エーザイ「レケンビ」米で皮下注の申請完了/レオファーマ「ドボベット」協和キリンとの提携終了 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2024年11月1日)
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AnswersNews編集部
エーザイ「レケンビ」米で皮下注の申請完了
エーザイは11月1日、アルツハイマー病治療薬「レケンビ」(一般名・レカネマブ)について、米国で皮下注オートインジェクターによる維持投与の申請を完了したと発表した。維持投与は週1回投与。2週間ごとの静注投与による初期治療を終えた患者が対象となる。申請は臨床第3相(P3)試験の非盲検長期継続投与試験のデータなどに基づく。米国では、静注製剤についても月1回の維持投与を今年6月に申請しており、審査終了日は来年1月25日に設定されている。
レオファーマ「ドボベット」協和キリンとの販売提携終了
レオファーマは11月1日、尋常性乾癬治療薬「ドボベット軟膏・ゲル・フォーム」(カルシポトリオール水和物/ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)の協和キリンとの販売提携を12月31日で終了すると発表した。協和キリンによる販売は同日で終了し、来年1月以降はレオファーマが販売や情報提供活動を行う。両社は2013年12月に販売提携契約を締結。レオファーマが製造販売、協和キリンが販売と情報提供活動を担当し、マーケティング活動は両社共同で行ってきた。
リリー「バクスミー」をGRPに承継
日本イーライリリーは11月1日、低血糖時救急治療薬「バクスミー点鼻粉末剤」(一般名・グルカゴン)について、日本での承認を12月31日付でグローバルレギュラトリーパートナーズ(GRP、東京都港区)に承継すると発表した。同日以降、GRPが同薬の情報提供を行う。米イーライリリーは昨年4月、同アンファスター・ファーマシューティカルズに同薬の全世界の承認を承継する契約を締結。その後、アンファスターは米GRPと契約し、GRP日本法人が承継を受けることになった。
田辺三菱、パーキンソン病薬「ND0612」米で来年中ごろ再申請目指す
田辺三菱製薬は11月1日、子会社ニューロダーム(イスラエル)が開発したパーキンソン病治療薬「ND0612」について、来年中ごろの米国再申請を目指すと発表した。米国では2023年に申請したが、FDA(食品医薬品局)は申請を見送った。その後のFDAとの協議で再申請に向けた対応が確認できたことから、開発計画を変更して再申請を目指すことにした。ND0612は、液剤化したレボドパとカルビドパを、注入ポンプを使って24時間持続皮下投与する治療薬。
楽天メディカル 光免疫療法で新たな機器発売、狭い場所にも照射可能
楽天メディカルは11月1日、頭頸部がんのアルミノックス治療(光免疫療法)でレーザ光照射に使う新たな医療機器「BioBladeレーザWR」「BioBladeサイドファイヤーディフューザー」を発売したと発表した。レーザWRは既存品より小さい照射スポット径が設定でき、短い照射距離でレーザ光照射が可能。サイドファイヤーディフューザーは光ファイバー先端の側面からレーザ光を発し、がんに対して垂直に照射できる。2つの機器を使うことで、従来では難しかった狭い場所などにあるがんにもレーザ光照射ができるようになる。
参天、韓国で開放隅角緑内障・高眼圧症治療薬を発売
参天製薬は11月1日、開放隅角緑内障・高眼圧症「Rhopressa点眼液」(ネタルスジルメシル酸塩)を韓国で発売したと発表した。同薬はRhoキナーゼ阻害薬。房水排出の主経路である線維柱帯を介した房水流出量を増加させることで眼圧下降作用を示す。英国とスウェーデンでも販売しており、日本ではP3試験を行っている。
決算
三菱ケミカルグループ(24年4~9月期、11月1日発表)
医薬品事業は▽売上収益2326億円(前年同期比6.0%増)▽営業利益276億円(38.1%減)▽当期利益177億円(52.6%減)――。海外で筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「ラジカヴァ」(506億円、27.2%増)が拡大し、糖尿病治療薬「マンジャロ」は薬価ベースで129億円を売り上げた。利益は、希望退職実施に伴う特別退職金の計上で大幅な減益。コアベースの営業利益は27.5%増加した。25年3月期の予想は、売上収益4650億円(従来予想比160億円増)、営業利益490億円(10億円増)に上方修正。ラジカヴァが引き続き好調に推移する見通し。
旭化成(24年4~9月期、11月1日発表)
医薬・医療事業は▽売上高1135億円(前年同期比12.6%増)▽営業利益143億円(89.7%増)――。骨粗鬆症治療薬「テリボン」(205億円、6.2%増)や関節リウマチ治療薬「ケブザラ」(55億円、1.7%増)などが堅調に推移した。25年3月期の予想は、売上収益2450億円(従来予想比190億円増)、営業利益173億円(34億円減)に修正。カリディタス(スウェーデン)買収に伴う費用が利益の押し下げ要因となる。
持田製薬(24年4~9月期、11月1日発表)
▽売上高510億9600万円(前年同期比3.3%増)▽営業利益37億9300万円(4.0%減)▽経常利益40億7900万円(0.6%増)▽純利益28億2500万円(0.5%減)――。潰瘍性大腸炎治療薬「リアルダ」や慢性便秘症治療薬「グーフィス」などが売り上げを伸ばしたが、薬価改定や円安による原薬・製剤の輸入価格上昇が利益に響いた。25年3月期は従来予想(売上高1060億円、営業利益75億円)を据え置いた。
メディパルHD(24年4~9月期、11月1日発表)
▽売上高1兆8246億7200万円(前年同期比2.6%増)▽営業利益271億6200万円(31.7%増)▽経常利益350億8000万円(19.7%増)▽純利益217億2700万円(26.7%増)――。主力の医療用医薬品等卸売事業は売上高1兆1676億3500万円(2.4%増)、営業利益118億5400万円(121.1%増)。新型コロナウイルスワクチンやHPVワクチンの需要増などで増収増益となった。25年3月期の業績予想は従来(売上高3兆6600億円、営業利益500億円)から変更はない。