22年度薬価改定、改定率マイナス1.35%
政府は12月22日、来年4月に行われる2022年度診療報酬・薬価改定について、薬価の改定率をマイナス1.35%とすることを決めた。薬価改定率の内訳は、実勢価などによる改定部分がマイナス1.44%、不妊治療の保険適用への対応部分がプラス0.09%。診療報酬本体の改定率はプラス0.43%で、材料価格(マイナス0.02%)を含む全体の改定率はマイナス0.94%となった。
22年度薬価制度改革の骨子を了承…中医協
中央社会保険医療協議会(中医協)は12月22日、来年4月に行われる2022年度薬価制度改革の骨子を了承した。骨子では、イノベーション評価として、有用性加算などに相当する適応拡大を行った医薬品で、一定の要件を満たしたものを新薬創出・適応外薬解消等促進加算の対象とすることを明記。市場拡大再算定の特例の対象品または類似品として薬価の引き下げを受けた品目は、引き下げから4年間、1回に限って類似品としての適用から除外することも盛り込まれた。一方、原価計算方式による薬価算定では、製造原価の開示度が50%未満の品目は加算係数をゼロとする見直しを行う。財務省が見直しを求めていた調整幅については「引き続き検討する」とした。
ラインファーマ、人工妊娠中絶薬を日本で申請
ラインファーマは12月22日、人工妊娠中絶薬ミフェプリストン・ミソプロストールを日本で申請したと発表した。同薬はコンビパック製剤で、1剤目(ミフェプリストン)を経口投与し、36~48時間後に2剤目(ミソプロストール)をバッカル投与する。妊娠63日以下の女性120人を対象に行った国内臨床第3相(P3)試験では、投与後24時間以内の中絶成功率が93.3%だった。ラインファーマは、英ラインファーマ・インターナショナルの日本法人で、昨年5月に設立された。
キッセイ、脊髄小脳変性症治療薬ロバチレリンを申請
キッセイ薬品工業は12月22日、脊髄小脳変性症治療薬ロバチレリン(開発番号・KPS-0373)を申請したと発表した。同薬は塩野義製薬が創製し、国内での開発・販売権を取得したキッセイが脊髄小脳変性症治療薬として開発した。脊髄小脳変性症は、小脳または脊髄が変性することで運動失調などの症状が現れる原因不明の神経変性疾患の総称で、指定難病の一つに定められている。
ゾジェニックス、ドラベ症候群治療薬を申請…販売は日本新薬
日本新薬は12月22日、国内での独占的商業化権を持つ米ゾジェニックスのドラベ症候群治療薬「ZX008」について、同社が日本で承認申請を行ったと発表した。両社は2019年に同薬の日本での独占的販売契約を締結。承認後は日本新薬が商業化を行う。
武田の好酸球性食道炎治療薬、FDAが承認見送り
武田薬品工業は12月22日、米国で申請していた好酸球性食道炎治療薬「TAK-721」(一般名・ブデソニド経口懸濁液)について、米FDA(食品医薬品局)から「現状では承認できない」とする審査完了報告通知を受け取ったと発表した。FDAは追加の臨床試験を推奨しているという。同社は「審査完了報告通知の内容を精査し、今後の申請対応を検討する」としている。TAK-721は、ステロイド薬ブデソニドを有効成分とする粘膜付着性の局所経口粘性製剤。シャイアー買収によって武田のパイプラインに加わった。
田辺三菱「テネリア」中国でのプロモーションでスズケングループ企業と提携
田辺三菱製薬は12月22日、DPP-4阻害薬「テネリア」の中国でのプロモーションについて、鈴謙(深圳)医薬有限公司(スズケン深圳)と委受託契約を結んだと発表した。田辺三菱は2019年に他社とプロモーション委受託契約を結んでいたが、市場環境の変化に伴い提携先を見直した。スズケン深圳は、EPSグループの中国企業・EPS益新集団とスズケンの合弁会社。
東レ、導出先がナルフラフィンOD錠を中国で申請
東レは12月21日、提携先の3SBio(中国・瀋陽)がそう痒症改善薬ナルフラフィンのOD錠を中国で申請したと発表した。同薬は東レが創製し、3SBioとは2017年に中国を対象とする独占的ライセンス契約を結んでいる。国内では「レミッチ」の製品名で鳥居薬品が販売している。