エーザイ「ミオナール」「メリスロン」アジアでの権利をDKSHに譲渡
エーザイは11月7日、筋緊張改善薬「ミオナール」(一般名・エペリゾン塩酸塩)とめまい・平衡障害治療薬「メリスロン」(ベタヒスチンメシル酸塩)について、アジア9カ国・地域での権利をDKSHホールディング(スイス)の子会社に譲渡すると発表した。エーザイは契約一時金を受け取るとともに、DKSHに製品を供給する。日本、中国、韓国などではエーザイが権利を持ち、販売を続ける。エーザイは、重点領域である神経領域とがん領域のグローバル新製品を中心とした製品構成への転換を進める。
中外 浮間工場にデジタル基盤、生産計画効率化
中外製薬は11月7日、デジタルプラントの実現に向けた生産オペレーションを支えるデジタル基盤を構築し、中外製薬工業の浮間工場(東京都北区)で稼働を開始したと発表した。日本アイ・ビー・エムと開発したもので、今後、同工場で本格的な活用を進めるとともに、宇都宮(栃木県)と藤枝(静岡県)の工場でも導入を目指す。デジタル基盤は「教育系システム」「計画系システム」「遠隔支援システム」で構成されており、生産・要員計画や進捗管理の効率化、GMP教育、現場へのリモート支援に活用する。
CureApp、福島県立医科大と腰痛治療用アプリの共同研究
CureApp(東京都中央区)は11月7日、福島県立医科大と慢性腰痛症向け治療用アプリの共同研究を始めたと発表した。治療に関わる多様な専門分野の知見と、運動療法や認知行動療法といった治療の内容をアプリに集約し、患者の身体面、心理面、社会面を考慮した治療を通院時以外にも提供することを目指す。集学的治療が難しかった施設でも治療を行えるようにしたい考え。
東和薬品 4~9月期業績予想を下方修正、限定出荷で改定影響補えず
東和薬品は11月7日、2022年4~9月期の業績予想を下方修正したと発表した。修正後の予想は、売上高905億円(従来予想比110億円減)、営業利益33億円(47億円減)。限定出荷の影響で、薬価改定の影響を販売数量でカバーできない見通しとなった。
東邦HD、4~9月期の利益予想を下方修正
東邦ホールディングス(HD)は11月7日、2022年4~9月期の業績予想を修正したと発表した。国立病院機構と労働者健康安全機構が九州エリアで発注した医療用医薬品の入札をめぐる談合で、今後発生し得る損失を特別損失に計上する。修正後の予想は、営業利益40億円(従来予想比17億円)、経常利益73億円(11億円減)、純利益35億円(21億円減)。売上高予想は従来予想から490億円増の6790億円に引き上げた。
決算
エーザイ(2022年4~9月期、11月7日発表)
売上収益3586億2600万円(前年同期比1.0%減)、営業利益52億5300万円(91.3%減)。抗がん剤「レンビマ」などが好調だったが、前年同期に米ブリストル・マイヤーズスクイブとの提携に関する契約一時金496億円を計上したことや、レンビマに関する米メルクへの折半利益の支払いが増えたことなどによって大幅な減益となった。23年3月期の業績予想は、売上収益を7600億円(従来予想比600億円増)に上方修正。レンビマなどグローバル製品の成長を織り込んだ。利益予想は据え置く。
帝人(2022年4~9月期、11月7日発表)
ヘルスケアセグメントの売上高は787億円(前年同期比9.4%減)、営業利益は147億円(39.4%減)。6月に後発医薬品が参入した高尿酸血症・痛風治療薬「フェブリク」が46.1%減の104億円に落ち込んだ。23年3月期の同セグメントの業績予想は、売上高1550億円、営業利益235億円。売上高予想は据え置いたが、フェブリクの後発品への切り替えが想定を上回るスピードで進んでいることを踏まえ、営業利益予想を25億円下方修正した。
あすか製薬HD(2022年4~9月期、11月7日発表)
売上高301億7200万円(前年同期比6.0%増)、営業利益28億7900万円(8.3%増)。子宮筋腫・子宮内膜症治療薬「レルミナ」が45億2400万円(22.2%増)と好調だったほか、ほかの主要製品も全体的に堅調だった。23年3月期の業績予想は、売上高600億円(従来予想比25億円増)、営業利益52億円(10億円増)に上方修正。主要製品の好調な販売を反映した。
わかもと製薬(2022年4~9月期、11月7日発表)
売上高40億1900万円(前年同期比0.3%増)、営業利益85000万円の赤字(前年同期は1億7200万円の赤字)。眼科手術補助剤「マキュエイド」などが伸びた一方、緑内障・高眼圧症治療薬「ドルモロール」などが減少し、医薬事業は2.5%の減収だった。23年3月期の業績予想は、売上高85億円、営業利益9000万円の従来予想を据え置いた。
アルフレッサHD(2022年4~9月期、11月7日発表)
売上高1兆3324億1900万円(前年同期比3.4%増)、営業利益102億2700万円(12.2%増)。本業の医療用医薬品等卸売事業は売上高1兆1820億9400万円(4.3%増)、営業利益79億9400万円(13.7%増)。薬価改定のマイナス影響はあったものの、市場の拡大や独占禁止法違反による入札指名停止期間の終了、診断薬などのメディカル品の販売増で増収増益となった。23年3月期の業績予想は従来予想(売上高2兆6180億円、営業利益295億円)から変更はない。