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製薬業界 きょうのニュースまとめ読み(2023年6月26日)

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塩野義、米キューペックスを買収…新規β-ラクタマーゼ阻害薬を獲得

塩野義製薬は6月26日、薬剤耐性菌に対する抗菌薬の研究開発を手掛ける米キューペックス・バイオファーマを買収すると発表した。1億ドル(約143億円)ですべての発行済み株式を取得し、開発品の進展などに応じたマイルストンとして最大4000万ドルを既存株主に支払う。塩野義は買収でキューペックスが創製した新規β-ラクタマーゼ阻害薬xeruborbactamを獲得。同薬は現在、カルバペネム系抗生物質メロペネムと併用する注射薬と、セフェム系抗生物質セフチブテンと併用する経口薬の臨床第1相(P1)試験を行っている。キューペックスが持つ人材やネットワークも取り込み、感染症領域の強化につなげる狙い。完全子会社化は7月上旬に完了する予定。

 

ノバルティス、遺伝子治療薬「ルクスターナ」承認

ノバルティスファーマは6月26日、両アレル性RPE65遺伝子変異による遺伝性網膜ジストロフィー(IRD)に対する遺伝子治療薬「ルクスターナ注」(一般名・ボレチゲン ネパルボベク)の承認を取得したと発表した。IRDは、遺伝子の変異が原因で網膜の機能が障害される遺伝性・進行性の目の疾患の総称。ルクスターナはIRDの原因遺伝子の1つであるRPE65遺伝子の機能欠損を補う遺伝子補充療法で、各眼に1回ずつ注射することで長期間、視機能が維持されることが期待できる。

 

大鵬薬品、FGFR阻害薬「リトゴビ」承認

大鵬薬品工業は6月26日、自社創製のFGFR阻害薬「リトゴビ錠」(フチバチニブ)が承認を取得したと発表した。適応は「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん」。コンパニオン診断薬としては、シスメックスの「OncoGuide  NCCオンコパネルシステム」がコンパニオン診断機能の追加に関する承認を今年2月に取得している。

 

ファイザー、円形脱毛症治療薬「リットフーロ」が承認

ファイザーは6月26日、円形脱毛症治療薬「リットフーロカプセル」(リトレシチニブトシル酸塩)の承認を取得したと発表した。同薬はJAK3/TECファミリーキナーゼ阻害薬。国際共同治験では、プラセボとの比較で脱毛症の重症度評価尺度を統計学的に有意に改善した。

 

フェリング、潰瘍性大腸炎治療薬「コレチメント」の承認取得…販売は持田

フェリング・ファーマと持田製薬は6月26日、潰瘍性大腸炎治療薬「コレチメント錠」(ブデソニド)について、フェリングが承認を取得したと発表した。国内ではフェリングが製品を供給し、持田が流通と販売を行う。同薬は、標的部位である大腸にブデソニドが送達され、持続的に放出するよう設計されている。海外では75以上の国と地域で承認されている。

 

「ゾコーバ」医薬品特許プールが7社にサブライセンス…低中所得国に供給

塩野義製薬は6月26日、新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ」(エンシトレルビル フマル酸)について、国際組織「医薬品特許プール(MPP)」と昨年10月に結んだライセンス契約に基づき、MPPが後発医薬品メーカー7社と製造に関するサブライセンス契約を結んだと発表した。サブライセンス先は、中国(3社)、インド(2社)、ウクライナ、ベトナム(それぞれ1社)の後発品メーカーで、7社は117の低中所得国でゾコーバの製造・供給が可能になる。MPPは国連が支援する公衆衛生団体。医薬品の知的財産をプールし、後発品の製造を促すことで、低中所得国の医薬品アクセスを向上させる活動を展開している。

 

「デュピクセント」結節性痒疹への適応拡大が承認

サノフィは6月26日、抗IL-4/13受容体抗体「デュピクセント」(デュピルマブ)について、既存治療で効果不十分な結節性痒疹への適応拡大が承認されたと発表した。結節性痒疹は、2型炎症を伴う慢性皮膚疾患の1つで、持続する強いそう痒を伴う結節(肥厚した皮膚病変)が特徴。結節は全身の大部分に広がることもあり、痛みを伴う皮膚症状を呈する。治療には高力価のステロイド外用薬を処方されることもあるが、長期的な予後改善についての根拠は乏しい。結節性痒疹を対象に行った国際共同P3試験では、デュピクセントはプラセボに比べてそう痒と皮膚病変を有意に改善することが示された。

 

「キイトルーダ」原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫に適応拡大

MSDは6月26日、抗PD-1抗体「キイトルーダ」(ペムブロリズマブ)について、「再発または難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫」への適応拡大が承認されたと発表した。同疾患は胸腺B細胞ががん化したもので、希少で進行が速い。海外のデータによると、化学療法による1次治療で治癒しない患者が10~20%おり、1次治療後の再発・難治性の患者には自家造血幹細胞移植が有効な場合があるものの、予後は不良という。

 

MSD、15価肺炎球菌ワクチン「バクニュバンス」小児に対象拡大

MSDは6月26日、15価肺炎球菌結合型ワクチン「バクニュバンス水性懸濁注シリンジ」が18歳未満の小児への対象拡大の承認を取得したと発表した。小児では、肺炎球菌は肺炎や中耳炎の原因になるとともに、敗血症や髄膜炎といった侵襲性感染症(IPD)の原因になることがあるとされ、小児の定期接種として13価ワクチンが導入されている。バクニュバンスは13価ワクチンが対応する13種の血清型に加え、IPDの原因となる2種類の血清型に対応する。同ワクチンは成人を対象に今年4月に発売された。

 

「リンヴォック」クローン病への適応追加が承認

アッヴィは6月26日、JAK阻害薬「リンヴォック錠」(ウパダシチニブ水和物)について、「既存治療で効果不十分な中等症から重症の活動期クローン病の寛解導入療法および維持療法」への適応拡大が承認されたと発表した。国内では7つ目の適応症となる。既存治療で効果不十分な中等症から重症患者に対する経口薬は初めて。

 

帯状疱疹ワクチン「シングリックス」18歳以上に適応拡大

グラクソ・スミスクラインは6月26日、帯状疱疹ワクチン「シングリックス筋注用」について、帯状疱疹の発症リスクが高いと考えられる18歳以上に対象を広げる用法・用量の追加が承認されたと発表した。従来は50歳以上が対象だった。発症リスクが高い人としては、疾病や治療などで免疫不全となった人や免疫機能が低下した人などが含まれる。

 

免疫グロブリン製剤「ハイゼントラ」2週1回投与が可能に

CSLベーリングは6月26日、人免疫グロブリン製剤「ハイゼントラ皮下注」について、2週間に1回投与の用法・用量が承認されたと発表した。同薬は「無または低ガンマグロブリン血症」に対する治療薬。これまでは週1回投与で承認されていた。

 

「フェブリク」に小児適応追加

帝人ファーマは6月26日、痛風・高尿酸血症治療薬「フェブリク錠」(フェブキソスタット)に小児適応が追加されたと発表した。先天性心疾患や慢性腎疾患といった疾患を持つ小児では、慢性的な高尿酸血症が認められることが多いとされるが、これまで小児の用法・用量が設定された尿酸降下薬はなかった。こうした背景から、帝人ファーマは2018年から小児患者を対象とした臨床試験を行ってきた。

 

大鵬薬品、九大と共同研究…共有結合型薬剤創製へ新規反応基開発

大鵬薬品工業は6月26日、九州大と共有結合型薬剤創製のための新規反応基開発に向けた共同研究を始めたと発表した。大鵬薬品は標的タンパク質に存在する特定のアミノ酸と共有結合する薬剤を創製するシステイノミクス創薬を推進しており、2022年には自社創製のFGFR阻害薬が米国で承認された。一方、九州大は独自の新規反応基の開発に取り組んでいる。共同研究で両者は、それぞれが得意とする創薬技術を融合させ、特定のアミノ酸に対する新規の反応基の開発を進める。標的タンパク質の拡張や新しい共有結合型薬剤の開発につなげたい考え。

 

全薬工業、シンガポール企業からアトピー性皮膚炎治療薬を導入

全薬工業は6月23日、シンガポールのアスラン・ファーマシューティカルズと、同社がアトピー性皮膚炎治療薬として開発している抗IL-13受容体α1サブユニット抗体エブラサキマブ(開発コード・ASLAN004)の日本国内での開発・販売に関する独占的ライセンス契約を結んだと発表した。同薬は、海外P1試験では中等症から重症のアトピー性皮膚炎に対する良好な結果を得ている。アスランは現在、▽生物学的製剤の使用経験のない中等度から重症の患者を対象としたP2b試験▽デュピルマブ治療経験のある中等症から重症患者を対象としたP2試験――を進めており、前者は今年7月に、後者は2024年1~3月にデータが明らかになる予定。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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