医師向け総合臨床アプリ「Antaa」(アンター)に掲載されている薬剤情報の中で、2024年1~3月の会員医師による検索数が多い医薬品をランキングしました。
「タミフル」「ラゲブリオ」など上位
2024年1~3月にアンターで医師が最も検索した薬剤は、ノバルティスファーマの慢性心不全治療薬「エンレスト錠」(一般名・サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)でした。2位はエーザイの不眠症治療薬「デエビゴ錠」(レンボレキサント)。どちらも、年間を通して検索数の多い薬剤です。
3位は、大鵬薬品工業とMeijiSeikaファルマが共同販売する抗アレルギー薬「ビラノア錠/OD錠」(ビラスチン)。今シーズンは花粉の飛散開始が例年より早かったこともあり、2月から検索数が大きく増加しました。同薬効では、サノフィの同「アレグラ錠」(フェキソフェナジン塩酸塩)が10位に入っています。
前回(23年10~12月)に最も多く検索された抗インフルエンザウイルス薬「タミフルカプセル/ドライシロップ」(オセルタミビルリン酸塩、中外製薬)は今回、6位にランクイン。流行まっただ中の1月に多く検索されました。
インフルエンザ以外の感染症も流行が続いており、塩野義製薬の鎮咳薬「メジコン散/錠/配合シロップ」(デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物)は5位。MSDの新型コロナウイルス感染症治療薬「ラゲブリオカプセル」(モルヌピラビル)は11位でした。
【ピックアップ】花粉症治療薬
花粉症治療薬に限って検索数をみてみると、1位ビラノア、2位アレグラに続いて多く検索されたのは、第2世代抗ヒスタミン薬「アレジオン点眼液/LX点眼液」(エピナスチン塩酸塩、参天製薬)。4位は同「デザレックス錠」(デスロラタジン、オルガノン/杏林製薬)で、5位は同「ザイザル錠/シロップ」(レボセチリジン塩酸塩、グラクソ・スミスクライン)でした。検索の多くは第2世代抗ヒスタミン薬に集中しています。
市場でビラノア、デザレックスと競合する「ルパフィン錠」(ルパタジンフマル酸塩、帝國製薬/田辺三菱製薬)は花粉症治療薬の中で7位。このほか、アレグラの後発品として共創未来ファーマの「フェキソフェナジン塩酸塩錠『FFP』」が多く検索されました。
第2世代抗ヒスタミン薬以外では、第1世代抗ヒスタミン薬の「ポララミン錠/散/シロップ/ドライシロップ/注」(高田製薬)と、点鼻ステロイド薬「アラミスト点鼻液」(グラクソ・スミスクライン)がランクインしました。
【データ提供】医師向け総合臨床アプリ「Antaa」(アンター) スライドやオンデマンド配信、診療相談、薬剤検索などを提供し、医師が現場で行う判断を幅広くサポートする臨床アプリ。薬剤情報については、医師の処方の観点からほかの薬剤との比較を主眼に2万以上の薬剤の特徴を簡潔にまとめている。薬効検索や腎機能表示、疑義照会、レセプト返戻にも対応し、忙しい外来でも処方に必要な情報を確認できるのが特徴。全ての薬剤に専門医のコメントが掲載されており、処方した医師の実感などを確認できる。iOS・Androidアプリ。 |