医師向けの薬剤比較アプリ「イシヤク」で、2023年1~3月に会員医師が検索した医薬品を製品別にランキングしました。
花粉症シーズンで「ビラノア」トップに…デエビゴは3位
イシヤクで2023年1~3月に医師が最も検索した薬剤は、大鵬薬品工業とMeijiSeikaファルマが共同販売する第二世代抗ヒスタミン薬「ビラノア錠/OD錠」(一般名・ビラスチン)でした。今年は花粉の飛散量が多く、飛散のピークに入った3月に検索数が大きく増加。昨年の同じ時期から順位を4つ上げました。
2位は武田薬品工業の麻薬性鎮痛薬「ペチロルファン配合注」(ペチジン塩酸塩/レバロルファン酒石酸塩)です。従来「ペチロルファン注射液/弱ペチロルファン注射液」として販売されてきた注射用麻薬製剤で、昨年、販売名を変更。昨年末に新たに収載された配合注の検索数が伸びました。
3位はエーザイの不眠症治療薬「デエビゴ錠」(レンボレキサント)、4位はノバルティスファーマの慢性心不全・高血圧症治療薬「エンレスト錠」(サクビトリルバルサルタン)で、2剤とも前四半期(22年10~12月)から順位を2つずつ落としました。5位は、前四半期8位だったアストラゼネカのSGLT2阻害薬「フォシーガ」(ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)でした。
新たにランキングに入った製品を見てみると、ビラノアと同じ第二世代抗ヒスタミン薬が目立ちます。7位には参天製薬の「アレジオン点眼液/LX点眼液」(エピナスチン塩酸塩)、続く8位にはサノフィの「アレグラ錠/OD錠/ドライシロップ」(フェキソフェナジン塩酸塩)がランクイン。中外製薬の抗インフルエンザ薬「タミフルカプセル/ドライシロップ」(オセルタミビルリン酸塩)は15位に浮上しました。3年ぶりのインフルエンザ流行に伴って投与の機会が増えたことが背景にあると見られます。
【ピックアップ】花粉症治療薬の検索数ランキング
花粉症治療薬に絞って検索数をランキングしてみると、上位20製品のうち13製品が第二世代抗ヒスタミン薬となりました。ビラノア、アレジオン点眼液、アレグラのトップ3に続いたのは、4位「ザイザル錠/シロップ」(レボセチリジン塩酸塩、グラクソ・スミスクライン)で、5位「デザレックス錠」(デスロラタジン、オルガノン/杏林製薬)。市場でビラノア、デザレックスと競合する「ルパフィン」(ルパタジンフマル酸塩、帝國製薬/田辺三菱製薬)は9位でした。
第二世代抗ヒスタミン薬以外では、▽第一世代抗ヒスタミン薬「ポララミン錠/散/シロップ/ドライシロップ/注」(高田製薬)▽点鼻ステロイド薬「アラミスト点鼻液」(グラクソ・スミスクライン)▽同「ナゾネックス点鼻液」(オルガノン)――などがランクイン。抗体医薬「ゾレア皮下注」(ノバルティスファーマ)は17位でした。
【データ提供】医師向け薬剤比較アプリ「イシヤク」(flixy)
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