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国内医薬品市場、24年度は1%増…改定影響で伸び鈍化、製品別トップは1918億円のキイトルーダ

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AnswersNews編集部

IQVIAは5月22日、2024年度(24年4月~25年3月)の国内医療用医薬品市場が前年度比1.0%増の11兆4874億円だったと発表した。ワクチンなどが拡大して4年連続で過去最高を更新したが、薬価改定の影響もあって伸びは鈍化した。製品別では、MSDのがん免疫療法薬「キイトルーダ」が2年連続でトップ。上位10製品のうち8製品が1000億円を上回った。

 

ワクチンや漢方が大幅増

市場の内訳は、▽病院(病床数100床以上)5兆4163億円(前年度比1.6%増)▽開業医(100床未満)2兆1551億円(1.9%増)▽薬局その他3兆9160億円(0.2%減)――。病院市場では抗がん剤の伸びの鈍化などが、開業医市場と薬局その他市場では新型コロナウイルス感染症治療薬の減少などが影響し、いずれの市場も伸び率は前年度から縮小した。

 

 

薬効別では「抗腫瘍剤」が1兆9737億円でトップ。ただ、伸び率は0.7%で前年度(9.8%)を大きく下回った。23年度の受診増の反動が出たほか、市場平均より大きな引き下げとなった薬価改定も影響した。

 

薬効別2位は「糖尿病治療剤」(7744億円、7.0%増)、3位は「免疫抑制剤」(6380億円、3.0%増)。6位の「ワクチン類」(3418億円)は新型コロナワクチンの定期接種開始やHPVワクチンのキャッチアップ接種などで大きく伸びた。一方、新型コロナ関連の「全身性抗ウイルス剤」と「診断用検査試薬」は2桁減。「その他の治療を目的とする薬剤」は漢方薬の薬価引き上げで15.5%増となった。

 

 

25年1~3月期の市場は前年同期比0.6%減の2兆6638億円。新型コロナ治療薬・検査薬の大幅減が響いた。

 

8製品が1000億円超

製品売上高(薬価ベース)では、キイトルーダが1918億円で23年度に続いてトップ。24年5月の胃がんと胆道がんへの適応拡大などで前年度から16.3%増となった。2位は第一三共の抗凝固薬「リクシアナ」(1516億円、12.7%増)、3位は小野薬品工業のがん免疫療法薬「オプジーボ」(1367億円、16.9%減)。オプジーボは再算定の共連れによる薬価引き下げが打撃となった。

 

 

売り上げの伸びが大きかったのは、4位の「デュピクセント」(サノフィ)や10位の「エンレスト」(ノバルティスファーマ)など。いずれも40%超の増加となった。

 

1000億円を超えたのは8製品で、前年度から1つ増えた。

 

25年1~3月期は、キイトルーダが475億円(16.2%増)で首位。2位はリクシアナ(357億円、12.1%増)、3位はオプジーボ(303億円、20.6%減)だった。

 

アストラゼネカ、首位・中外と230億円差

企業別の売上高ランキングでは、販促会社レベル(MRによる学術宣伝を通じて販促活動を行っている企業。2社以上ある場合はよりオリジネーターに近い企業)で中外製薬が4年連続のトップ。売上高は5343億円(1.0%減)だった。2位には前年度に続いてアストラゼネカ(5112億円、0.4%減)が入り、中外との差を231億円まで詰めた。3位の第一三共は前年度から1つ順位を上げ、前年度3位だったMSDは4位に後退した。

 

2桁増となったのは、ファイザー、日本イーライリリー、サノフィ、ツムラの4社。リリーは糖尿病治療薬「マンジャロ」など、サノフィはデュピクセントなどの売り上げ増が貢献し、ツムラは漢方薬の薬価引き上げの恩恵を受けた。

 

販売会社レベル(卸に製品を販売し、その代金を回収する機能を持つ企業)のランキングでは、武田薬品がトップ。2位は第一三共、3位は中外だった。

 

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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