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MSD「エアウィン」「ウェリレグ」2新薬の承認取得/アキュリス、てんかんレスキュー薬「スピジア」承認 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2025年6月24日)

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AnswersNews編集部

 

MSD、2新薬の承認取得…PAH薬「エアウィン」とがん治療薬「ウェリレグ」

MSDは6月24日、肺動脈性肺高血圧症治療薬「エアウィン」(一般名・ソタテルセプト)とがん治療薬「ウェリレグ錠」(ベルズチファン)の承認を取得したと発表した。エアウィンはアクチビンシグナル伝達阻害薬で、PAHの肺血管リモデリングを標的とする新規作用機序の薬剤。他のPAH治療薬に対する上乗せ効果を検証した海外P3試験では、プラセボと比較して運動耐容能を有意に改善した。ウェリレグは経口低酸素誘導因子2アルファ(HIF-2α)阻害薬で、適応は「フォン・ヒッペル・リンドウ病関連腫瘍」と「がん化学療法後に増悪した根治切除不能または転移性の腎細胞がん」。血管の新生・増殖と腫瘍代謝に関連する低酸素下で誘導される遺伝子の転写を阻害することで抗腫瘍効果を示す。

 

アキュリス「スピジア」承認、てんかん発作のレスキュー薬

アキュリスファーマは6月24日、てんかん重積状態の治療薬「スピジア点鼻液」(ジアゼパム)の承認を取得したと発表した。同社にとって初めての承認取得となる。同薬は国内初の経鼻投与型抗けいれん薬で、てんかん重積状態またはてんかん重積状態に移行するおそれのある発作が起きた時に投与するレスキュー薬。成人に対して医療機関外で投与できるレスキュー薬は初めて。

 

ヤンセン、多発性骨髄腫治療薬「タービー」承認

ヤンセンファーマは6月24日、多発性骨髄腫治療薬「タービー皮下注」(トアルクエタマブ)の承認を取得したと発表した。多発性骨髄腫細胞表面に高発現するGPRC5D(Gタンパク質共役型受容体ファミリーCグループ5メンバーD)とT細胞表面のCD3に結合する二重特異性抗体。承認の根拠となった国際共同臨床第1/2相(P1/2)試験の日本人コホートでは、0.4mg/kg毎週投与で全奏効率77.8%。完全奏効以上47.2%を示した(追跡期間中央値9.23カ月)。

 

アミカス、ポンぺ病治療薬「ポムビリティ/オプフォルダ」承認

アミカス・セラピューティクスは6月24日、成人遅発型ポンぺ病治療薬「ポムビリティ点滴静注用」(シパグルコシダーゼ アルファ)と「オプフォルダカプセル」(ミグルスタット)の承認を取得したと発表した。両剤は併用して使用する。ポムビリティは遺伝子組換えヒト酸性α-グルコシダーゼ製剤で、ポンぺ病の筋組織で蓄積するグリコーゲンを減少させる作用を持つ。オプフォルダは血中でポムビリティを安定化し、活性を維持した状態で標的組織への取り込みを増加させる。

 

ファイザー、潰瘍性大腸炎治療薬「ベルスピティ」承認

ファイザーは6月24日、潰瘍性大腸炎治療薬「ベルスピティ錠」(エトラシモドL-アルギニン)の承認を取得したと発表した。同薬はスフィンゴシン1-リン酸受容体(S1P受容体)調節薬で、S1P受容体サブタイプ1、4、5に選択的に活性を示す。海外では2023年10月に米国で承認されて以降、欧州やオーストラリア、シンガポール、スイス、イスラエルなどで承認されている。

 

アルナイラム「アムヴトラ」ATTR-CMへの適応拡大承認

アルナイラムジャパンは6月24日、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー治療薬「アムヴトラ」(ブトリシランナトリウム)について、トランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)への適応拡大が承認されたと発表した。同薬はRNAi治療薬で、TTR(トランスサイレチン)mRNAを分解し、ATTR-CMの原因タンパク質であるTTRの産生を抑制する。P3試験では、プラセボとの比較で死亡と再発性心血管関連イベントのリスクを有意に減少させた。

 

ヤンセン「トレムフィア」クローン病への適応拡大承認

ヤンセンファーマは6月24日、抗IL-23p19抗体「トレムフィア点滴静注/同皮下注」(グセルクマブ)について、中等症から重症の活動期クローン病への適応拡大の承認を取得したと発表した。導入療法(初回、4週後、8週後に投与)では点滴静注と皮下注を選択でき、その後の維持療法(8週間隔)には皮下注を使用する。国内ではクローン病のほか、乾癬や潰瘍性大腸炎の治療薬として承認されている。

 

オプジーボとヤーボイの併用、肝細胞がんへの適応拡大承認

小野薬品工業とブリストル・マイヤーズスクイブは6月24日、抗PD-1抗体「オプジーボ点滴静注」(ニボルマブ)と抗CTLA-4抗体「ヤーボイ点滴静注液」(イピリムマブ)の併用療法について、切除不能な肝細胞がんへの適応拡大が承認されたと発表した。承認の根拠となったP3試験では、レンバチニブまたはソラフェニブの単剤療法と比べて全生存期間を有意に延長。死亡リスクを21%低下させた。

 

武田薬品「ハイキュービア」の適応拡大承認

武田薬品工業は6月24日、皮下注用人免疫グロブリン製剤とボルヒアルロニダーゼ アルファの組み合せ製剤「ハイキュービア皮下注セット」について、「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎および多巣性運動ニューロパチーの運動機能低下の進行抑制」の適応追加が承認されたと発表した。慢性炎症性脱髄性多発根神経炎と多巣性運動ニューロパチーは抹消神経に障害が生じる疾患。日本では今年6月、無または低ガンマグロブリン血症の治療薬として発売された。

 

ファイザー「エルレフィオ」4週間隔投与が承認

ファイザーは6月24日、多発性骨髄腫治療薬「エルレフィオ皮下注」(エルラナタマブ)について、4週間間隔投与の追加が承認されたと発表した。これまでは最長2週間間隔だったが、臨床試験の長期フォローアップデータをもとに投与間隔の延長を申請していた。

 

ムンディファーマ「アネレム」消化器内視鏡診療時の鎮静に適応拡大

ムンディファーマは6月24日、全身麻酔・鎮静薬「アネレム静注用」(レミマゾラムベシル酸塩)について、「消化器内視鏡診療時の鎮静」への適応拡大の承認を取得したと発表した。同時に新剤形となる20mg製剤も「全身麻酔の導入および維持」と「消化器内視鏡診療時の鎮静」の適応で承認された。消化器内視鏡診療時を対象に承認されたベンゾジアゼピン系鎮静薬は初めて。ガイドラインでは内視鏡診療で使用する鎮静薬としてベンゾジアゼピン系薬とデクスメデトミジン塩酸塩が紹介されているが、保険償還可能なのはデクスメデトミジン塩酸塩のみで、ベンゾジアゼピン系薬は保険適用外だった。

 

アッヴィ「リンヴォック」巨細胞性動脈炎の適応追加承認

アッヴィは6月24日、JAK阻害薬「リンヴォック錠」(ウパダシチニブ水和物)について、巨細胞性動脈炎の適応追加が承認されたと発表した。巨細胞性動脈炎は頭部の動脈や大動脈などに肉芽腫性炎症を起こす自己免疫疾患。一般的に50歳以上で発症し、70歳代に最も多く見られる。リンヴォックにとっては国内8つ目の適応となる。

 

帝人ファーマ「ゼオマイン」慢性流涎の適応取得

帝人ファーマは6月24日、A型ボツリヌス毒素製剤「ゼオマイン筋注用」(インコボツリヌストキシンA)について、慢性流涎への適応拡大の承認を取得したと発表した。慢性流涎は、分泌される唾液の量が嚥下する量より多くなり、意図せず口からよだれが流れ出る疾患。神経系疾患が主な原因となる。同疾患に対する治療薬の承認は国内初。

 

持田製薬「リアルダ」小児適応承認

持田製薬は6月24日、潰瘍性大腸炎治療薬「リアルダ錠」(メサラジン)について、小児に対する用法・用量の追加が承認されたと発表した。従来の1200mg製剤より小型で、体重に応じて投与量を柔軟に選択できる600mg製剤も承認された。

 

ノバルティス、がん研有明病院と治験で協定

ノバルティスファーマは6月24日、がん研究会有明病院と治験に関する戦略的パートナーシップ協定を結んだと発表した。協定に基づき両者は、放射性リガンド療法をはじめとするがん領域の新規治療の治験実施体制を構築し、治験の迅速化と必要な人材・費用の最適化を進める。がん研有明病院はノバルティスのがん領域の治験で優先施設となり、優先的に多くの治験の実施が検討される。

 

第一三共「ダトロウェイ」米国で非小細胞肺がんの適応追加が迅速承認

第一三共は6月24日、抗TROP2抗体薬物複合体(ADC)「ダトロウェイ」(ダトポタマブ デルクステカン)について、米国で非小細胞肺がんへの適応拡大が迅速承認されたと発表した。EGFR標的療法とプラチナベースの化学療法による前治療歴がある、EGFR遺伝子変異を有する局所進行・転移性の患者が対象となる。迅速承認は検証的試験による臨床的有用性の検証が条件。肺がんに対する抗TROP2療法の承認は米国初で、ダトロウェイにとってはホルモン受容体陽性かつHER2陰性の乳がんに続いて2つ目の適応となる。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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