬は9月12日、自社創製のオレキシン受容体拮抗薬ボルノレキサント水和物を不眠症の適応で申請したと発表した。国内で行った臨床第3相(P3)試験では、入眠効果を評価する「sSL」と睡眠維持効果を評価する「sSE」の両方で、プラセボに比べて統計学的に有意な改善が認められた。
国がんとエーザイ、患者由来組織移植モデルで抗がん剤の効果確認…医師主導治験開始
国立がん研究センターとエーザイは9月12日、エーザイが創製した標的タンパク質分解誘導薬「E7820」について、日本人患者由来の腫瘍組織を免疫不全マウスに移植した「患者由来組織移植(PDX)モデル」でがん種横断的な薬効評価を行い、腫瘍縮小効果を確認したと発表した。国がんは同薬の医師主導P1試験を開始。両者で承認取得を目指して臨床開発を進める。両者は2021年から、日本医療研究開発機構の支援を受けて抗がん剤開発を加速させる創薬研究手法について研究している。これまでの抗がん剤開発では、治療効果の予測に使う細胞株による実験モデルの予測能の低さが課題の1つだった。PDXは予測精度が高く、開発の加速につながると期待される。国がんは臨床情報を付帯した日本人患者由来のPDXライブラリーを20年に構築。今年7月現在でがん種横断的に651のモデルを保有している。
オプジーボとヤーボイの併用療法、MSI-High結腸・直腸がん1次治療への適応拡大申請
小野薬品工業とブリストル・マイヤーズスクイブは9月12日、抗PD-1抗体「オプジーボ点滴静注」(一般名・ニボルマブ)と抗CTLA-4抗体「ヤーボイ点滴静注液」(イピリムマブ)との併用療法について、「治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん」への適応拡大を申請したと発表した。MSI-High結腸・直腸がんの適応では、化学療法後に増悪した患者を対象にオプジーボの単剤療法とヤーボイとの併用療法が承認されている。今回の申請が承認されれば、併用療法が1次治療でも使えるようになる。
サンバイオ、外傷性脳損傷患者・家族向け情報サイト開設
サンバイオは9月12日、外傷性脳損傷患者向けの情報サイト「TBIナビ」を開設したと発表した。患者とその家族を対象に、治療や再生医療、支援制度などに関する情報を発信する。同社は今年7月、外傷性脳損傷に対する細胞治療薬「アクーゴ脳内移植用注」の条件・期限付き承認を取得。発売に向けた市販用製品の製造を通じて承認条件となっている治験薬との同等性/同質性の評価を行い、来年2~4月に出荷が可能になると想定している。
AGCとメディネット、細胞治療薬CDMOで提携
AGCとメディネットは9月11日、細胞治療薬CDMO事業で戦略的パートナーシップ契約を結んだと発表した。AGCはメディネットに人材を派遣し、同社のCDMOオペレーション支援を通じて知見を蓄積。2026年に予定する横浜拠点での細胞治療薬CDMOサービスの開始に向けた準備を進める。一方、メディネットはAGCの国内外の拠点と連携して開発・製造の規模を拡大。サービス提案の幅を広げるとともに、自社品の探索・開発を加速させる。