1. Answers>
  2. AnswersNews>
  3. トピックス>
  4. 国内医薬品市場、21年4~6月期は2.5%増…新型コロナで診断用検査試薬の販売が急増|トピックス
トピックス

国内医薬品市場、21年4~6月期は2.5%増…新型コロナで診断用検査試薬の販売が急増|トピックス

更新日

IQVIAは8月17日、2021年4~6月期の国内医療用医薬品市場が前年同期比2.5%増の2兆6449億1700万円だったと発表した。四半期ベースで前年を上回るのは20年1~3月期以来、5四半期ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、診断用検査試薬の販売が急増し、薬効として初めて売上高トップ10に入った。

 

市場の内訳を見ると、▽病院(病床100床以上)1兆2322億600万円(前年同期比4.7%増)▽開業医(100床未満)4790億3500万円(0.6%増)▽薬局その他9336億7600万円(0.7%増)――。3市場とも前年を上回ったのは19年7~9月期以来、7四半期ぶり。新型コロナの影響が長期化する中、4月には初めてとなる薬価の中間年改定が行われたが、抗がん剤などのスペシャリティ領域の製品が市場を牽引した。

 

【国内医療用医薬品市場/四半期成長率の推移】(期間/成長率) 15年度1Q/7.9 |15年度2Q/7.4 |15年度3Q/10.0 |15年度4Q/9.8 |16_1Q/2.5 |16_2Q/▲2.4 |16_3Q/▲7.3 |16_4Q/▲7.2 |17_1Q/▲0.8 |17_2Q/1.0 |17_3Q/2.9 |17_4Q/0.0 |18_1Q/▲1.3 |18_2Q/▲3.5 |18_3Q/▲1.9 |18_4Q/▲0.3 |19_1Q/2.3 |19_2Q/8.9 |19_3Q/0.6 |19_4Q/0.2 |20_1Q/▲2.5 |20_2Q/▲5.1 |20_3Q/▲1.9 |20_4Q/▲1.0 |21_1Q/2.5 |※2015年4-6月期(15年度1Q)~2021年4-6月期(21年度1Q) ※IQVIAの国内医薬品市場統計をもとに作成

 

製品トップはキイトルーダ

製品別売上高(薬価ベースで集計)では、MSDの免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」が315億4000万円(13.1%増)でトップ。2位は小野薬品工業の同「オプジーボ」(306億6800万円、13.3%増)、3位は武田薬品工業の抗潰瘍薬「タケキャブ」(274億7500万円、13.0%増)だった。キイトルーダとオプジーボは、中外製薬の「テセントリク」の類似品として市場拡大再算定が適用され、8月1日に薬価が10%以上引き下げられた。

 

 【2021年4~6月期/医療用医薬品売上高上位10製品】(売上高は薬価ベース)(順位/製品名/社名/売上高(百万円)/前年同期比(%)): 1/キイトルーダ/MSD/31,540/13.1 |2/オプジーボ/小野薬品工業/30,668/13.3 |3/タケキャブ/武田薬品工業/27,475/13.0 |4/タグリッソ/アストラゼネカ/26,209/8.4 |5/リクシアナ/第一三共/25,764/18.7 |6/アバスチン/中外製薬/25,260/▲1.3 |7/ネキシウム/第一三共/23,204/1.9 |8/サムスカ/大塚製薬/22,847/12.2 |9/アジルバ/武田薬品工業/22,289/8.6 |10/イグザレルト/バイエル薬品/21,414/3.5 |※IQVIA医薬品市場統計をもとに作成

 

売り上げ上位の製品は軒並み好調で、トップ3製品のほかにも5位の抗凝固薬「リクシアナ」(第一三共)や8位の利尿薬「サムスカ」(大塚製薬)が2ケタ増。ARB「アジルバ」(武田)や抗がん剤「タグリッソ」(アストラゼネカ)も8%を超える売り上げ増となった。

 

診断用検査試薬が上位10薬効に

薬効別売上高では、「抗腫瘍剤」が4180億6100万円(11.3%)で首位。以下、「糖尿病治療剤」(1624億5900万円、4.1%増)、「免疫抑制剤」(1293億2200万円、10.6%増)と続いた。

 

新型コロナの感染拡大を受け、昨年以降、関連製品が相次いで発売されている「診断用検査試薬」は、前年同期比58.9%増の682億2200万円で9位にランクイン。診断用検査試薬が上位10薬効に入るのは、IQVIAが売り上げデータの発表を始めて以来、初という。

 

 【2021年4~6月期/医療用医薬品売上高上位10薬効】(売上高は薬価ベース)(順位/製品名/社名/売上高(百万円)/前年同期比(%)): 1/抗腫瘍剤/418,061/11.3 |2/糖尿病治療剤/162,459/4.1 |3/免疫抑制剤/129,322/10.6 |4/抗血栓症薬/110,905/2.8 |5/眼科用剤/88,384/4.7 |6/制酸剤、鼓腸および潰瘍治療剤/87,901/1.9 |7/その他の中枢神経系用剤/74,140/▲6.8 |8/レニン-アンジオテンシン系作用薬/73,977/▲3.0 |9/診断用検査試薬/68,222/58.9 |10/向精神薬/66,682/3.3 |※IQVIA医薬品市場統計をもとに作成

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

あわせて読みたい

メールでニュースを受け取る

  • 新着記事が届く
  • 業界ニュースがコンパクトにわかる

オススメの記事

人気記事

メールでニュースを受け取る

メールでニュースを受け取る

  • 新着記事が届く
  • 業界ニュースがコンパクトにわかる