大塚の腎性貧血治療薬バダデュスタット、米国で承認見送り
大塚ホールディングス(HD)は3月31日、腎性貧血治療薬として米国で申請していたHIF-PH阻害薬バダデュスタットについて、米FDA(食品医薬品局)から承認を見送る審査完了報告通知を受け取ったと発表した。FDAは「今回の申請データでは承認できない」としているという。大塚は、共同開発を行う米アケビアとともに通知内容を精査し、今後の方針を検討する。
第一三共 中国の「クラビット」現地企業に譲渡
第一三共は3月31日、抗菌薬「クラビット錠/注射剤」(一般名・レボフロキサシン水和物)の中国での製造販売権を同国の重慶薬友製薬に譲渡すると発表した。同薬の中国での製造販売権を持ち、製造を行っている子会社・第一三共製薬(北京)有限公司(DSBJ)を重慶薬友製薬に売却する。譲渡額は非開示。譲渡は今年8月末に完了する予定。DSBJが製造するクラビット以外の製品は、中国国内のグループ会社に製造を移管して販売を続けるか、生産を中止する。中国では今後、がん領域と循環器・疼痛領域に注力する考え。
久光 あゆみ製薬HD親会社の株式取得
久光製薬は3月31日、あゆみ製薬HDの完全親会社であるAYM HDの株式の一部を取得したと発表した。取得比率は非開示。久光は貼付剤から事業活動を拡大していく方針で、出資を通じてあゆみ製薬との関係性を強化するとともに、整形外科領域での協業を検討する。AYM HDをめぐっては、今月10日に東邦HDが株式の20%を取得したことを発表している。
小野 がん免疫療法薬のライセンス取得、提携先のスイス企業から
小野薬品工業は3月31日、創薬提携を結んでいるスイスのヌマブ・セラピューティクスから、新規のがん免疫の標的に対する多重特異性抗体を全世界で独占的に開発・商業化する権利を取得する契約を結んだと発表した。2017年に結んだ創薬提携のオプション権を行使した。17年の契約に基づくものも含め、小野はヌマブに最大2億5800万スイスフラン(約340億円)の一時金・マイルストンと販売ロイヤリティを支払う予定。両社は20年にも別の多重特異性抗体を創製するための契約を結んでいる。
旭化成ファーマ、長時間作用型GLP-2アナログをスイス企業から導入
旭化成ファーマは3月31日、スイスのベクティブバイオ・ホールディングと長時間作用型GLP-2アナログペプチドapraglutideに関するライセンス契約を結んだと発表した。国内での独占的開発・販売権を取得する。現在、短腸症候群を対象に日本を含む国際共同第3相(P3)試験を行っており、今後、ステロイド耐性の急性移植片対宿主病に伴う消化管障害を対象とした試験も行われる予定。契約の対価として、旭化成ファーマは一時金と開発マイルストンをあわせて最大230億円を支払うほか、売上高に応じたロイヤリティを支払う。
大日本住友 急性白血病治療薬「DSP-5336」のP1/2試験開始
大日本住友製薬は3月31日、国立がん研究センター、庄内地域産業振興センターと共同研究を進める「DSP-5336」(開発コード)について、日本と北米で急性白血病を対象としたP1/2試験を開始したと発表した。同薬はMENINタンパク質とMLLタンパク質の結合を選択的に阻害する低分子化合物。MLL転座白血病やNPM1遺伝子変異白血病の適応で開発を進める。
千寿「イブリーフ」日本製薬との提携解消
千寿製薬は3月31日、未熟児動脈管開存症治療薬「イブリーフ静注」(イブプロフェン L-リシン)について、日本製薬への情報提供活動の委託を終了すると発表した。来月以降は製造販売元の千寿製薬が情報提供活動を行う。
住友化学、大分に低分子原薬・中間体製造プラント新設
住友科学は3月30日、大分工場(大分市)に低分子化合物の原薬・中間体の製造プラントを新設すると発表した。2024年9月の操業開始を見込む。現在は岐阜県と岡山県の2プラントで生産を行っているが、大分プラントを第3の拠点と位置付け、CDMO事業の供給能力を増強する。大分では核酸医薬の原薬製造プラントも建造中。
GHIT Fund マラリア向け製品開発3件に7.4億円投資
グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は3月31日、マラリアを対象とした治療薬・ワクチンの開発3件に総額7億4000万円を投資すると発表した。投資するのは、▽熱帯熱マラリアを予防する抗体医薬のリード最適化(エーザイやグラクソ・スミスクラインなど)▽抗マラリア活性を持つ新規化合物のリード化合物探索(アステラス製薬など)▽感染防御・伝播阻止の機能を持つ三日熱マラリアワクチンの抗原特定(金沢大など)――。GHIT Fundが投資するプロジェクトは61件が進行中で、累積投資金額は約276億円となった。
決算
独ビオンテック(2021年12月期、3月30日発表)
売上高189億7670万ユーロ(前期比約39倍、約2兆5800億円)、純利益102億9250万ユーロ(677倍)。米ファイザーと共同開発した新型コロナウイルスワクチン「コミナティ」は、売上総利益シェア143億5210万ユーロ、販売マイルストン4億7660億ユーロを計上した。2022年12月期は、同ワクチン関連で130~170億ユーロの収益を見込む。