「タケキャブ」に市場拡大再算定の特例
中央社会保険医療協議会(中医協)は1月19日、4月に行われる2022年度薬価改定で計23成分41品目に再算定を適用し、薬価を引き下げることを了承した。武田薬品工業のPPI「タケキャブ錠」に市場拡大再算定の特例が適用され、GLP-1受容体作動薬の注射剤は、インスリンとの配合剤を含む全8製品が通常の市場拡大再算定を受ける。タケキャブは、特例の「年間販売額1000億円超かつ予測販売額の1.5倍以上」の要件に該当すると判断された。ファイザーのトランスサイレチン型心アミロイドーシス治療薬「ビンダケル」「ビンマック」は、用法用量変化再算定を受ける。くわしくはトピックスで。
富士製薬工業に業務改善命令、一部試験を実施せず
富山県は1月19日、製剤の純度試験の一部を行わなかったなどとして、富士製薬工業に業務改善命令を出した。県と同社によると、富山市の工場で製造している卵胞成熟ホルモン製剤「フォリルモンP注」について、純度試験の一部を行っていなかったほか、緊急避妊薬「レボノルゲストレル錠『F』」では承認書の規定と異なる方法で純度試験を実施。Gn-RH 誘導体製剤「ナファレリン点鼻液『F』」では、承認書で規定された含量規格を下回る標準物質を使って原薬と製品の定量試験を行っていた。同社は自主回収を行っており、健康被害は確認されていないとしている。
第一三共 米で販売の7製品を譲渡、オルメサルタンなど対象
第一三共は1月19日、高血圧症治療薬「ベニカー」(一般名・オルメサルタン)など米国で販売している7製品の製造・商業化権を米Cosette Pharmaceuticalsに譲渡すると発表した。譲渡するのは、ベニカーとその配合剤、高コレステロール血症・2型糖尿病治療薬「ウェルコール」、抗血小板薬「エフィエント」など。譲渡により、新薬中心の収益構造への転換を図る。
田辺三菱、スイス企業からADCの国内開発・販売権取得
田辺三菱製薬は1月18日、スイスのADCセラピューティクスから、同社が海外で販売している抗CD19抗体薬物複合体(ADC)loncastuximab tesirineの日本での独占的開発・商業化を取得するライセンス契約を結んだと発表した。同薬は昨年、非ホジキンリンパ腫治療薬として米国で迅速承認を取得している。田辺三菱は、契約一時金として3000万ドルを支払うほか、開発・販売のマイルストンとして追加で最大2億500万ドルを支払う。同社は米国の研究子会社でADCの研究開発を行っており、今回のライセンス契約でプレシジョンメディシンへの取り組みを進める。
エーザイの抗MTBRタウ抗体、国際団体によるP2/3試験が開始
エーザイは1月19日、国際団体「優性遺伝アルツハイマーネットワーク試験ユニット」(DIAN-TU)が行う優性遺伝アルツハイマー病を対象とした臨床第2/3相(P2/3)試験で、最初の被験者が登録されたと発表した。同試験では、エーザイの抗TMBRタウ抗体「E2814」の有効性を評価。基礎療法として、同社の抗アミロイドβプロトフィブリル抗体レカネマブも使われる。
アンジェス コロナ治療薬、米でP2a試験開始
アンジェスは1月19日、カナダのVasomune Therapeuticsと共同開発している新型コロナウイルス治療薬「AV-001」について、米国でP2a試験を始めたと発表した。対象は重度の入院患者で、120人を対象に実施。今後、南米でも試験を始める。同薬はTie2受容体を標的とするペグ化ペプチド。アンジオポエチンとTie2のシグナル伝達経路を活性化することで、血管機能を正常化させるという。