IQVIAは11月22日、2022年7~9月期の国内医療用医薬品市場が前年同期比4.6%増の2兆7616億円となったと発表した。前年同期を上回ったのは6四半期連続。製品別では小野薬品工業の免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」がトップで、昨年10月に一般流通を開始したギリアド・サイエンシズの新型コロナウイルス感染症治療薬「ベクルリー」が2位に入った。
市場の内訳を見ると、▽病院(100床以上)1兆2854億円(前年同期比3.9%増)▽開業医(100床未満)5374億円(8.2%増)▽薬局その他9387億円(3.6%増)――。今年1~3月期以降、3四半期連続で3市場ともプラスとなった。
トップのオプジーボは34.1%増
製品別売上高(薬価ベース)では、オプジーボが405億円(34.1%増)でトップ。2位のベクルリーは新型コロナの第7波で396億円を売り上げた。新型コロナ関連では、MSDの経口抗ウイルス薬「ラゲブリオ」が、9月16日の一般流通開始から2週間で61億円を販売した。
製品別売上高の3位はMSDの免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」(325億円、10.1%増)。4位の抗凝固薬「リクシアナ」(第一三共)も17.1%増と好調だった。一方、武田薬品工業の抗潰瘍薬「タケキャブ」(1.4%減)と中外製薬の抗がん剤「アバスチン」(16.9%減)は売り上げを落とした。
RA系薬、上位10薬効から姿消す
薬効別では「抗腫瘍剤」が4430億円(5.4%増)で首位。2位は「糖尿病治療剤」(1667億円、5.7%増)で、新型コロナの検査キットが売り上げを伸ばした「診断用検査試薬」(1457億円、100.1%増)が3位となった。
ベクルリーとラゲブリオが牽引した「全身性抗ウイルス剤」は887億円(95.9%増)で6位。新型コロナと季節性インフルエンザの同時流行が懸念される中、インフルエンザワクチンの売り上げが伸びた「ワクチン類」も29.8%増となった。
上位10薬効の常連だった「レニン-アンジオテンシン系作用薬」は、2005年10~12月期の統計発表開始以来、初めて上位10薬効の圏外となった。