IQIVIAは11月16日、2021年7~9月期の国内医療用医薬品市場が前年同期比4.2%増の2兆6404億7300万円だったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に「診断用検査薬」が4~6月期に続いて薬効別の売上高トップ10に入った。製品別では、小野薬品工業の免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」が16年10~12月期以来のトップとなった。
市場の内訳を見ると、▽病院(100床以上)1兆2375億400万円(前年同期比6.4%増)▽開業医(100床未満)4968億5500万円(1.0%減)▽薬局その他9061億1400万円(4.2%増)――だった。
製品別売上高(薬価ベースで集計)では、オプジーボが301億9900万円(7.7%増)で首位。非小細胞肺がんの1次治療や食道がんの2次治療で使用が拡大し、約5年ぶりにトップに返り咲いた。今年4~6月期まで9四半期連続トップだったMSDの免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」は295億4300万円(2.8%増)で2位。3位は武田薬品工業の抗潰瘍薬「タケキャブ」(275億5000万円、12.2%増)だった。
上位製品は軒並み好調で、アストラゼネカの抗がん剤「タグリッソ」や第一三共の抗凝固薬「リクシアナ」、大塚製薬の利尿薬「サムスカ」などが2ケタ増となった。
薬効別の売上高では、「抗腫瘍剤」が4201億3400万円(13.3%増)でトップ。2位は「糖尿病治療剤」(1576億5600万円、5.7%増)、3位は「免疫抑制剤」(1315億9900万円、11.3%増)だった。
新型コロナの感染拡大で今年4~6月期に初めて上位10薬効入りした「診断用検査薬」は728億400万円(39.4%増)で8位。10位となった「その他の治療を目的とする薬剤」(647億7500万円、6.2%増)は、昨年5月に発売されたアストラゼネカの高カリウム血症治療薬「ロケルマ」(454.8%増)が牽引し、薬効として初めてトップ10にランクインした。