沢井、片頭痛・うつ病治療デバイスをイスラエル企業から導入…22年にも申請
沢井製薬は1月28日、イスラエルのニューロリーフと、片頭痛やうつ病に対する非侵襲性デジタル医療機器「Relivion(レリビオン)」の国内での独占開発販売契約を結んだと発表した。レリビオンは頭部に装着するデバイスで、三叉神経と後頭神経に刺激を与えることで神経伝達物質の放出を促進し、脳内ネットワークを調整して痛みや気分の抑制に効果を発揮。AI(人工知能)によって個々の患者の症状に応じた治療ができるよう設計されている。沢井は、2022年をめどに片頭痛、23年をめどにうつ病の適応で申請する予定。
ノバルティス、MRと医師とのやり取りに「LINE WORKS」導入
ノバルティスファーマは1月28日、MRと医療従事者のコミュニケーションに、ワークスモバイルジャパンの「LINE WORKS」を今年2月から順次導入すると発表した。昨年夏に行った社内調査では、半数以上のMRがコミュニケーションアプリでのやり取りを医師から求められたことがあると答えており、こうしたニーズに対応する。中外製薬も昨年9月から医療従事者とのやり取りにLINE WORKSを導入している。
アムジェン・MICIN、頭痛へのオンライン診療で検証プログラム
アムジェンは1月28日、MICIN(マイシン)のオンライン診療サービス「curon(クロン)」を使って、慢性頭痛患者に対するオンライン診療の検証プログラムを開始すると発表した。昨年4月から片頭痛などの一次性頭痛へのオンライン診療が保険適用されたことを受け、医療従事者と患者のコミュニケーション構築や問診方法、治療満足度などを検証する。両社は慢性皮膚疾患でも同様の検証プログラムを行っている。
ファイザー、週1回投与の成長ホルモン製剤を申請
ファイザーは1月28日、骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全低身長症の治療薬として、週1回投与の長時間作用型ヒト成長ホルモン製剤ソムアトロゴンを申請したと発表した。臨床試験では、既存の成長ホルモン製剤「ジェノトロピン」(一般名・ソマトロピン)と同等の有効性を示した。米国でも申請している。
富士フイルム富山化学、神経内分泌腫瘍の放射性医薬品を申請
富士フイルム富山化学は1月28日、放射性医薬品「F-1614」を褐色細胞腫・パラガングリオーマの適応で申請したと発表した。同薬は副腎髄質ホルモン・ノルアドレナリンの類似物質である3-ヨードベンジルアグニンに、放射性ヨウ素131Iを結合させた薬剤。131Iから放出されるβ線によって腫瘍細胞を破壊する。
「オプジーボ」古典的ホジキンリンパ腫の小児適応を申請
小野薬品工業は1月28日、免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」(ニボルマブ)について、再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫に対する小児用法・用量の追加を申請したと発表した。国立がん研究センターで行われた医師主導治験の結果に基づく。成人に対しては2016年に承認を取得している。
あすか「レルミナ」子宮内膜症への適応拡大を申請
あすか製薬は1月28日、GnRHアンタゴニスト「レルミナ」(レルゴリクス)について、子宮内膜症への適応拡大を申請したと発表した。同薬は2019年に子宮筋腫治療薬として発売。臨床試験では、子宮内膜症による疼痛の改善効果が確認された。
MSD MRSA感染症治療薬「キュビシン」小児適応を申請
MSDは1月27日、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症治療薬「キュビシン」(ダプトマイシン)について、小児への適応拡大を申請したと発表した。申請は国内外の1~17歳の小児患者に対して行った臨床試験に基づく。同薬は成人を対象に11年から販売されている。
シンバイオ、トレアキシンなどの新規適応症探索で東大と共同研究
シンバイオ製薬は1月28日、抗がん剤ベンダムスチン(製品名・トレアキシン)と同リゴセルチブについて、東京大医科学研究所と新規適応症を探索する共同研究契約を結んだと発表した。両化合物あるいはほかの既存薬との併用で、新たな有用性を探索する。
アトピー性皮膚炎市場、28年に19年比3.5倍に…富士経済予測
富士経済は1月27日、国内のアトピー性皮膚炎治療薬市場が2028年に1376億円(19年の3.5倍)になるとの予測を発表した。サノフィの「デュピクセント」や日本たばこ産業の「コレクチム」といった新薬の発売により、治療患者数の増加と1人当たりの治療費上昇が見込まれ、経口JAK阻害薬の登場も市場拡大を後押しする。
薬剤使用の見返りに現金提供した疑い…小野薬品の社員2人を逮捕
小野薬品工業の不整脈治療薬「オノアクト」を積極的に使用する見返りに、三重大医学部付属病院の元教授に現金200万円を提供したとして、津地検は1月27日、小野薬品の社員2人を贈賄の疑いで逮捕した。同社は「このような事態を招いてしまったことを厳粛かつ重大に受け止める。今後も当局の捜査に全面的に協力していく」とのコメントを発表した。
決算
米ジョンソン・エンド・ジョンソン(20年12月期、1月26日発表)
医薬品事業の売上高は455億7200万ドル(約4兆7395億円、前期比8.4%増)。乾癬・クローン病治療薬「ステラーラ」が前年比21.1%増の77億700万ドルを売り上げたほか、多発性骨髄腫治療薬「ダラザレックス」(41億9000万ドル、40.3%増)や血液がん治療薬「イムブルビカ」(41億2800万ドル、21.5%増)が好調だった。他事業を含む全社の売上高は825億8400万ドル(0.6%増)、純利益は147億1400万ドル(2.7%減)。21年12月期は全社で売上高905~917億ドルと増収を見込む。
AnswersNews編集部が製薬企業をレポート
・小野薬品工業