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武田、利益率改善へ効率化プログラム/武州製薬、国内未承認薬の日本参入支援 など|製薬業界きょうのニュースまとめ(2024年5月9日)

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AnswersNews編集部

 

武田、利益率改善へ効率化プログラム…人員最適化や調達コスト削減など

武田薬品工業は5月9日、コア営業利益率の改善目標達成に向け、2024年度から複数年にわたって全社的な効率化プログラムを行うと発表した。プログラムには▽人員の最適化策を伴う組織構造の簡素化▽研究開発プログラムの厳格な優先順位付け▽生産性・効率性向上のためのデータ、デジタル、テクノロジーへの投資▽調達コストの効率化――などが含まれる。具体的な施策の内容やタイミングについては「適切な時期に決定する」としている。プログラムに関連する事業構造再編費用として1400億円を24年度の業績予想に織り込んだ。同社はコア営業利益率について「30%台前半から半ば」を目標としている。

 

武州製薬、国内未承認薬の日本市場参入を支援…スズケンやEPSと共同で

武州製薬は5月9日、スズケンと同社子会社の三和化学研究所、EPSホールディングスと、国内未承認薬の日本市場参入を支援する事業を行うと発表した。開発から申請、製造、販売、物流まで、日本市場への参入に必要な機能をワンストップで提供。医薬品医療機器等法の外国特例承認を活用し、日本法人を持たない海外企業が自社の社名で承認を取得できるようにする。開発元の資金状況によっては、開発費用も三和化学とEPSグループが負担。発売後の売り上げで回収する成功報酬型のサービスを提供する。

 

塩野義、長崎大などとマラリア予防薬の共同研究

塩野義製薬は5月9日、長崎大、国立感染症研究所、Medicines for Malaria Venture(MMV)と、新規マラリア予防薬創出に向けた共同研究を行うと発表した。研究にはグローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)が約3億3000万円の資金を提供する。塩野義と長崎大は2019年からマラリアの予防や治療に関する研究を行っており、MMVを含む3者で新規マラリア治療薬創出に向けた共同研究も行っている。

 

決算

武田薬品工業(2024年3月期、5月9日発表)

▽売上収益4兆2637億6200万円(前期比5.9%増)▽営業利益2140億7500万円(56.4%減)▽税引き前利益527億9100万円(85.9%減)▽当期利益1440億670万円(54.6%減)――。血漿分画製剤や消化器、オンコロジー事業が好調だった一方で、無形資産償却費や減損損失の増加などが利益を圧迫した。主力の潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンタイビオ」は14.0%増の8009億円を売り上げた。25年3月期は、売上収益4兆3500億円(2.0%増)、営業利益2250億円(5.1%増)を予想。ADHD治療薬「ビバンセ」への後発医薬品参入の影響が本格化するものの、エンタイビオをはじめとする成長製品・新製品の拡大でカバーする。

 

小野薬品工業(2024年3月期、5月9日発表)

▽売上収益5026億7200万円(前期比12.4%増)▽営業利益1599億3500万円(12.7%増)▽税引き前利益1637億3400万円(14.1%増)▽当期利益1279億7700万円(13.5%増)――。抗がん剤「オプジーボ」(売上高1455億円、2.2%増)や糖尿病・慢性心不全・慢性腎臓病治療薬「フォシーガ」(761億円、34.7%増)などが伸び、増収増益となった。25年3月期は売上収益4500億円(10.5%減)、営業利益1220億円(23.7%減)を予想。オプジーボの薬価引き下げや、同薬に関連する米メルク社などからのロイヤリティ料率低下が響く。

 

参天製薬(2024年3月期、5月9日発表)

▽売上収益3019億6500万円(前期比8.2%増)▽営業利益385億4100万円(前期は30億9000万円の赤字)▽税引き前利益298億7400万円(57億9900万円の赤字)▽当期利益267億300万円(149億8300万円の赤字)――。中国とアジア、EMEAの医療用医薬品が好調だった。日本の医療用医薬品事業は1.6%の減収。25年3月期は売上収益2970億円(1.6%減)、コア営業利益550億円(12.4%減)を見込む。長期収載品の選定療養などが影響する見通し。

 

旭化成(2024年3月期、5月9日発表)

医薬・医療事業の売上高2084億円(前期比4.1%増)、営業利益189億円(17.5%減)。関節リウマチ治療薬「ケブザラ」(売上高112億円、20.7%増)や米ベロキシスの免疫抑制剤「Envarsus XR」(220億円、18.8%増)などが好調。米CDMOバイオノバ買収の影響などで利益は減少した。主力の骨粗鬆症治療薬「テリボン」は2.6%減の388億円だった。25年3月期は売上高2260億円(8.5%増)、営業利益207億円(9.4%増)を見込む。

 

ツムラ(2024年3月期、5月9日発表)

▽売上高1508億4500万円(前期比7.7%増)▽営業利益200億1700万円(4.3%減)▽経常利益234億9300万円(0.2%増)▽当期純利益167億700万円(1.4%増)――。注力製品を中心に国内の医療用漢方製剤が5.9%の増収となったほか、生薬販売を中心とする中国事業も大きく拡大した。25年3月期は、売上高1850億円(22.6%増)、営業利益395億円(97.3%増)を予想。薬価の引き上げが寄与する。

 

ゼリア新薬工業(2024年3月期、5月9日発表)

▽売上高757億2500万円(前期比10.7%増)▽営業利益96億2100万円(6.7%増)▽経常利益85億1300万円(12.3%増)▽純利益77億3100万円(24.8%増)――。海外で潰瘍性大腸炎治療薬「アサコール」やクロストリジウム・ディフィシル感染症治療薬「ディフィクリア」などが伸びた。25年3月期は売上高830億円(9.6%増)、営業利益100億円(3.9%増)を予想している。

 

富士製薬工業(2023年10月~24年3月期、5月9日発表)

▽売上高213億8800万円(前年同期比11.2%増)▽営業利益14億4300万円(20.9%減)▽経常利益21億6500万円(11.8%減)▽純利益42億5700万円(140.2%増)――。天然型黄体ホルモン製剤「エフメノカプセル」などが伸びた。マイルストンの支払いや研究開発費の増加などで営業利益は前年同期を下回ったが、投資有価証券売却益を計上したことで最終利益は大幅に増えた。24年9月期は、売上高460億6000万円(前年同期比12.6%増)、営業利益39億9000万円(3.4%増)を予想。第2四半期までの業績を踏まえ、期初予想から引き下げた。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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