最低薬価、約3%引き上げ…25年度薬価改定
中央社会保険医療協議会(中医協)総会は1月15日、2025年度薬価中間年改定で行う最低薬価の引き上げを了承した。最近の賃金や物価の動向を踏まえ、すべての剤形で3%程度引き上げ、▽錠剤、カプセル剤、丸剤は0.3円増の10.4円▽散剤、顆粒剤、末剤は0.2円増の7.7円(1gあたり)▽注射剤は100mL未満が3円増の100円、100mL以上500mL未満が4円増の119円、500mL以上が5円増の157円――などとする(いずれも局方品)。最低薬価の引き上げは、消費増税への対応を除けば2000年度以降で初めてとなる。
25年度薬価改定、21成分45品目に改定時加算…小児適応取得の「エンレスト」など
中医協総会は1月15日、2025年度薬価中間年改定で21成分45品目に改定時加算を適用することを了承した。心不全治療薬「エンレスト」(ノバルティスファーマ)やアトピー性皮膚炎などの治療薬「オルミエント」(日本イーライリリー)など13成分は小児適応の追加に関する加算を取得。アルジェニクスジャパンの「ウィフガート」など4成分は希少疾病の適応追加で加算がつき、ブリストル・マイヤーズスクイブのCAR-T細胞療法「ブレヤンジ」など2成分は迅速導入加算を受ける。ノボノルディスクファーマの肥満症治療薬「ウゴービ」と糖尿病治療薬「オゼンピック」には、真の臨床的有用性の検証に関する加算が適用される。
日本新薬、米リジェネックスバイオからムコ多糖症向け遺伝子治療薬導入
日本新薬は1月14日、米リジェネックスバイオと、同社が開発しているムコ多糖症向け遺伝子治療薬「RGX-121」と「RGX-111」に関する提携契約を締結したと発表した。日本新薬は米国での独占的販売権と、日本を含むアジアでの独占的開発販売権を取得する。両剤はいずれも、欠損している酵素の遺伝子を導入することで疾患の進行を長期間にわたって抑制することが期待される薬剤。RGX-121はムコ多糖症II型を対象に米国で段階的申請を実施中で、RGX-111はムコ多糖症I型を対象とした臨床第1/2相(P/1/2)試験を米国などで行っている。
ノーベルファーマとダイト、多系統萎縮症治療薬の開発で協業へ
ノーベルファーマとダイトは1月15日、ノーベルファーマの多系統萎縮症治療薬候補「NPC-29」の開発に向けた協業に関する契約の締結を進めることで基本合意したと発表した。NPC-29はユビキノール含有製剤で、現在、ノーベルファーマがP2試験を実施中。現時点では2029年8月の承認を見込んでいる。多系統萎縮症は脳内の特定の部位が萎縮・変性する疾患。国内の患者数は1万528人とされている。
帝人ファーマ、うつ病治療用磁気刺激装置の新モデル発売
帝人ファーマは1月15日、うつ病に対する経頭蓋治療用磁気刺激装置「NeuroStar TMS 治療装置」の新モデルを27日に発売すると発表した。1回あたりの治療時間を従来モデルから約半分に短縮できる。患者の負荷を低減することで治療離脱率の低下が期待されるほか、医療従事者の業務負荷軽減を見込む。
アンジェス、スタンフォード大とがん治療の共同研究
アンジェスは1月15日、米スタンフォード大医学部とがん治療法の共同研究を行うと発表した。同大のがん組織特異的薬物搬送技術と、アンジェス子会社のEmendoBioが持つゲノム編集技術を組み合わせ、新規がんゲノム編集治療法の研究開発を進める。まずは乳がんに対する治療法の開発に取り組む予定。共同研究の期間は2年間。