アステラス製薬と田辺三菱製薬、第一三共は10月11日、ドラッグリポジショニング化合物ライブラリーを使った新薬探索プログラム「JOINUS」を3社共同で行うと発表した。国内研究機関にライブラリーを提供し、発売に至らなかった化合物を対象に新薬としての開発を目指す。
プログラムを開始するにあたり、3社は臨床試験や前臨床試験を実施後に開発を中止した化合物からなる化合物ライブラリーを構築。これを「ドラッグリポジショニング化合物ライブラリー」として、プログラムに応募した国内研究機関に提供し、in vitro評価系で評価してもらう。同ライブラリーには50種類以上の作用機序が含まれる。
ライブラリーに含まれる化合物は、非臨床試験で薬理活性が認められており、基本的な安全性も確認されている。新しい薬効評価系で活性が認められれば、従来の創薬と比べて短期間で臨床試験まで進められると期待される。
国内製薬企業の間では、オープンイノベーションの一環として化合物ライブラリーを相互利用する取り組みが広がっている。アステラスと第一三共は2014年から3年間、化合物ライブラリーを相互に利用できる契約を締結。アステラスは田辺三菱とも、16年から5年間、相互利用する契約を結んでいる。
「JOINUS」プログラムへの応募は、10月16日から11月17日まで受け付ける。対象は国内研究機関(大学、公的研究機関、ベンチャーを含む企業など)に所属し、応募内容の研究を国内で実施できる研究者。研究機関は契約締結日から原則1年以内。詳細は3社のホームページに掲載されている。