第一三共、大型期待の抗HER2ADC「エンハーツ」が承認
第一三共は3月25日、大型化を期待する抗HER2抗体薬物複合体(ADC)「エンハーツ」(一般名・トラスツズマブ デルクステカン)の承認を取得したと発表した。適応は「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能または再発乳がん(標準的な治療が困難な場合に限る)」。日本では昨年9月に申請し、条件付き早期承認制度が適用された。米国では今年1月に発売している。
日本新薬 初の国産核酸医薬「ビルテプソ」の承認取得
日本新薬は3月25日、デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬「ビルテプソ」(ビルトラルセン)の承認を取得したと発表した。同薬はジストロフィン遺伝子のエクソン53をスキップするアンチセンス核酸。国立精神・神経医療研究センターと共同開発したもので、核酸医薬としては初の国産となる。先駆け審査指定制度の対象品目に指定されており、国内では臨床第1/2相試験の結果に基づいて昨年9月に申請。米国でも昨年申請している。
ノバルティス 投与間隔延長の加齢黄斑変性薬「ベオビュ」が承認
ノバルティスファーマは3月25日、眼科用VEGF阻害薬「ベオビュ」(ブロルシズマブ)が「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性」の適応で承認されたと発表した。維持期の投与間隔が12週に1回と既存薬に比べて長いのが特徴。臨床試験では「アイリーア」(アフリベルセプト)の8週1回投与に対して最高矯正視力の平均変化量で非劣性を示した。
ステラファーマ、BNCT用ホウ素剤「ステボロニン」が承認
ステラファーマは3月25日、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に使うホウ素薬剤「ステボロニン」(ボロファラン〈10B〉)の承認を取得したと発表した。適応は「切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん」。BNTCは、ホウ素を集積させたがん細胞に体外から中性子線を当て、発生した放射線でがん細胞を破壊する治療。先駆け審査指定制度の対象品目に指定されている。BNCTに使う中性子線照射装置は住友重機械工業が開発し、今月11日に承認を取得した。
メルクバイオ、先駆け指定の肺がん薬「テプミトコ」の承認取得
メルクバイオファーマは3月25日、MET阻害薬「テプミトコ」(テポチニブ塩酸塩水和物)の承認を取得したと発表した。先駆け審査指定制度の対象品目で、適応は「MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行
武田、腎細胞がん薬「カボメティクス」の承認取得
武田薬品工業は3月25日、キナーゼ阻害薬「カボメティクス」(カボザンチニブ)が「根治切除不能または転移性の腎細胞がん」の適応で承認されたと発表した。同薬は米エクセリクシスからの導入品。今年1月には肝細胞がんの適応でも申請している。
小野 BTK阻害薬「ベレキシブル」が承認
小野薬品工業は3月25日、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬「ベレキシブル」(チラブルチニブ塩酸塩)の承認を取得したと発表した。適応は「再発または難治性の中枢神経系原発リンパ腫」。小野が創製したもので、昨年11月には「原発性マクログロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫」の適応でも申請している。
大日本住友、主力の抗精神病薬「ラツーダ」日本でも承認取得
大日本住友製薬は3月25日、抗精神病薬「ラツーダ」(ルラシドン塩酸塩)の承認を取得したと発表した。適応は「統合失調症」と「双極性障害におけるうつ症状の改善」。同薬は2019年3月期に北米で1845億円を売り上げた大日本住友の主力品。
サノフィ、初のバイオシミラー「インスリン リスプロ」の承認取得
サノフィは3月25日、超速効型インスリン製剤インスリン リスプロ(先行バイオ後続品名・ヒューマログ)のバイオシミラーの承認を取得したと発表した。超速効型インスリン製剤のバイオシミラーは国内初。サノフィにとっても日本で扱う初めてのバイオシミラーとなる。
日本リリー 新処方のインスリン リスプロ製剤「ルムジェブ」が承認
日本イーライリリーは3月25日、超速効型インスリン製剤「ルムジェブ」(インスリン リスプロ)の承認を取得したと発表した。既存の「ヒューマログ」に添加剤を加えることで、皮下からの吸収を速め、健康な人のインスリン分泌により近いインスリン動態を再現した。同社は同時に、低血糖時の救急治療薬「バクスミー」(グルカゴン)の承認も取得。同薬は点鼻粉末剤で、点鼻容器に重点されているため、調製作業なしで緊急時に速やかに使用することができる。
サノフィ、インスリンとGLP-1受容体作動薬の配合剤「ソリクア」が承認
サノフィは3月25日、2型糖尿病治療薬「ソリクア」(インスリン グラルギン/リキシセナチド)の承認を取得したと発表した。基礎インスリン製剤「ランタス」とGLP-1受容体作動薬「リキスミア」の配合剤。インスリンとGLP-1受容体作動薬の配合剤は、昨年9月に発売されたノボノルディスクファーマの「ゾルトファイ」に続いて2剤目。
千寿 緑内障・高眼圧症治療薬の新配合剤「アイラミド」が承認
千寿製薬は3月25日、緑内障・高眼圧症治療薬「アイラミド」(ブリモニジン酒石酸塩/ブリンゾラミド)の承認を取得したと発表した。β遮断薬を配合しない緑内障・高眼圧症治療用配合剤は国内初。薬価収載後、6月ごろの発売を見込んでいる。
武田 「タケキャブ」と低用量アスピリンの配合剤が承認
武田薬品工業は3月25日、消化性潰瘍治療薬「タケキャブ」(ボノプラザンフマル酸塩)と低用量アスピリンの配合剤「キャブピリン」の承認を取得したと発表した。狭心症や心筋梗塞などの疾患や冠動脈バイパス術などの施行後に低用量アスピリンを投与する際、副作用である胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発を軽減すると期待sれる。
「ゾルゲンスマ」償還価格は医薬品方式で算定
中央社会保険医療協議会(中医協)は3月25日、今月19日に承認されたノバルティスファーマの遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」(オナセムノゲン アベパルボベク)について、医薬品の薬価算定方式で保険償還価格を決めることを了承した。ゾルゲンスマは脊髄性筋萎縮症を対象とする再生医療等製品。静脈内注射で投与する点などが医薬品に近いと判断された。ゾルゲンスマと同日に承認されたジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの角膜上皮細胞シート「ネピック」は医療機器の方式で価格を決める。
富士フイルム、リポソーム製剤の製造受託を開始
富士フイルムは3月25日、リポソーム製剤の開発・製造受託サービスを開始すると発表した。核酸を内包するリポソーム製造装置を手掛けるカナダのプレシジョン・ナノシステムと提携し、低分子医薬品や核酸医薬を対象に受託サービスを展開する。富士フイルムは自社でも抗がん剤のリポソーム製剤を開発しており、今年2月には商業生産に対応した工場が稼働。受託サービスでも同工場を活用する。
エーザイ「レンビマ」が日本薬学会創薬科学賞を受賞
エーザイは3月25日、自社創製した抗がん剤「レンビマ」(レンバチニブ)の創薬研究が2020年度の日本薬学会創薬科学賞を受賞したと発表した。「独自に構築したヒト病態を模した評価系を用いて得られたリード化合物をもとに巧みな合成展開を行い、世界初の結合様式(タイプV)を持つキナーゼ阻害剤レンビマを創製したこと」などが受賞理由。同賞は1988年に創設され、エーザイは1998年度にアルツハイマー型認知症治療薬「アリセプト」(ドネペジル)で、2013年には抗がん剤「ハラヴェン」(エリブリン)で受賞している。