ヤンセン、FGFR阻害薬エルダフィチニブを申請―尿路上皮がん対象に｜製薬業界きょうのニュースまとめ（2023年11月20日）

ヤンセン、FGFR阻害薬エルダフィチニブを申請

ヤンセンファーマは11月20日、FGFR阻害薬エルダフィチニブを申請したと発表した。適応は「成人のFGFR3遺伝子変異または融合遺伝子を有する、がん薬物療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」。申請の根拠となった臨床第3相試験では、化学療法との比較で主要評価項目の全生存期間を有意に延長し、死亡リスクを36%低下させた。

米国では「感受性の高いFGFR3またはFGFR2遺伝子変異を有し、プラチナ製剤を含む化学療法による治療の実施中または実施後（プラチナ製剤を含む化学療法の術前または術後12カ月以内を含む）に病勢進行した局所進行性または転移性尿路上皮がん」の適応で2019年に迅速承認を取得。米国では今年8月に「抗PD-（L）1治療後のFGFR3遺伝子変異を有する局所進行性または転移性尿路上皮がん」の適応でも申請を行っており、欧州では9月に「抗PD-（L）１治療後のFGFR3遺伝子変異を有する局所進行性の切除不能または転移性尿路上皮がん」を対象に申請した。

東和　子会社が沖縄に原薬工場、パイナップル茎からプロメライン抽出・精製

東和薬品は11月20日、子会社のジェイドルフ製薬が沖縄県東村に医療用医薬品の原薬工場を竣工したと発表した。同工場では、痔疾治療薬「ヘモナーゼ配合錠」と壊死組織除去剤「ブロメライン軟膏」の原薬であるブロメラインをパイナップルの茎から抽出・精製する。来年4月の稼働開始が目標。医療用医薬品の原薬工場は沖縄県初という。

サーモフィッシャー、CAR-T製造人材の育成を支援

サーモフィッシャーサイエンティフィックは11月20日、バイオロジクス研究・トレーニングセンター（BCRET、神戸市）が行うCAR-T細胞製造人材の育成プログラムの開発を支援すると発表した。グローバル規模で蓄積してきたCAR-T細胞製造の知見を生かし、製造ノウハウや装置の操作方法などに関する人材育成プログラムを開発する。プログラムは2024年度の提供を予定している。

第一三共　ADC技術の知財めぐる仲裁廷、シージェンの主張を全面否定

第一三共は11月20日、抗体薬物複合体（ADC）技術に関する知的財産権をめぐる米シージェンとの紛争について、米国仲裁協会での仲裁廷がシージェンの主張を全面的に否定する最終判断を下したと発表した。仲裁廷は、第一三共が仲裁に要した費用のうち約4550万ドル（約68億円）をシージェンに負担させることも決めた。シージェンは、第一三共のADC技術に関する特定の知財は自社に帰属するとして仲裁を申し立てていた。最終判断により、仲裁協会での仲裁手続きは終了する。

住友ファーマ、PTP包装廃材を再資源化

住友ファーマは11月20日、オリックス環境と、医療用医薬品の包装工程で生じるPTP包装廃材の再資源化に取り組むと発表した。PTPシートをプラスチックとアルミに分けることでリサイクルを可能にする。今回の取り組みにより、住友ファーマ鈴鹿工場（三重県鈴鹿市）の廃棄プラスチックのPTPシートのうち99.8%が再資源化され、同社の廃棄プラスチックの再資源化率は32%から55%に改善するという。

アルフレッサHD、中国の卸と提携…日本企業の進出支援

アルフレッサホールディングスは11月20日、中国の医薬品卸売大手・華潤医薬商業と包括的な戦略的業務提携に関する合意書を結んだと発表した。両社は2019年に提携し、中国市場での共同事業を模索。今回、日本の医薬品・医療機器を中国市場に導入するため、新たな提携を結ぶことにした。両社が持つ販売・物流のネットワークやノウハウを活用し、日本企業の中国進出を支援する。